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南仏リトリートで学んだ、慌ただしい年末年始に“Slow down”を取り入れるコツ

リトリート 朝日

新しい年へのカウントダウンが始まると、「今年やり残したことはないだろうか」「来年に向けて準備をしなければ」と、意識が過去や未来に向かいがちです。でも、そんなときこそ、立ち止まって「今、この瞬間」に目を向けてみませんか?

今回は、エディターのフランスでのマインドフルネスリトリート体験談をお届け。そこで得た気づきをもとに、忙しい年の瀬でも心の平穏を取り戻す“Slow down”のコツをご紹介します。

日常から離れて自分を見つめ直す時間を

Simply Canvas Farm

2024年9月、フランス南西部の都市ボルドーからローカル電車に揺られておよそ1時間。​​マインドフルネスのリトリートに参加するため、収穫シーズンを間近に控えたブドウ畑が広がるのどかな田舎町を訪れました。

マインドフルネスを始めて6か月が経ち、「いろいろなマインドフルネスに触れてみたい」「日常から離れて自分の学びを見直したい」という気持ちが高まっていたタイミングでたまたま出会った、ホリデーファーム「Simply Canvas Farm」。

マインドフルネスの基礎やさまざまな瞑想方法が体験できるリトリートが開催されることを知り、迷わず参加を決めました。


「リトリートってどんな場所?」と気になった方は、「リトリートとは?心身の疲れを癒す“特別な旅”の魅力をご紹介」もご覧ください。

サイレントな朝から始まるリトリートでの心地いい呼吸

朝の瞑想

リトリートの朝は、まだ夜が明けきらない午前7時から始まります。やわらかな鐘の音がファームに鳴り響くと、参加者が眠い目を擦りながら朝の瞑想に集まってきます。

日本でも、朝にマインドフルネスを行うのが日課になっている私にとって、自然を感じながら行う朝のマインドフルネスは格別な時間でした。始業の時間に追われたり、朝食の準備をしなくてよかったりと、「今」を感じることに集中でき、これまで以上に自分の状態や呼吸を深く感じられました。

リトリート中は、朝の瞑想が終わった後も、サイレントの時間が続きます。朝食が終わるまでは、誰かと話すことは禁止されていました。これは、自分自身と向き合う時間を持つためで、おしゃべりをしたい気持ちをグッと堪えてストイックにサイレントを守ることで、自分の内側に意識を向けることができます。

サウンドヒーリング


他にも歩く瞑想、食べる瞑想、ジャーナリング、ファイブリズム(ダンス瞑想)、サウンド・バスといった多様なマインドフルネスを体験できました。一つ一つの時間が、とても新鮮で心地よいものでしたが、滞在の終わりに近づくにつれ、ふと疑問が浮かびました。

“日常”でも同じ心地よさを感じ続けるには、どうしたらいいんだろう──。

年末の忙しさを“Slow down”させるヒント

歩く瞑想

リトリートは、時間的な余裕と非日常の空間が生む心地よさが魅力です。ただ、同じ環境を日常生活で再現するのはなかなか難しいですよね。

どうにかしてこの心地よさを生活にも取り入れられないかと考えたとき、リトリートを通して学んだ“Slow down”というキーワードが頭に浮かびました。

焦りやストレスが増す年末だからこそ試してほしい、心に余裕を生む2つのエッセンスをご紹介します。

いつも急いでやることをあえて「スローなペース」で

リトリート中は、基本的に時間に追われる環境ではなかったので、何をするにも自分のペースで行えていました。それが心に余裕を生み出し、滞在中はずっとご機嫌だった私。

しかし、日常に戻ってからは同じようにはいきませんでした。私たちの生活では「急ぐこと」「効率化」が習慣化しているため、何をやるにも次のスケジュールを意識して、この時間までに何を何分でこなすなど「Doingモード」になりがちです。

そこで、いつも急いで行いがちなことを書き出して、あえてゆっくり行うように意識するようになりました。

たとえば、シャンプーをするとき。いつもなら手早く済ませようとしがちですが、心の中で「ゆっくり」と唱えていつもの半分のスピードに。他にも、駅から家まで歩くときは、早歩きのスピードを落としてみるなど、「忙しい」「早くしなくちゃ」と感じている自分に気がつき、「今」に意識を戻すいいトレーニングになっています。

年末は何かと忙しく、ついつい心が過去や未来に向きがちです。そんなときだからこそ、意識的に動きをゆっくりにすることで、心に余裕が生まれ、年末をマインドフルに乗り切る手助けになるでしょう。

マインドフルに食事を味わう

リトリートでの大きな気づきの一つ。それは、食べる時についつい何かを考えてしまう自分の癖でした。仕事のこと、プライベートのこと、過去や未来——。食事中に頭の中をさまざまな思考が駆け巡り、意識しない限り「食べている」という感覚そのものに集中するのが、驚くほど難しいことに気づきました。

ですが、リトリートで一口一口を丁寧に味わい、目の前の食事を純粋に楽しむことがいかに新鮮で、生活に余裕を与えてくれるかを実感。帰国してからは、リトリートと同じく、朝食を「マインドフルイーティング」の時間にしています。

やり方はシンプルです。朝に、テレビやスマートフォンから意識して離れ、食事だけに集中して過ごすのがポイントです。この時間を確保することで、1日のスタートがより穏やかで落ち着いたものになると感じています。

朝は忙しいという方は、お昼や夕食など、都合のいいタイミングでもちろん問題ありません。食事にこだわらなくても、お茶やスイーツの時間にもおすすめです。

大切なのは、食べたり飲んだりすることにだけ集中すること。それにより意識が「今」に向き、食後にすっきりとした感覚を感じられるでしょう。たった10分でも「マインドフルに過ごす時間」を決めることで、リトリートで感じた心地よさを味わうことができています。


マインドフルに食事をとることは「マインドフルイーティング」や「食べる瞑想」と呼ばれます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

まとめ|忙しいときこそ意識して “Slow down”を

今回は、南フランスでのリトリート経験で見つけた “Slow down”を取り入れるコツをご紹介しました。

今日から始められる小さな実践は、心だけでなく体にとってもシンプルで、生活に優しい時間を取り戻すチャンスだと感じています。

つい効率を追求する生活が続くと、知らず知らずのうちに体や心に負担をかけてしまっています。動作をゆっくりにして、体が今の動きに気づける時間を持つことで、自分を労わる時間を生み出せることを今回のリトリートで学びました。

年末を乗り切る新しい習慣として、ぜひ”Slow down”を試してみてくださいね。


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どのクラスも一般社団法人マインドフルネス瞑想協会の資格を持つプロのインストラクターによるサポートがあるため、初心者でも安心です。

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