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人材定着の本質とは~流動化時代を生き抜くための「対話」~|MELON CEOコラム

人材定着 オフィス

MELONの代表取締役CEO・橋本大佑が毎月お届けするコラム。組織のウェルビーイングを高め、生産性向上や離職防止、さらにはパフォーマンス向上を実現するための最新トピックスをご紹介します。

新年度を迎えるにあたり、多くの企業が採用や組織づくりを見直すタイミングではないでしょうか。そんな中、「優秀な人材をどう定着させるか?」 という課題に直面している企業も多いはず。

そこで今回は、「人材定着の本質とは」についてお話しします。


日本のどこかで、ほぼ毎日1社が人手不足により倒産しています。

この数字が示すのは、「人さえ採用できれば会社は回る」という時代の終焉です。

人口減少による人材の流動化が激しさを増す中で、企業にとって今後最も重要になるのが、どう従業員の定着を促し、組織への貢献を引き出せる環境を創れるかです。今回は、そのポイントを探っていきます。

ハーズバーグの二要因理論が示唆すること

アメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグは、「動機付け要因」と「衛生要因」の2つが互いに補完し合いながら従業員のモチベーションを支えると提唱しました。

動機付け要因:仕事に対するやりがいや達成感
衛生要因:給与、労働条件、職場環境、会社の方針や上司の行動

つまりどちらか一方が欠ければ、従業員は不満を感じ、結果として離職のリスクが高まります。特に、給料や労働環境が市場の相場から大きく乖離していると、従業員は他社へ流れてしまう傾向があります。

キーポイントは「人として扱われているか」

エンゲージメント 向上

多くの企業では、衛生要因をメインに、市場の相場や競合他社の動向を調査し、適切に反映させることで一定の水準を保とうとしています。さらに、サーベイや従業員満足度調査を活用し、従業員の声を数値として把握しようとする動きも一般的になっています。

しかし、それだけでは十分とはいえません。 数値データを分析するだけでは、人材の流動化を防ぐ決定打にはならないからです。

なぜなら、求められるのは「働くうえでの不満がない状態を創ること」と「働く意義ややりがいを感じられるか」の両方を実現することだからです。

つまり、衛生要因が整っていないと辞めやすくなり、動機付け要因がなければ成長意欲やエンゲージメントが高まらない。現在、多くの企業が取り組んでいる市場調査やサーベイを活用した施策だけでは、人材の定着を促すには限界があります。

では、どうすればいいのか。両輪をバランス良く整える鍵は、「人として扱われているか」という視点です。

効果的なエンゲージメント向上には対話が欠かせない

表面的な施策だけでなく、日常的な対話を通じて、従業員が「自分は大切にされている」と実感できる環境を創ることが、最も効果的なエンゲージメント向上策となります。心身ともに満たされた状態を意味する「ウェルビーイング」の実現には、安心して意見を交わせる関係性が不可欠です。その基本となるのが、日々の対話です。

私も経営者の一人として、日常的な会話の重要性を強く認識しているところです。たとえ5分であっても、直接的なコミュニケーションがあるだけで、組織の活力は大きく変わります。

経営陣は「心臓」として、会社に“血液”を循環させるのが役目です。制度や施策を導入して終わりではなく、現場と向き合い、従業員との信頼関係を築く役割を担うことにより、本当に必要な制度や施策を見極め、機能させることが求められます。「人としての関係性を築く」ことこそが、人材定着の本質にあるのです。

最後に

この視点にいち早く気づいた企業は、従業員との信頼関係を基盤に、自社に合った適切な制度や施策を導入することで、確実に人材定着を実現できます。

MELONでは、新たに課題調査から施策立案、実行までを一貫して支援するコンサルティングサポートを開始しました。経営陣や人事担当者の負担を軽減するため、MELONのコンサルタントが伴走し、業務をサポートします。

また、MELONが強みとする「従業員の内面(マインド)の変革」を組織改革に応用し、従来の組織体制や評価制度といったハード面の施策では見えにくかったエンゲージメント向上の効果を、実感できる形で実現します。

新しいコンサルティングサポートにご興味がございましたら、現状の課題整理を無料で実施いたします。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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