マインドフルネスとは? 〜 マインドフルネスの全てを体系的に解説 〜

教室の中で瞑想している画像

「マインドフルネス」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?Googleが社員研修として開発・導入したり、コロナ禍でアメリカ・ニューヨーク州が市民にマインドフルネスを推奨したりして話題になりました。

しかし、言葉を聞いたことはあっても、どのようなものなのかイメージがつかない方も多いかもしれません。マインドフルネスは人生を豊かにするスキルとして認知されはじめていますが、仕組みを知らないまま実践しても大きな効果は得られません。

本ページでは、脳科学や医療などの視点からマインドフルネスとは何かを詳しく解説していきます。マインドフルネスを理解する手助けとなれば幸いです。 

マインドフルネスの本質とは?

マインドフルネスの本質は「気づき」です。マインドフルネスの正式な定義は「今この瞬間の経験や思考に、評価や判断をせずに意識的に注意を向けることにより表れる気づき」とされています。

参照:What is Mindfulness? ブラウン大学公衆衛生大学院.

マインドフルネスとは何かを説明する画像
評価や判断をせずに、今に意識を向けて気づいている様子

わかりにくい定義ですが、重要な点は以下の3点になります。

(1)今この瞬間
(2)意識を向ける(気づく)
(3)評価や判断をしない

この3点が重要な理由は、医学的、脳科学的、哲学的などそれぞれの観点から説明ができます。


マインドフルネスの意味をより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

マインドフルネスで「今」を意識する必要性 〜脳科学・医療から〜

現代社会では、私たちの注意は過去や未来に向かいがちですが、なぜマインドフルネスを活用して「今に集中する」ということが、それほど重要なのでしょうか?それは、私たちの脳の特徴に理由があります。

マインドワンダリングとデフォルトモードネットワーク

ある研究によると、人間の脳内では常に思考が繰り替えされており、それを言語化すると、1分間に4,000語以上を発していることがわかりました。

参照: The Rate of Inner Speech. SAGE Publications.

皆さんも日常生活のなかで「夜ご飯何かな?」「昨日は忙しかったな」など目の前以外のことが思い浮かんできた経験はあるでしょう。これは、マインドワンダリング(mind wandering)といい、デフォルトモードネットワーク(Default Mode Network : DMN)という脳内ネットワークの機能によって引き起こされている現象です。

デフォルトモードネットワーク(DMN)とは、脳が無意識かつ自動的に活発になる脳機能ネットワークで、ぼんやりしているときに「さまざまな雑念や思考がとりとめもなく出てくる」ようなことを引き起こしています。

その結果、私たちは過去の後悔や未来の不安、ひらめきなどの目の前のことに関係のないさまざまな思考が無意識のうちに湧いてきて囚われてしまうので、現在すべきことに集中しにくい状態にあるのです。

▼ 例:考え事が無意識のうちに湧いてきているシチュエーション ▼

  • 失恋や夫婦喧嘩の影響で、仕事や勉強が手につかない。
  • 明日のプレゼンテーションで、失敗してしまったらどうしよう。
  • シャワーを浴びていて、面白いアイデアが浮かんだ。
デフォルトモードネットワークの働きを示す画像
意識していなくても考え事が浮かんできている様子

詳細:心がさまようマインドワンダリングとは?対処法と活かし方を詳しく解説します!

デフォルトモードネットワーク(DMN)のデメリット・悪影響

DMNは脳の総エネルギーの60~80%を消費しています。そのため、DMNが過剰に活動すると単純に脳疲労につながり、頭や身体の重だるさを感じるようになります。

また、人の脳は旧石器時代からほとんど進化していないといわれており、いつも敵や災害などリスクを避けるために、DMNからはネガティブな思考(後悔や未来への不安など)がより発生しやすい傾向にあり、不安・ストレスに発展してしまいます。

デフォルトモードネットワーク(DMN)のデメリット・悪影響を示す画像
外敵に襲われるかもしれないと不安を感じている様子

そのネガティブな思考に極端に囚われてずっと考えてしまう状態(反すう思考)が「うつ病」「不安症」と呼ばれる病気です。

そこでマインドフルネスを身につけることで、過去や未来、そして余計な感情などに囚われず、それぞれの問題やストレスを単なる物事や事柄として客観的に捉え(メタ認知)、行動できるようになります。

うつ、不安症とマインドフルネスの違いを示す画像
過去や未来に囚われず、マインドフルネスを実践して今に意識を向けている様子

詳細:DMN(デフォルトモードネットワーク)の活動は『マインドフルネス』で抑制できる

詳細 : 今注目のビジネススキル『メタ認知』とは?意味やトレーニング方法を徹底解説

参照:Mindfulness is associated with intrinsic functional connectivity between default mode and salience networks. Frontiers in Human Neuroscience.

マインドフルネスの効果は?

マインドフルネスを実践することで多くのメリットを得ることができます。一石二鳥どころか、一石十鳥以上もの効果を得られます。

イライラ・モヤモヤの解消(アンガーマネジメント)、自己肯定感の向上(セルフコンパッション)、メンタルヘルスの改善(レジリエンス)、思いやりの向上(EQ向上、コミュニケーション改善)、自律神経の改善、免疫機能・睡眠の質の向上、依存症の解消やダイエットなど。

詳細:『マインドフルネス瞑想』のすごい効果とは?毎日5分でも継続が大事!

また、マインドフルネスを習得することは自分だけでなく、周囲の方にも大きなメリットがあります。それは、自分を客観視することができるようになって、自分が周囲にストレスを与えることが減るということです。

それにより、企業においては組織の人間関係が改善したり、家庭では落ち着いた雰囲気が生まれることで子どもや家族に良い影響があったりなどが期待できます。

マインドフルネスが人間関係に与える影響を示す画像
マインドフルネスを習得することにより、人間関係が改善している様子

マインドフルネスの効果:期間別

では、どれくらいの期間を経て、マインドフルネスの効果を感じられるようになるのでしょうか?

マインドフルネスは、早い人なら一度だけでも、気分やモチベーション、睡眠などに効果を感じられる場合もあります。また、長期的に実践を続ければ、さまざまなシーンで応用ができるようになります。

短期的な効果
(1回 – 1週間)
・脳の不要な活動(エネルギー消費)を抑制して脳疲労を軽減
・脳疲労の軽減によって、体の疲労感も改善
・ネガティブな思考が抑制されてストレスが減少
長期的な効果(2ヶ月以上)
・ストレスを感じることが少なくなり、充実感が増えていく。
・ネガティブな思考や感情に左右されることなく客観的な判断や行動ができる。
・メタ認知(状況や感情を客観的に認識すること)ができるようになり、出来事と感情、ストレスを切り分けることができる。※下図参考

▼  例:出来事と感情(ストレス)の切り分け ▼ 

  • カッとなって手が出ることがない。
  • 売り言葉に買い言葉で酷いことを言って、後から自己嫌悪などがなくなる。
マインドフルネスで思考や行動がどのように変わるかを示した画像

マインドフルネスの科学的な効果と仕組み 〜医療、脳科学の研究より〜

マインドフルネスはもともと医療を目的として、仏教の瞑想をベースに宗教色を排除した方法論として開発されたもので、ストレス解消などさまざまな効果に対して多くのエビデンスが示されています。医療や脳科学の分野で、どのような効果や活用がされているかを見てきましょう。

参照:ブラウン大学:Mindfulness Center at Brown

医療からみるマインドフルネス

医療を目的として開発されたマインドフルネスでは、「抑うつ」「不安症」の治療において「実行機能、注意機能」の回復を目指して行います。

実行機能とは、「抑制機能(注意・衝動性の制御)」「シフティング(認知的柔軟性)」「ワーキングメモリの更新(情報の取捨選択)」から成り立ち、「抑うつ」「不安症」の患者は実行機能の機能が落ちている状態です。

思考や感情、行動への意識を高めることに重点を置くマインドフルネスは、注意、認知制御、感情調節などの側面を改善することが証明されています。

抑制機能、ワーキングメモリの更新、シフティングの要素 を示す画像

参照:Improving Executive Function and Its Neurobiological Mechanisms Through a Mindfulness-Based Intervention: Advances Within the Field of Developmental Neuroscience. Society for Research in Child Development.

参照 : Mindfulness Plus Reflection Training: Effects on Executive Function in Early Childhood. Frontiers in Human Neuroscience.

脳科学からみるマインドフルネス

マインドフルネスは、「脳の筋トレ」といわれるほど脳へ良い影響があります。単純な脳疲労の軽減だけでなく、自律神経が整い、ワーキングメモリが向上するなど脳の構造(ネットワーク)が変化していきます。

  • 脳疲労の解消(デフォルトモードネットワークの活動抑制)
  • メタ認知力の向上によるストレスの減少、仕事のパフォーマンスの向上
  • ワーキングメモリの向上

ワーキングメモリとは感覚情報や記憶などを短期記憶として保持し、意思決定や発話、思考などの認知機能を実行する脳の機能です。

会話をしながら、相手の雰囲気や意図などを考えたり察したりする際に働いている機能です。物忘れが激しい方はこの機能が落ちてしまっている可能性があり、ワーキングメモリの向上は認知症の予防にも役立ちます。

参照:The default mode network as a biomarker for monitoring the therapeutic effects of meditation.Frontiers in Human Neuroscience.

参照 : Mindfulness Training Improves Working Memory Capacity and GRE Performance While Reducing Mind Wandering.Sage Journals.

参照 : Examining the protective effects of mindfulness training on working memory capacity and affective experience. American Psychological Association.

早稲田大学とMELONのマインドフルネスのストレスへの影響の研究

当社MELONでは、マインドフルネスの効果について、早稲田大学と共同研究を行った結果を発表しています。

早稲田大学と共同研究を行なった際の結果を示す画像

グラフを見ると一目瞭然ですが、マインドフルネスのプログラムの参加者は、実践によって「うつ・不安」の数値が大幅に低下していることがわかります。

これは、参加時に「抑うつ」と診断される状態の方が、2か月の実践(平均30分のクラスを週3回ほど)で「抑うつ」と診断されないほどに改善したという結果になります。

詳細:日本初!*オンライン・マインドフルネス受講者におけるうつや不安症の改善効果を実証〜新サービスとして法人向け定額プラン&うつと不安症の方向けの無料サービス提供を開始〜早稲田大学とマインドフルネスのプラットフォーム「MELON」の共同研究の成果を発表

参照:マインドフルネスの効果検証研究開始. 早稲田大学公式ホームページ.

マインドフルネスの実践方法 〜集中と観察〜

マインドフルネスの実践方法であるマインドフルネス瞑想は「集中」と「観察」という2つの要素で構成されており、両者の違いはよく顕微鏡で例えられます。まずは「集中」で観察する対象にピントを合わせ、その対象から意識をそらさないようにします。そして次にピントを合わせた対象を「観察」します。

集中と観察という要素は、マインドフルネスの元となった仏教の「瞑想」の種類である「集中瞑想」「観察瞑想」という言葉から来ています。

マインドフルネス瞑想は集中瞑想と観察瞑想のどちらの要素も持ち合わせているため、橋渡し的な役割を果たしている手法ともいえます。

集中瞑想・観察瞑想・マインドフルネス瞑想の図

集中と観察のどちらが上で、どちらが下という区別はありません。ただし、先程の顕微鏡の例のように、まずはピント・焦点をあわせる「集中」ができないと「観察」できないため、まずは集中のトレーニングから実践されることを推奨します。「観察のトレーニング」がうまくいかないと感じる場合にも「集中のトレーニング」から取り組むとうまくいく場合もあります。

また、それぞれ効果が少しずつ異なってくるため、目的によって使い分けるのがおすすめです。例えば、集中力を高めたい方、アスリートなど目の前のことに意識を100%向けて集中する必要がある方は、集中寄りのマインドフルネス瞑想を実践するといいでしょう。

一方、自分の感情や意識をコントロールしたい場合や、ストレスを少なくしたい、苦しさや困難を乗り越えたい、他者とのコミュニケーションを改善したいと思っている場合には、観察寄りのマインドフルネス瞑想が向いています。

以下の表では、日常で取り組みやすいマインドフルネス瞑想の方法を例に、集中のトレーニングと観察のトレーニングの方法を示しているので参考にしてください。

集中のトレーニング観察のトレーニング
サウナ瞑想熱波や滴る汗に意識を集中させ、そこから意識がそれないようにする。心臓の鼓動の大きさや早さ、呼吸の様子、水風呂に入るときの心の動きなどを観察する。
食べる瞑想食物の味、匂い、温度などに集中し、そこから意識がそれないようにする。アゴや舌の動き、唾液の様子を観察したり、美味しいと思っている心の動きなどを観察する。
料理瞑想野菜を切ること、具材を混ぜることなどに集中し、そこから意識がそれないようにする。料理中の食材の色の変化や匂い、音、手触りなどを五感を使って観察する。
シャンプー瞑想頭皮の感覚や指の動きに集中し、そこから意識がそれないようにする。シャンプーの匂いや泡立ち具合、お湯の温度、シャワーの音を観察する。
呼吸瞑想呼吸に集中し、そこから意識がそれないようにする。雑念がわいたら、それに気づいて、その一連の心の動きも観察する。

マインドフルネスのフォーマルな実践方法と手軽なやり方

マインドフルネス瞑想には日常生活で実践しやすいライトな方法の他に、マインドフルネスストレス低減法(Mindfulness-based stress reduction : MBSR)に代表されるフォーマルな実践方法が5つあります。

(1)ボディスキャン:身体の隅々をスキャンするように意識を向けていく瞑想法です。見落としがちな体のサインに気づけるようになるため、疲れが取れない方やにおすすめです。直感力を高めるために内受容感覚を育みたい方に向いています。

(2)慈悲の瞑想:慈悲の瞑想は、自分や他者を思いやる言葉を心の中で唱える実践です。共感力やEQを向上させ、健康的な人間関係を築く力を育みます。

(3)ジャーナリング:ただ思い浮かぶ思考、「過去の出来事」や「未来への不安」「あちこち移ろう思考」など、自分の思考がどんな風に流れていくのか書き出す瞑想法です。感情に振り回されてしまう方や、衝動的に行動して後悔してしまう方にもおすすめです。

(4)歩く瞑想:普段無意識に行っている「歩く」という動作をマインドフルに行う瞑想法です。じっとして座る瞑想が苦手な方、地に足をつけるグラウンディングの感覚を育みたい方におすすめです。

(5)マインドフルネスヨガ:動きの瞑想としてのヨガを行います。身体を受容する感覚を育み、身体に対する気づきを高めます。心の問題を心で解決するのが難しいときは、体の声に耳を澄ますと心の声が聞き取りやすくなります。

これらの方法でも「集中」と「観察」が鍵になってきますので、ご自身の状況に合わせて選択してみて下さいね。

▼ フォーマルなマインドフルネスの実践方法 ▼

集中のトレーニング観察のトレーニング
ボディスキャン意識の矢印を順番に体中を移動させてゆき、そのとき注意を向けている体の部分から意識がそれないようにする。注意を向けている体の部分の温度、血液が流れている様子、皮膚の表面や内側感覚などを繊細に観察する。
慈悲の瞑想慈悲のフレーズに集中し、そこから意識がそれないようにする。心が温まる感覚、体のどの部分がそれを感じているか、他者への思いやりが高まる感覚などを観察する。
ジャーナリング書くことそのものに集中し、そこから意識がそれないようにする。次々と思い浮かぶ思考を観察しながら、ペンを走らせたときの音や握っている手の感覚などを観察する。
歩く瞑想足の裏が大地を踏みしめている感覚に意識を集中し、そこから意識がそれないようにする。歩くときに体が揺れ動く様子や聞こえてくる音、空気の匂い、見える景色、肌に触れる風などを観察する。
マインドフルネスヨガ動かしている体の部分に集中し、そこから意識がそれないようにする。体を動かしながら、自分の体温の変化、汗、息遣い、体全体や心の動きなどを観察する。

▼ 日常に取り入れるマインドフルネスの方法 ▼
マインドフルネスはフォーマルな実践に留まらず、「ながら瞑想」と呼ばれる日常生活の行為と組み合わせ、集中力を高める実践方法もあります。マインドフルネスに必要な集中力を高めることで、観察瞑想の基盤を整えます。

食べる瞑想
サウナ瞑想
・料理瞑想
・ティータイム瞑想
・シャンプー瞑想
・ハンドクリーム瞑想
・筋トレ瞑想
・マッサージ瞑想

マインドフルネスは、筋トレやダイエットと同じで継続が大切です。フォーマルな練習が合わなかった人でも、ながら瞑想を1日5〜10分続けるだけで集中力アップを感じられるでしょう。

マインドフルネスとヨガの違い

マインドフルネスとヨガは、元々同じ目的を持っています。違いとしては、ヨガは身体感覚を使ってメンタルヘルスにアプローチするものであり、マインドフルネスは身体に限定せずに行います

そのため、分類としてはマインドフルネスの実践方法の一つとしてヨガがあり、「今この瞬間」に意識を向ける先が身体感覚になっているのがヨガです。ただし、日本においてヨガはフィットネス感覚、ダイエットなどの意識が強くなっており、皆さんのイメージと少し違うかもしれません。

詳細 : 【解説】ヨガや座禅とマインドフルネスの違いとは?

マインドフルネスの活かし方・利用方法

コンパッション、アンガーマネジメント、レジリエンス、エンゲージメントとマインドフルネスの関係性を示す画像

マインドフルネスとセルフコンパッション

セルフコンパッションはマインドフルネスの中に組み込まれた要素の一つであり、お互いを補い合うような関係性にあります。自分が苦しいときや悩んでいるときなど、困難な状況に対処する際に役立ちます。

セルフコンパッションとは?
自分自身を思いやり、優しく接する態度を持つことで、「苦しんでいるとき、親友に接するように自分に接すること」をいいます。“理想ではない自分”や“できない自分”を認め、受け入れてあげる力と表現することもあります。セルフコンパッションは心の安定をもたらし、ストレスの軽減や自尊心の向上、心理的な回復力の向上などの効果があるとされています。

マインドフルネスは「苦しみに心を開き、ありのままを受け止める」という側面がある一方、セルフコンパッションは「苦しいときに、まずは自分に優しくする」という考え方になります。

多くの人にとって、辛い状況にある自分(ありのまま)を直視して受け止めるのは難しいことです。事前にセルフコンパッションで心を落ち着かせることで、マインドフルネスがスムーズに深まり、困難を乗り越えやすくなります。

マインドフルネスとアンガーマネジメント

生活のなかで怒りをうまく扱うことは重要です。しかし、怒りを適切にコントロールするには、自分の怒りの癖を理解する必要があります。マインドフルネスによって、怒りを観察する力や自分を客観的に捉える能力が備わっていきます。

アンガーマネジメントとは?
そもそもアンガーマネジメントは、怒りの感情を健康的かつ建設的な方法で処理し、コントロールするためのスキル身に着けることを指します。アンガーマネジメントには、感情の認識、怒りの原因の識別、コミュニケーションスキルの向上、リラクセーション技法などが含まれます。

マインドフルネスとアンガーマネジメントの関係を示す画像
怒りという感情の原因が嫉妬や不安といった様々な要素から成っている様子

マインドフルネスはアンガーマネジメントにも大きな効果を発揮します。マインドフルネスを実践することで、より効果的に怒りを理解・認識し、コントロールする手段を身につけることが可能です。

マインドフルネスの実践によって、怒りの感情を細かく認識することができるようになります。例えば、不安が原因の怒りなのか、嫉妬が原因の怒りなのか、それぞれによって対処方法は異なります。感情を細かく認識することができるようになることで、怒りが湧いてきたときに思考を挟み、感情をつぶさに理解することで、冷静に反応することができ、怒りのコントロールにつながります。

マインドフルネスをやってはいけない人

マインドフルネスは多くの人にとって「やった方がいいもの」です。ただ、精神疾患を抱えた一部の「やってはいけない人」も存在します。その見分け方、判断基準をご紹介します。

マインドフルネスは「抑うつ(うつ病)」にも効果的ではありますが、「幻覚が見えてしまう」「フラッシュバックするような心的ストレスを抱えている」場合はマインドフルネスをやらない方がいいといわれています。

マインドフルネスで思考を観察することで、精神的に不安定になったり、ストレスがフラッシュバックして不安が強くなってしまう場合があるためです。

マインドフルネスをやってはいけない人を示す画像


そのため、以下のような疾患をお持ちの方、もしくは傾向がある方は必ず医師や専門家にご相談の上で、実践を行ってください。

参照:国立国際医療研究センター病院

参照 : こころの情報サイト国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター運営サイト)

マインドフルネスの歴史・始まり

マインドフルネスは仏教の瞑想をベースに、アメリカ・マサチューセッツ大学医学大学院のジョン・カバットジン博士がマインドフルネスストレス低減法(Mindfulness Based Stress Reduction : MBSR)を開発したことから始まりました。

その後、アメリカの臨床・医療の現場でストレス疾患患者の治療として用いられるだけでなく、さまざまな研究が進められてきました。

マインドフルネスが一躍有名になったのは、Googleの研修に取り入れられたことがきっかけです。現在はApple、Amazon、Intel、Yahoo、メルカリなどの海外や日本の大手企業でも採用され、コロナ禍ではアメリカ・ニューヨーク州がマインドフルネスを推奨するなど、さらに広がりを見せています。

参照:Will the COVID-19 Pandemic Convince Us of the Critical Mental Health Dimension for Peacebuilding?Center on International Cooperation(ニューヨーク大学を拠点とする外交シンクタンク)

参照 : Headspace and New York Governor Cuomo’s Office Team Up to Release ‘New York State of Mind,’ Free Meditation and Mindfulness Content Hub Curated for New Yorkers. Mental Health Association in New York State, Inc.

MBSRはストレス低減を目的として開発されたものではありますが、これまで説明してきたようにさまざまな効果を持っており、Googleの公式ブログでは以下のように説明されています。

It’s a tool that, when used wisely, can boost your experience at work, your relationships with others and even your overall well-being.

訳:マインドフルネスは正しく使うことで、仕事の効率を高め、人間関係や自分自身、そして会社全体の健康を向上させるツールです。

引用:Can mindfulness actually help you work smarter? Google公式ブログ

詳細:『マインドフルネス』の歴史とは?起源や創始者を解説!仏教との関係性も紹介

まとめ|マインドフルネスとは?

マインドフルネスについてあらゆる観点から説明しましたが、難しい部分も多く、いきなり全てを理解するのは非常に難易度が高いです。

そのため、まずはマインドフルネスの本質が自分や周りの環境に客観的、かつ意識的に「気づくこと」であることと、以下の3点が非常に重要だと認識し、少しずつ実践しながら理解を深めて頂くことを推奨します。

(1)今この瞬間
(2)意識を向ける(気づく)
(3)評価や判断をしない

マインドフルネスのよくあるQ&A・質問

マインドフルネスをこれから始めようとしている方、まだ始めたばかりの方にぜひ読んでいただきたい「Q&A・よくあるご質問」をご紹介します。

Q1:マインドフルネスはスピリチュアル(宗教的)なものですか?
A1:いいえ、マインドフルネスは医学的、脳科学的なエビデンス(根拠)のあるものです。実際に臨床の現場や企業、大学などに導入されています。

Q2:マインドフルネスと瞑想は違いますか?
A2:マインドフルネスの実践方法の一つが瞑想です。瞑想はマインドフルネスの実践方法のベースとなり、マインドフルネスを習得する際に必ず行う方法になります。具体的な実践方法、種類については「マインドフルネスの方法〜集中と観察〜」をご覧ください。

Q3:マインドフルネスは老若男女誰でも実践可能でしょうか?
A3:基本的には老若男女誰でも実践可能ですが、重篤な精神疾患をお持ちの方は控えたほうが良いです。

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