『メタ認知』とは?意味やトレーニング法、高い人・低い人の特徴を解説!

『あの人はどうして仕事をあんなに効率的に進められるんだろう?』
『場の空気を読むのが上手な人って、何考えてるんだろう?』
そんな風に思ったことはありませんか?
業務を円滑に進められる人も、場の空気が読むのが上手い人も、もしかしたら「メタ認知」の能力が高いのかもしれません。
メタ認知を鍛えれば、仕事もプライベートも充実する可能性があります。
そこでこの記事では、「メタ認知とはどういうものなのか?」や「メタ認知の鍛え方・トレーニング法」「メタ認知が高い人・低い人の特徴」などを解説していきます。
また、メタ認知を高める方法として効果的な「マインドフルネス」についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください!
睡眠の質の向上や集中力アップ、ヨガなどのマインドフルネスプログラムを「オンライン」で気軽に体験することができます。毎日の不安やイライラを受け止めて、気持ちや心をととのえる習慣を始めてみませんか?
→ 【14日間無料体験】「MELON オンライン」について詳しくみる

『メタ認知』とは?意味をわかりやすく解説

メタとは、「より上の」「高次の」「~を超えた」といった意味を持つ言葉で、「ある事象に対する異なる次元からの観点」のことです。
ですので「メタ認知」は「認知していることを別の次元から認知していること」を意味します。
ここでいう「認知」とは、記憶や言語、思考など頭の働き全般を指します。
ですから、メタ認知能力があると
「今、自分は『思い出そう』としていることに『気づいて』いる」
「今これを『言う』と、周りにどう思われるだろうか?と『予想』できている」
といったように、自分のことをもう一人の自分が俯瞰的・客観的に見られるようになるのです。
『メタ認知』の2つの種類とは?

メタ認知は「メタ認知的知識」と「メタ認知的技能」の2種類に分けて考えることができます。
それぞれの特徴についてご紹介していきます!
メタ認知的知識
メタ認知的知識とは「分析して獲得するに至った知識」のことです。分析して得た知識なので「○○は××」など、言葉にして説明することが可能です。
メタ認知的知識は大きく分けて、3つあります。
一つ目が、「私は英語が得意だ」のような「人に関するもの」です。
二つ目が「具体的な意味の英単語より、抽象的なものの方が覚えにくい」のような「課題に関するもの」。
三つ目が「図や絵をかきながらの方が単語を覚えやすい」のような「方略に関するもの」です。
メタ認知的技能
メタ認知的技能とは「得た知識をどのように使うかの知識」のことです。必ずしも意識的にメタ認知的技能を使っているとは限らないので、言葉にするのが難しいこともあります。
メタ認知的技能は、さらに2つに分けることができます。
一つが「モニタリング」です。「自分はこの英文をちゃんと理解しきれていないぞ」と自分の理解力を把握します。
もう一つが、「コントロール」です。「時間が余ったらもう一度この英文をしっかり読み込もう」と、対応策や戦略を考えます。
『メタ認知』が高い人の特徴

メタ認知が高い人、つまり自分を客観視できる人は様々な特徴を有しています。
その代表的なものを見ていきましょう。
話がうまい
メタ認知が高い人は、話が上手な傾向があります。
なぜなら、自分がどんな話を話すことが求められているのか、相手はどのような話が聞きたいかを、しっかりと把握することができるからです。
つまり、自分が話したいことを話すのではなく、相手が聞きたがっている話を選択して話すことができるので、相手には「話がうまい」「面白い」と思ってもらえるのですね。
仕事ができる
メタ認知が高い人は、「○○をしたら××になるだろう」と情報を整理し適切なアクションがとれるので、仕事を効率よく進めることができます。
例えば、「この料理は煮込み時間があるから、先に作っちゃって煮込んでいる間に他の料理に使う食材を切ったりソースを作ったりしよう」と瞬時に把握することができます。
健康的
メタ認知が高い人は、心身共に健康を維持しやすくなります。「ちょっと最近食べ過ぎたな」「こんなことを考えていても辛くなるだけだ」などと今後自分がすべきことを客観的に振り返ることができるからです。
私たちは他の人のことであれば「こうすればいいじゃん」とすぐにアドバイスできそうなことでも、いざ自分のこととなるとそう思えないものです。
しかしメタ認知が高い人は、自分の悩みであっても、あたかも「他人の悩み」かのように客観視して適切な行動をとることができます。
『メタ認知』が低い人の特徴

逆に、メタ認知が低い人はどのような特徴があるのでしょうか。
こちらも代表的な事柄を見ていきましょう。
行動が衝動的になる
メタ認知が低いと「したい」と思ったら後先考えることなく行動してしまいがちです。そのため衝動的な特徴があると考えられます。
「最近食べ過ぎてるしな」「この後友達と飲みに行くしな」などと、メタ認知する間もなく「食べたい」と思ったら食べてしまう、などの行動が見られるのです。
空気が読めない
メタ認知が低いと「空気が読めない」といった特徴も見られると考えられます。
自分の気持ちが昂ると、相手がどのように感じているのかをメタ認知することなく、興味関心の中心が「自分」になってしまうのです。
自分の話したいことばかりを話したり、相手の意向を確認せず自分が行きたいところに行ったりなどの行動が見られるかもしれません。
同じミスを繰り返す
メタ認知が低いと同じミスを繰り返してしまうかもしれません。ミスをすること自体は誰にでもあることで問題はないのですが、同じミスを繰り返すと問題になります。
メタ認知が低いと「今回どうしてミスをしたのか」「同じことを繰り返さないためにはどうしたら良いのか」といった「モニタリング」や「コントロール」ができないために、同じことが起きれば同じように反応してしまいます。
その結果が「ミス」となるのです。
『メタ認知』が低いデメリット

以上のように、メタ認知が低いと「衝動的」「空気が読めない」「同じミスを繰り返す」などの特徴が見られやすくなります。
その結果、日常生活にもさまざまな支障が出るリスクが高まるでしょう。
例えば同じミスを何度も繰り返していると、次第に重大な仕事を任せてもらえなくなり、昇級が難しくなるかもしれません。
また、衝動的で空気が読めないと対人関係で苦労するため、孤独を感じる時間が長くなる可能性もあります。
このように、仕事でもプライベートでも望まない結果に陥りがちになることが、メタ認知が低いデメリットと言えるでしょう。
『メタ認知』を高めるメリット

メタ認知を高めるメリットは、実にたくさんあります。
例えば「人と違ったものの見方」ができ、重宝される人材になるかもしれません。メタ認知能力が高いと「今○○と考えている」ということに気づき、更に「この考えをさらに掘り下げて考える必要がある」といったことにも気づけるからです。
例えば、メタ認知能力が高い人は、みんなが「バナナスタンドはバナナをかけるもの」との固定観念にとらわれている中、「別に他のものをかけてもいいじゃないか」と発想し、ヘッドホンをかけるために使うことができるかもしれません。
このように、その他大勢から一歩前進した視点を持つことができるのです。
『メタ認知』の鍛え方・トレーニング方法3選

では、メタ認知を高めるためにはどうすればいいのでしょうか。
ここでは、メタ認知を鍛えるための3つのトレーニング方法をご紹介していきます。
メタ認知の鍛え方その① 読書をする
読書をすることは、メタ認知を鍛えるのにとても有効と言えます。
なぜなら、読書によって得た知識が既知の知識と組み合わさることで、ものごとをより俯瞰的に見ることが可能になるからです。
例えば、小説を通じて客観的・第三者的な視点で登場人物の心情に触れることで、現実の人間関係でも「この人はきっとこう感じているだろう」と、メタ的に相手の気持ちを類推することができるようになるかもしれません。
メタ認知の鍛え方その② 悩みを書き出す
「ストレスだな」「思いがけず喧嘩になってしまった」などの悩みが生じたとしたらメタ認知を鍛えるチャンスかもしれません。
「何がストレスだったのか」「相手の言動の何に怒りを感じたのか」、そのときに自分の頭によぎった認知(考え)を書き出していくのです。
悩みごとが複数回繰り返される背景には、「こうあるべき」といった硬直化した思考が気付かないうちに潜んでおり、その思考が視野や心を狭くしてしまっていることが非常に多いんですね。
硬直化した思考の存在に気が付き、自覚できるようになると、自然に「こう考えるからトラブルになりやすいんだ」「だったら違う風に考えてみよう」と、別の考えや行動を選ぶことができるようになります。
このように客観的に自分を観察できるようになると、空気を読むことが出来たり、衝動性が減ったりするでしょう。
メタ認知の鍛え方その③ 他のもので例える
ある対象を別の対象で例えられないかを考えることもメタ認知を鍛えるのに有効です。
これを「アナロジー思考」と言います(細谷 功『メタ思考トレーニング』PHP研究所)。アナロジーとは「類推」を意味します。
上手にアナロジー思考するには、ある対象と別の対象の間にある共通点を見出すことが求められます。
例えば、飲食店を展開しようとしている人が「牛丼」を「ご飯の上にタレにつけた牛肉を乗せた食べ物」としかとらえていないと、「よりおいしい牛丼を作ろう」で発想が止まってしまいます。
しかし、アナロジー思考を使えば「牛丼とハンバーガーは、安くて、早く食べれて、お腹にたまる点で共通している」と気づけます。
その結果、「ライバル店は牛丼屋だけじゃなくて、ハンバーガーショップもだ」と思い当たり、単純に「おいしい牛丼を作ればいい」との発想よりも優れた発想を抱けるでしょう。
メタ認知を鍛えるために、普段から「○○と××に共通点はないかな?」と考える習慣をつけるのがおすすめです。
メタ認知を高めるには『マインドフルネス』も効果的

メタ認知とは自分を客観的に眺める力のことですが、例えば怒りを感じた時、その怒りに気づいて感情を客観的に眺めることができると冷静な対応ができます。
怒りに任せて怒ってしまったり感情的な対応をとったりすると心も体も疲れ、さらには人間関係にも影響してしまうでしょう。
マインドフルネスでは、「出来事をありのまま、自分の思考や感情も客観的に眺めて受け入れる実践」を繰り返していくので、このメタ認知の力を養うことができるんですね。
自分に今どのような感情や思考が湧き起こっているのかより早く気づくことで、余裕ある行動をとりやすくなるのです。
仕事や日常で、感情に振り回されず冷静に対応することができると、穏やかで自分らしく過ごすことができますよ。
以下の記事では、マインドフルネスについてわかりやすく解説しているので興味のある方はぜひ読んでみてください!
メタ認知|まとめ

メタ認知は、自分が認知していることをあたかも他人が観察しているかのように捉えることです。
メタ認知能力を鍛えることは、「一人二役」でものごとを捉える力を手にすることと同じだと言っても過言ではありません。仕事やプライベートを充実させたいと願うとき、これ以上に役立つ能力はメタ認知の他に無いと言えるでしょう。
メタ認知を鍛えるには、本を読んだり、アナロジー思考を使ったりと普段からの心がけが欠かせません。
残念ながら一朝一夕で身につく力ではないのです。しかし、できる範囲でコツコツとトレーニングを続けることで、必ず「他人とは違う」と一目置かれる人材になることができます。
また、メタ認知を高めるにはマインドフルネスが効果的という内容もお伝えしました。
以下の記事では、初心者の方でも実践しやすいさまざまなマインドフルネスのやり方をご紹介しているので、ぜひ日常にマインドフルネスを取り入れてみてくださいね!