マインドフルネスでエンゲージメントを高める!実践方法とその効果をご紹介
企業を成長させていく上で従業員のエンゲージメントは欠かせない要素ですが、そのエンゲージメントに課題を抱えている企業も多いのではないでしょうか。
エンゲージメントを高めるための手段として、「マインドフルネス」があります。本記事ではマインドフルネスを用いてエンゲージメントを高める方法を具体的にご紹介しますので、法人の人材開発に関わっている方や会社の人事担当者の方などは、ぜひ参考にして下さい。
マインドフルネスとは
マインドフルネスの定義と起源
マインドフルネスとは、今この瞬間に意識を向け、それを「良い・悪い」といった判断をせずに受け入れることを指します。これは今起きていることをそのままの形で受け止めることで、自分と周囲の状況をより深く理解するための手段とも言えます。
起源は約2500年前の仏教に遡りますが、20世紀に入ってからは宗教と関係なく一般の人にも取り組みやすいツールとして確立されました。現在では心理療法やストレス緩和、集中力向上など様々な分野でその効果が認められています。
マインドフルネスの効果と科学的根拠
マインドフルネスの実践は、様々な「すごい」効果をもたらすことが科学的に証明されています。ここではその一部をご紹介します。
頭のスッキリ感・脳の疲労が取れた感覚
昼寝をした後のような頭がシャキッとする感覚を、たった5分のマインドフルネス瞑想で得ることができます。
集中力向上
マインドフルネスは脳の前頭葉を活性化し、集中力を向上させます。作業の効率が上がったり、クリエイティブな考え方がしやすくなるといった実感を得る場合もあります。
不安・ストレス緩和
マインドフルネスはストレスを感じる際に活発になる脳の部位を抑制し、リラックスさせる効果があります。これにより、日常のストレスを軽減することが可能です。
感情のコントロール
マインドフルネスには感情を安定させたり、認知の偏りを防ぐ効果もあります。これによって自己理解が深まり、健康的な精神状態を維持することができます。
これらの効果を踏まえると、マインドフルネスは私たちの心と脳にとって有益な実践法であると言えるでしょう。
エンゲージメントとは
エンゲージメントの定義
ビジネスシーンにおけるエンゲージメントとは、一言で表すと「従業員が能動的に組織に関わっていく姿」を意味します。具体的には、従業員が自社に対してどれだけの情熱や献身性を持っているかを示す指標だと言えます。以下にエンゲージメントの3つの要素を示します。
これらの要素は相互に関連し、一つが高まると他の要素も強まります。ここからは、エンゲージメントがなぜ重要なのかについて解説します。
エンゲージメントの重要性
エンゲージメントは近年経営者や人事担当者から注目を集めていますが、どうしてこれほど重要視されているのでしょうか?これには「優秀な人材の維持」と「企業業績向上」という2点が大きく関わっています。
今は世界的に「大退職時代」が到来しており、エンゲージメントが低い組織ではいくら給与を増やそうとも、優秀な人材が離職してしまうという問題が起きています。優秀な人材を維持しようと考えた場合、エンゲージメントの向上は必須になるのです。
また、エンゲージメントが高い組織は低い組織に比べて収益性が22%、生産性が21%高く、離職率が65%低いことが示されています。つまり、エンゲージメントはダイレクトに企業業績に影響を与えているのです。
マインドフルネスがエンゲージメントを高める理由
今この瞬間への集中
マインドフルネスがエンゲージメントを高める要因の一つとして、「今この瞬間に集中することができる」という点が挙げられます。これは「今」に意識を向け、全ての感覚や思考、感情を「良い・悪い」といった判断をせずに受け入れることを指します。下の表は、今この瞬間に集中することで得られる効果を示しています。
これらの効果は、エンゲージメントを高めるための重要な要素となります。
セルフ・コンパッションと「受け入れる」姿勢
マインドフルネスは、セルフ・コンパッション(自己への思いやり)を育むことが可能です。自身の過ちや失敗を厳しく責めるのではなく、それらを受け入れる優しい態度を身につけることで、自己評価による過度なプレッシャーを軽減します。
自分を批判するような思考が減ると自己肯定感が高まり、「自分の力で物事を達成できる」という自信が生まれます。これが積極的な行動につながり、結果としてエンゲージメントが向上するのです。
認知の柔軟性とストレス管理能力の向上
マインドフルネスはストレス管理にも大いに役立ちます。日々の生活の中でストレスを感じた瞬間に、「ストレスを感じていること」自体を落ち着いて観察することで、より冷静に対処することが可能になります。これは自己と周囲の状況を客観的に捉え、適切な行動を選択する「認知的柔軟性」を高めることにつながります。
また、ストレスへの反応は個々人のエンゲージメントに大きな影響を与えます。適切なストレス管理ができると、困難な状況においてもポジティブな態度を保つことができるため、エンゲージメントの維持、向上にが容易になります。
つまり、マインドフルネスはストレスの緩和だけでなく、ストレスに対する考え方そのものを変化させるための有効な手段なのです。
【実践】マインドフルネスを用いてエンゲージメントを高める方法
呼吸瞑想を実践する
呼吸瞑想は以下の4つの手順で実践するのがおすすめです。
- 静かな場所を選び、無理なく続けられる時間(5分からでOK)を設定します。
- 心地よい姿勢(あぐらをかく・椅子に座る)をとり、目を閉じます。
- 呼吸に集中し、吸う息、吐く息を感じます。
- 雑念が浮かんでも否定せず、その存在を認めた上で、再び呼吸に意識を戻します。
瞑想を実践することで自己理解が深まり、エンゲージメント向上に大きく役立ちます。マインドフルネスは継続が重要になりますので、毎日の生活に呼吸瞑想を取り入れてみてくださいね!
マインドフルな会話の練習をする
マインドフルネスを用いたエンゲージメント向上には、「マインドフルな会話の練習」が不可欠です。これは相手とのコミュニケーションを深めてより良い関係性を育み、エンゲージメントを高めるための鍵になります。
まずは、会話中に自分がどう感じているか、何を考えているのかを意識的に把握します。また、相手が話している時には自分の意見を言ったり反論したりせず、ただ聞くことに集中します。この2点を心がけることで相手との関係性が深まり、エンゲージメントも自然と高まります。
エンゲージメント向上で期待される効果
生産性の向上
マインドフルネスを実践することでエンゲージメントが高まり、結果として生産性が向上します。具体的な例としては、企業で行われる「マインドフルネス瞑想」の実施が挙げられます。例えばAppleでは日々の業務時間のうち30分を瞑想に充てることが許可されています。その他にもトヨタやGoogleといった大企業も生産性の向上を目的としてマインドフルネス瞑想を取り入れています。
職場における対人関係の改善
エンゲージメントが高まると、職場での対人関係が改善されます。これはマインドフルネスでもたらされた3つの効果によるものです。
自己・他者理解の深まり
マインドフルネスで自分への理解が深まると、同時に他者への理解や共感力が高まります。
コミュニケーション能力の向上
自分自身の感情や思考を把握することで、それを適切に伝える力が身につきます。
いざこざの解消
自分自身の感情をコントロールして冷静な判断ができるようになることで、職場内のいざこざ解消が無理なくできるようになります。
このように、エンゲージメントが高まると職場環境自体がより良いものに変化していきます。
採用力の向上・採用コストの削減
マインドフルネスによりエンゲージメントが高まると、「自己満足度」も増加します。ここでいう自己満足度とは、自身の行動に対する満足感や充実感のことを指します。
自己満足度が高い社員が働いている会社は、求職者からポジティブなイメージを持たれます。データとしても離職率が下がるため、採用力が上がります。またエンゲージメントが高い状態の職場は1人1人の勤続年数が長くなる傾向があり、新たに人を採用するコストを削減することができます。
マインドフルネスでエンゲージメントを高める方法|まとめ
この記事では、マインドフルネスを用いてエンゲージメントを高める方法を解説しました。エンゲージメントを高めると、「従業員の生産性が向上する・対人関係が改善する・採用力が上がる」と様々な効果を得ることができます。
マインドフルネスの実践は決して難しいことではありません。「職場の雰囲気が良くない・コミュニケーションがうまくいっていない」といった課題を抱えている場合には、呼吸瞑想やマインドフルな会話の練習を社内全体で継続し、エンゲージメント向上を目指してみて下さいね!
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