ブログ

今注目のビジネススキル『メタ認知』とは?意味やトレーニング方法を徹底解説

メタ認知

最近ビジネスパーソンの間で、「メタ認知」という言葉が広がりを見せています。業務を円滑に進められる人や、マネジメントの能力に優れている人は、もしかしたら「メタ認知」の能力が高いのかもしれません。

そこでこの記事では、「メタ認知とはどういうものなのか?」や「メタ認知の鍛え方・トレーニング法」「メタ認知が高い人・低い人の特徴」などを解説していきます。

また、メタ認知を高める方法として効果的な「マインドフルネス」についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね!

『メタ認知』とは?意味をわかりやすく解説

脳の画像

メタとは、「より上の」「高次の」「~を超えた」といった意味を持つ言葉で、「ある事象に対する異なる次元からの観点」のことです。ですので「メタ認知」は「認知していることを別の次元から認知していること」を意味します。

ここでいう「認知」とは、記憶や言語、思考など頭の働き全般を指します。ですから、メタ認知能力があると

「今、自分は『思い出そう』としていることに『気づいて』いる」
「今これを『言う』と、周りにどう思われるだろうか?と『予想』できている」


といったように、自分のことをもう一人の自分が俯瞰的・客観的に見られるようになるのです。

『メタ認知』の2つの種類とは?

成長・スキルアップしている様子

メタ認知は「メタ認知的知識」と「メタ認知的技能」の2種類に分けて考えることができます。

それぞれの特徴についてご紹介していきます!

メタ認知的知識

メタ認知的知識とは「分析して獲得するに至った知識」のことです。分析して得た知識なので「○○は××」など、言葉にして説明することが可能です。

メタ認知的知識は大きく分けて、3つあります。

一つ目が、「私は英語が得意だ」のような「人に関するもの」です。

二つ目が「具体的な意味の英単語より、抽象的なものの方が覚えにくい」のような「課題に関するもの」

三つ目が「図や絵をかきながらの方が単語を覚えやすい」のような「方略に関するもの」です。

メタ認知的技能

メタ認知的技能とは「得た知識をどのように使うかの知識」のことです。必ずしも意識的にメタ認知的技能を使っているとは限らないので、言葉にするのが難しいこともあります。

メタ認知的技能は、さらに2つに分けることができます。

一つが「モニタリング」です。「自分はこの英文をちゃんと理解しきれていないぞ」と自分の理解力を把握します。

もう一つが、「コントロール」です。「時間が余ったらもう一度この英文をしっかり読み込もう」と、対応策や戦略を考えます。

『メタ認知』が高い人・低い人の特徴

インタビュー 瞑想

メタ認知能力が高い人と低い人では、考え方や行動にどのような違いがあるのでしょうか。ここでは組織において「実際にマネージャーが直面する課題」を踏まえながらご紹介しますので、普段の自分と重ね合わせて考えてみてくださいね。(ここからご紹介するのは、あくまでも一例になります。)

①マネジメントスキル編

メタ認知はマネジメントスキルにも大きな影響を与えます。例として「チームメンバーのモチベーションが低下している場合」を考えてみましょう。

メタ認知能力が高いマネージャーの場合は、モチベーション低下の具体的な原因を探ります。そして問題の原因を共有し、メンバーとの建設的な対話やフィードバックを重視しながら解決策を見つけます。

一方でメタ認知能力が低いマネージャーの場合は、状況を客観的に認識することが苦手なため、モチベーションの低下を放置してしまう可能性があります。結果として、問題の根本を解決できずに「やるべきことをやれ」といった抽象的な指示を出したり、メンバーに対して過度なマイクロマネジメントを行い、信頼感を損なってしまうことも考えられます。

②人間関係・コミュニケーション編

メタ認知とコミュニケーションの関係性を理解するために、「チーム内の人間関係が乱れている場合」を考えてみましょう。

メタ認知能力が高いマネージャーの場合は、メンバーを思いやり、適切な距離感でコミュニケーションを取ることができます。人間関係の問題に巻き込まれた際にも感情的にならず、常に公平な目線で解決方法を探ります。

一方でメタ認知能力が低いマネージャーの場合は、他者と自分という関係性を俯瞰して見られないため、一方的な指示をしたりチーム内の分断を深めてしまう可能性があります。また主観的な視点でしか状況を見られないため、最初から偏見を持ってメンバーと接することで、情報が上手く伝わらなかったり、誤解が多く生じてしまったりする場合もあります。

③自己理解・他者理解編

メタ認知は自己理解と他者理解の根幹を担っています。ここでは「チームメンバーの相互理解が進んでいない場合」を考えてみましょう。

メタ認知能力が高いマネージャーの場合は、自己理解と他者理解の大切さを認識しているため、まずはメンバーに「自己理解の大切さ」を伝えます。そして自己理解の基礎を元に、メンバーが相互に共感し合えるようなチームビルディングをします。

一方でメタ認知能力が低いマネージャーの場合は、そもそもマネージャー自身も自己理解ができていない場合があります。そのため表面的な問題ばかりに気を取られ、それに対してイライラしてしまうことが多くなります。最終的に、「相互理解の不足」という問題には関心すら持たないという可能性も考えられます。

『メタ認知』の鍛え方・トレーニング方法3選

男性が外で手を広げて深呼吸をしている様子

ここまでで、ビジネスパーソンにはメタ認知能力が必須であるということがお分かり頂けたかと思います。それでは、実際にメタ認知を高めるためにはどうすればいいのでしょうか。

ここでは、メタ認知を鍛えるための3つのトレーニング方法をご紹介していきます。

メタ認知の鍛え方その① 読書をする

読書をすることは、メタ認知を鍛えるのにとても有効と言えます。

なぜなら、読書によって得た知識が既知の知識と組み合わさることで、ものごとをより俯瞰的に見ることが可能になるからです。

例えば、小説を通じて客観的・第三者的な視点で登場人物の心情に触れることで、現実の人間関係でも「この人はきっとこう感じているだろう」と、メタ的に相手の気持ちを類推することができるようになるかもしれません。

メタ認知の鍛え方その② 悩みを書き出す

「ストレスだな」「思いがけず喧嘩になってしまった」などの悩みが生じたとしたらメタ認知を鍛えるチャンスかもしれません。

「何がストレスだったのか」「相手の言動の何に怒りを感じたのか」、そのときに自分の頭によぎった認知(考え)を書き出していくのです。

悩みごとが複数回繰り返される背景には、「こうあるべき」といった硬直化した思考が気付かないうちに潜んでおり、その思考が視野や心を狭くしてしまっていることが非常に多いんですね。

硬直化した思考の存在に気が付き、自覚できるようになると、自然に「こう考えるからトラブルになりやすいんだ」「だったら違う風に考えてみよう」と、別の考えや行動を選ぶことができるようになります。

このように客観的に自分を観察できるようになると、空気を読むことができたり、衝動性が減ったりするでしょう。

メタ認知の鍛え方その③ セルフモニタリング・コントロールを行う

日常生活の中で自分をモニタリング(観察)し、その結果として発見した問題点をコントロールするという手法も効果的です。

例えば自分の一日をモニタリングし、夜寝る時間が遅くなってしまうという課題を発見したとします。その課題に対して、「仕事から帰ってきたらすぐにお風呂に入る」「休日に料理を作り置きしておく」「ベッドに入ったらスマホを触らないようにする」など、複数のコントロール方法を考え、実践します。

このようなセルフモニタリング・コントロールを、さまざまなシチュエーションで繰り返し行うことによって、メタ認知能力が向上していきます。しかし一概に「自分をモニタリングする」と言っても、自分の状態を正確に把握するのは難しいです。皆さんもどうやったら今より正確に把握できるようになるのか分からないと思います。ここで役に立つのがマインドフルネスです。

メタ認知を高めるには『マインドフルネス』も効果的

自然の中で瞑想をする女性の画像の画像

マインドフルネスとは、今この瞬間に意識を向け、自分の内側の感情や思考に気づいていく過程のことを指します。この自己観察はメタ認知の基本であり、自分の心の動きを理解するのに役立ちます。

セルフモニタリング・コントロールを行う際に、どうしても「自分が何を考えているのか・どう感じているのかが分からない」というケースや、「そもそも自分を観察することに慣れていない」と感じるケースがあると思います。

このような場合には、マインドフルネスを実践するのがおすすめです。マインドフルネスでは、「出来事をありのまま、自分の思考や感情も客観的に眺めて受け入れる実践」を繰り返していくので、自然とモニタリングの能力が上がります。

マインドフルネスについての詳細や、具体的な実践方法については以下の記事をチェックしてみて下さいね!

メタ認知|まとめ

水平線に太陽が昇っている様子

メタ認知は、自分が認知していることをあたかも他人が観察しているかのように捉えることです。

メタ認知能力を鍛えることは、「一人二役」でものごとを捉える力を手にすることと同じだと言っても過言ではありません。仕事はもちろんのこと、プライベートも充実させたいと願うとき、これ以上に役立つ能力はメタ認知の他に無いと言えるでしょう。

メタ認知を鍛えるには、本を読んだり、悩みを書き出したりと普段からの心がけが欠かせません。

残念ながら一朝一夕で身につく力ではないのです。しかし、できる範囲でコツコツとトレーニングを続けることで、必ず「他人とは違う」と一目置かれる人材になることができます。

また、メタ認知を高めるにはマインドフルネスが効果的という内容もお伝えしました。

以下の記事では、初心者の方でも実践しやすいさまざまなマインドフルネスのやり方をご紹介しているので、ぜひ日常にマインドフルネスを取り入れてみてくださいね!


MELON ONLINE 無料体験 バナー リンク