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食べる瞑想(マインドフルイーティング)を解説!ダイエット効果は?

マインドフル・イーティングのアイキャッチ画像

毎日気軽にできるマインドフルネスの一つとして、初心者にもおすすめの「食べる瞑想(マインドフル・イーティング)」。最初の数口だけでも毎日継続して行うことで、ダイエットや血糖値が下がるなど、うれしい効果が期待できます。

この記事では、MELONインストラクターの和田 みゆきさん監修のもと、食べる瞑想の具体的なやり方や、最新科学に基づいた効果を紹介します。

マインドフルネスを習慣化したい方や、簡単な実践方法が知りたい方はぜひ最後までご覧ください。


マインドフルネスとは何かをまず知りたい方は、こちらの記事「マインドフルネスとは? 〜 マインドフルネスの全てを体系的に解説 〜」をご覧ください。

食べる瞑想(マインドフル・イーティング)とは?

女性が食事をする前に手を合わせている様子

食べる瞑想(マインドフル・イーティング)とは、名前の通り「食べながら行うマインドフルネス瞑想」です。

具体的には、食材一つ一つの「色」や「形」「香り」「食感」などに丁寧に意識を向けながら、マインドフルに食事を行います。

ここでは、なぜいま食べる瞑想に注目が集まるかを詳しく説明します。

「ながら食べ」をする人が増えている

スマホやタブレットが普及した現代では、「作業をしながら」「スマホを見ながら」など、何かをしながら食事を行う「ながら食べ」をする人が増えています。

「ながら食べ」をしていると、食事そのものよりも他のことに気がいってしまうことで、脳が「食べた」という認知する力が弱まり、結果的に太るという研究結果も出ているほど、私たちの身体に大きな影響を及ぼしています。

参考:Marco La Marraら(2020).Using Smartphones When Eating Increases Caloric Intake in Young People: An Overview of the Literature.Frontiers in Psycology.

「食べる瞑想(マインドフル・イーティング)」のすごい作用

福岡県立大学の研究によると、食べる瞑想の実践は、チョコレートの摂取量を抑制する効果があることが明らかになりました。

しっかりと五感を使って食事を味わうことで、脳が「食べた」と認知し、少ない量でも満足感を得ることができるのです。その結果、過食を防ぎ、ダイエットにも効果的といわれています。

また、お茶の水大学大学院の研究では、食べる瞑想(マインドフル・イーティング)を行うことで食事に対する意識が変わり、より栄養バランスの良い食事をとる傾向が高まることも明らかになっています。

参考:小山 憲一郎ら(2020). マインドフルネス食観トレーニング : Mindfulness Based Eating Awareness Training (MB-EAT)に関する基礎研究 : チョコレートエクササイズのマインドフルネス音声教示はチョコレートの摂食量を減らしうるか. 福岡県立大学人間社会学部紀要 / 人間社会学部紀要部会 編. 28(2).

参考:江田 真純ら(2021). マインドフルイーティングを実践する女子大学生の主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の摂取頻度. 栄養学雑誌 = The Japanese journal of nutrition and dietetics. 79(6).

食べる瞑想(マインドフル・イーティング)の具体的なやり方

レーズンが複数置かれた様子

ここでは、「食べる瞑想(マインドフル・イーティング)」の具体的なやり方として、「レーズンエクササイズ」とよばれる有名なワークをご紹介します。

用意する食べ物は、「レーズン」や「ナッツ」など、一口で食べられるものがおすすめです。もちろん、通常の食事でも問題ありません。

今回は、レーズンを使ったやり方を解説します。

STEP1:食べ物(レーズン)を観察する

まず、深呼吸を行い心を落ち着かせましょう。

レーズンを一粒だけ手に取ります。

手のひらにのせたときの「重さ」や「触れた感覚」などを感じてみてください。

そして「初めてレーズンを見るような気持ち」で、じっくりと観察していきます。レーズンの「色」「形」「表面のしわ」など、細かく観察しましょう。

STEP2:香りを嗅ぐ

次に、レーズンの香りを嗅いでいきます。

香りを嗅ぐことによって、「どんな感情や思考が沸き起こってくるのか」「身体にどのような変化があるのか」などを感じてください。

「はやく食べたい」という感情や、「唾液が出てくる」といった身体の変化などにも意識を向けてください。

STEP3:口の中に入れる

次に、レーズンを唇で挟みます。レーズンの感触を唇で感じてみてください。

ざらざら、柔らかい、でこぼこした食感、弾力感などを意識してください。

そのまま、徐々に口の中に入れていきます。口の中に入ってもすぐに噛まずに、まずは舌の上で転がしてみてください。

レーズンを転がしているときの「舌の感覚」や「レーズンの味」を感じましょう。

また、「感じる味の変化」や「唾液が出てくる様子」「早く噛みたいという感情」などにも気をつけてみてください。

STEP4:ゆっくりと噛む

次に、レーズンをゆっくりと噛んでください。

噛んだときの「食感」や「口の中に広がる甘みや苦み」、一口一口咀嚼することで「変化する食感や味」「ドロドロに溶けていく様子」などをじっくりと感じましょう。

また、「美味しい」「はやく飲み込みたい」など、沸き起こってくる思考や感情も意識して感じてください。

STEP5:ゆっくりと飲み込む

最後に、口の中でドロドロに溶けたレーズンをゆっくりと飲み込みます。

レーズンが「喉を通る感覚」にも意識を向けてみましょう。

食べる瞑想(マインドフル・イーティング)のやり方のポイント

食べる瞑想を行うときのポイントは「五感を使う」ことです。

私たちは通常、食事では味覚や嗅覚を使っていると思いがちです。しかし食べる瞑想を行うと、実はいろいろな感覚を使って食べていることがわかります。

食材を手にした時の重さや色、かたち、口に入れたときの舌触り、自分の体の反応やその時の感情なども意識しながら行うことが大切です。

五感をしっかりと使いながら瞑想を行うことで、自分の体に向き合うことができ、「今ここにいる」という感覚を持つことができます。

食べる瞑想(マインドフル・イーティング)の効果

男性が食事をしている様子

食べる瞑想(マインドフル・イーティング)には、主に3つの効果が期待できます。具体的に見ていきましょう。

(1)食材の本来の味わいが楽しめる

瞑想を行い、食べることに集中することで、食材本来の味に気付けるようになります。特に、普段「ながら食べ」をしている場合は、今まで感じたことのない味わいに気付けるかも。しっかりと味わうことで、毎日の食事がさらに楽しくなります。

(2)ダイエット効果がある

「食べる瞑想」は、食べ物の味を一口一口しっかりと味わえます。そのため、通常より少ない量でも満足感を得やすく、結果として食べる量が少なくなり、ダイエット効果が期待できます。

(3)血糖値が下がる

マインドフルな状態が続くと、血糖値が下がることもわかっています。

実際に、米国ブラウン大学のエリック・ラックス博士の研究チームにより、マインドフルネスと血糖値に関する研究が行われました。

研究では「マインドフル注意確認スケール(MASA)」という指標を使い、399人の男女を対象として、「マインドフルネスをどれだけ実践しているか」を調査してグループ分けを行いました。

その上で、男女全員の血糖値を測定したところ、マインドフルネスを多く実践していたグループは、実践していなかったグループに比べて「血糖値を正常値に抑えられている割合が35%高い」ことが明らかになったのです。

この結果から、普段から「マインドフルネスを実践している人ほど血糖値が低い」ことが明らかになっています。

参考:David Orensteinら(2016). Everyday mindfulness linked to healthy glucose levels. News from Brown.


また、マインドフルネスには他にもさまざまな効果があります。「マインドフルネス瞑想のすごい効果とは?毎日5分でも継続が大事!」の記事では、「マインドフルネス瞑想で得られる効果」について詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

食べる瞑想(マインドフル・イーティング)を習慣化するためのコツ

女性と男性が食事前に手を合わせている様子

食べる瞑想(マインドフル・イーティング)は最初の数口だけでもいい

実際に食べる瞑想を実践してみると、思いのほか時間がかかったり、集中するため疲れてしまうこともあるかもしれません。また、忙しい毎日の中で毎回の食事をじっくり味わうのが難しい場合もあるでしょう。

その場合は、最初の数口だけでも問題ありません。例えば、「最初の10口だけ」「食べ始めの5分だけ」などと決めておくといいでしょう。

これを習慣化するだけでも、十分に効果が期待できます。

毎日続けることが大切

マインドフルネスは継続すると、より効果を実感できます。「食べる瞑想(マインドフル・イーティング)」は、マインドフルネスを毎日の食事に取り入れることで無理なく習慣化できる、初心者におすすめの方法の一つです。


しかし、忙しい毎日の中ではついつい忘れてしまったり、そのまま挫折してしまうことも……。そんなときにはプロのレッスンに参加してみるのも一つの手段です。正しいマインドフルネスのやり方をプロから教わることで、より継続しやすくなります。

当社では、プロのインストラクターによるレッスンが受けられる「MELONオンライン」というオンラインサービスを提供しています。

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まとめ|食べる瞑想(マインドフル・イーティング)で健康的な生活を実現!

食事の前で伸びをする女性

今回は、食べる瞑想(マインドフル・イーティング)の具体的なやり方やその効果についてご紹介しました。

「食べる瞑想」は、毎日の食事で手軽に実践でき、マインドフルネス瞑想のなかでも継続しやすい実践方法です。マインドフルネスがなかなか続かないという方は、入り口として「食べる瞑想」を実践してみてはいかがでしょうか。