Googleが社員研修に取り入れた「マインドフルネス」の効果と実践方法

Google(グーグル)が社員研修に取り入れたことで有名となり、近年もAppleやメルカリ、Yahoo!など多くの企業が導入してきているマインドフルネスですが、正しく解説されないこと、誤解を生むような記事・コンテンツが多いのも現状です。
本記事では、マインドフルネスの効果や実践方法、マインドフルネスと瞑想の違いなどを解説します。
マインドフルネスとは?〜瞑想との違いは?〜

マインドフルネスとは、「今この瞬間」に起こっている身体の内外の経験に集中している心理状態、または、その状態に向かうプロセスのことを指す概念です。つまり、今対面していること以外に気がそれていない状態のことです。
では、「瞑想」とは何が違うのでしょうか?
「マインドフルネス瞑想」という実践方法があることから誤解されがちですが、マインドフルネスと瞑想は違います。
マインドフルな心の状態を作るための練習には様々な方法があるのですが、そのうちのひとつが瞑想、ということになります。
つまり、「マインドフルネスという状態」に至るための一つが「瞑想という実践方法」であり、それをまとめたものを一般的に「マインドフルネス瞑想という実践方法」として広く紹介されているということになります。
マインドフルネスの歴史や起源

先程、「マインドフルネスと瞑想は違う」という話をご紹介しましたが、それを理解するには「マインドフルネスの歴史や起源」について知ると分かりやすいです。
マインドフルネスは、Google(グーグル)社が社員研修に取り入れたことで注目を浴びましたが、ベースは1979年にマサチューセッツ大学教授ジョン・カバット・ジン氏が提唱した「マインドフルネスストレス低減法 (mindfulness-based stress reduction, MBSR) 」の理論になります。
ジョン・カバット・ジン氏は、禅の瞑想を始めとした修行法から、宗教色を排除した一般人に取り組みやすいツールとして「マインドフルネス」を開発して研究を行いました。そして、その実践方法の一部が「マインドフルネス瞑想」として広まっているのです。
また、「マインドフルネスストレス低減法」は元々患者の痛みを和らげるために開発され、そこから鬱などを引き起こす精神的ストレスに応用されたのを経て、現在のようにGoolge(グーグル)やApple、Yahoo!などビジネスの現場に取り入れられています。
詳細なマインドフルネスの歴史については、以下の記事で解説しています。
マインドフルネスの効果

マインドフルネスストレス低減法は、元々患者の痛みを和らげるために開発されたものであるため、治療としての効果が強く出ています。しかし、近年の脳科学の研究で「集中力・記憶力・創造性・共感性が高まる・睡眠の質が改善される」などといった効果も認められています。
科学的に認められている効果は、具体的に以下のものがあります。
- 脳疲労が解消される
- ストレスが軽減される
- 創造性が高まる
- 集中力が高まる
- 記憶力が高まる
- 共感性が高まる
- 眠りが深くなる
- 感情が安定する
以下の記事では、マインドフルネスの効果が出るまでの期間について解説しています。興味のある方はぜひご覧ください。
マインドフルネスの実践方法
では、マインドフルネスの実践方法をご紹介したいと思います。
マインドフルネスは、「今この瞬間」に注意を向け、注意がそれたら再び注意を戻す、ということを繰り返して訓練を行います。そのため、この「集中 → 注意がそれる → 再び集中」というサイクルが可能ならば、なんでもマインドフルネスを実践できます。
この記事では、一番の基本となる実践方法を紹介します。
- まず楽な姿勢で座り、左右の坐骨に均等に体重をのせて骨盤を安定させます。その後、ゆっくりと気持ちよく背骨を伸ばしていきましょう。
- 力まずリラックスすること
- 背筋に旗の棒が一本通っていることをイメージする
- 次に呼吸を観察します。身体から自然に生じる吐く息と吸う息を丁寧に感じましょう。
- 空気が入ってくる感覚や出ていく感覚に意識を向ける
- 途中で意識が呼吸から反れてしまったら、そっと意識を呼吸に戻してください。
- ②〜③を数分間続けます。
手軽なマインドフルネスの実践方法ですが、だからこそ家で練習しても正しいやり方でできているか分からないという声を多く聞きます。継続的なトレーニングを行うことで2ヶ月ほどで効果を実感できるようになってきますので、ぜひ実践してみてください。
また、事前に呼吸法を行なっておくことで、マインドフルネスの効果がより深まりやすくなります。以下の記事では、マインドフルネス前におすすめの呼吸法について解説しているので、ぜひ試してみてください。
まとめ
本記事では、Google(グーグル)が社員研修に取り入れたことで有名になった「マインドフルネス」の効果と実践方法について解説しました。
- マインドフルネスとは、「今この瞬間」に起こっている身体の内外の経験に集中している心理状態、または、その状態に向かうプロセスのこと
- マインドフルネスを実践することで、集中力、記憶力、創造性、共感性など様々な能力が高まる
- マインドフルネスは、「集中する → 注意がそれる → 再び集中する」を繰り返すことで実践することができる
- 継続的なトレーニングを行うことにより、マインドフルな心の状態を維持できるようになる
マインドフルネスの効果は、脳科学的に実証されており、仕事にもプライベートにも活用できるものなので、ぜひ実践してみてください!
また、以下の記事ではさまざまなマインドフルネス瞑想のやり方を紹介しているので、ぜひ日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。
