マインドフルネス瞑想ではなぜ継続が重要?続けるコツや効果も解説
「マインドフルネス瞑想を始めてみたけどなかなか続かない」
「どれくらい継続すればいいの?」
とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
マインドフルネス瞑想は、継続することで脳自体に変化を起こし、本質的な効果を発揮するといわれています。
今回は、その理由や効果が得られるまでに必要な期間などを解説します。あわせて、継続するコツや、さまざまな場所や方法で行うマインドフルネス瞑想も紹介するので、継続できずにお困りの方は参考にしてみてください。
「マインドフルネスとは」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
マインドフルネス瞑想ではなぜ継続が重要?
ここでは、科学的根拠を基になぜマインドフルネスでは継続が重要なのかを解説します。
効果は2か月の間に少しづつ効果が出ると実証
マインドフルネスの効果は、始めたばかりではすぐに現れない場合があります。
効果が現れるまでの期間を明らかにしたオックスフォード大学の研究をご紹介では、「マインドフルネス認知行動療法(MBCT)」の8週間プログラム中に、反すうと不安の度合いがどのように変化するかが測定されました。なお、MBCTとはマインドフルネスと認知行動療法を組み合わせたプログラムで、うつ病の再発予防を目的としたものです。
研究の結果、MBCTの効果は8週間のプログラム期間中に徐々に現れると明らかになりました。急激な改善が見られるわけではなく、ときには以前の状態に戻ることもありますが、継続的に実践することで不安と反すうが低減していったことが確認されたのです。
マインドフルネスは、一度の実践でも頭がスッキリする程度の効果を感じられる場合があります。しかし、「ストレスを感じることが少なくなる」ほどの大きな効果を感じるには、多くの場合継続的な実践が必要です。そのため、5分や10分といった短時間でもいいので、まずは2か月程度継続することが重要です。
参考:Ietsugu Tetsujiら(2014). Gradually getting better: Trajectories of change in rumination and anxious worry in mindfulness-based cognitive therapy for prevention of relapse to recurrent depression. Mindfulness,6.
継続的なマインドフルネス瞑想が心身の健康を長期的に支える
マインドフルネス瞑想を継続すると脳に変化をもたらし、ストレスに対する反応を改善することが研究で実証されています。さらに、長期にわたって継続するほど効果が得られると明らかになっています。
初心者と8週間のマインドフルネス瞑想を実践した人々の脳の活動を比較した研究の結果、マインドフルネス瞑想を実践した人々は、「内側前頭前野」の活性化が抑えられ、「島皮質」と「外側前頭前野」はより活性化したことが判明しました。
内側前頭前野の活性が抑制されると、マインドワンダリング(過去や未来に思いを巡らせる状態)が軽減します。これにより、ネガティブ思考に囚われることが減り、ストレスが軽減します。
島皮質と外側前頭前野の活性化は、「今ここ」に集中するのを助けます。島皮質は何かに気づいたり、感情的な反応をする際に働く部位で、マインドワンダリングから脱却するスイッチの役割があります。
さらに、瞑想を長期間実践するほど、感情のコントロール力が向上することも研究で示されました。
このように、マインドフルネスを継続するとマインドワンダリングが減少し、感情のコントロール力が向上します。その結果ストレスが軽減され心身の健康改善につながります。
瞑想中の脳の変化についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
参考:Richard J. Davidsonら(2012). Social influences on neuroplasticity: Stress and interventions to promote well-being. Nature Neuroscience, 15, (5).
参考:Tammi RA Kralら (2018). Impact of short- and long-term mindfulness meditation training on amygdala reactivity to emotional stimuli. Neuroimage, 181.
忙しい日常でもマインドフルネス瞑想を継続するためのコツ
ここでは瞑想を続けやすくするためのポイントや工夫を紹介します。「2か月きちんと継続しよう!」と意気込むと苦しくなってしまうので、ご紹介するコツを参考に気持ちよくマインドフルネスを継続しましょう。
継続するコツ(1)毎日5〜10分でも日常生活に取り入れる
継続が重要とはいえ、日々仕事や家事などのやるべきことに追われて到底そんな時間は取れないと感じている方も多いと思います。そんなときは、マインドフルネスを日常生活に取り入れてみましょう。
例えば、
- コーヒーの香りと最初の一口をしっかりと意識して味わう
- ごはんの最初の一口をしっかりと意識して味わう
- 玄関の外に出た瞬間に季節を感じ、その良い気持ちのままで駅やバス停まで歩く
- 湯船に入った瞬間の感覚をしっかりと意識して味わう
- 筋トレ・ウォーキング・ジョギングなどの運動をする際は身体感覚のみに意識を向ける
など日常生活でマインドフルな瞬間を感じてみましょう。
やってみると、日々忙しさに追われて、「今ここ」に集中している時間が取れていなかったことに気づくかもしれません。
「今ここ」に集中して悩みから意識が離れる瞬間のマインドフルな感覚を味わい、日常に広げていくのがマインドフルネスです。毎日5分や10分などの短い時間でいいのでマインドフルネスを継続すると、この感覚を味わいやすい状態になっていきます。
継続するコツ(2)完璧を目指さない
そもそも、瞑想やマインドフルネスは「頑張って行うもの」ではありません。
その時間を「自分が欲している」という感覚で行うのがベストです。習慣化して慣れていけば、瞑想やマインドフルネスが「自分にとっての癒しの時間」になっていきます。
また、瞑想の効果を最大限に引き出すためには、毎日少しでも続けることが理想ですが、できない日があっても、気にする必要はありません。重要なのは、できる範囲で続けることです。瞑想を習慣化するためのプレッシャーを感じるよりも、可能な限り続けることが、長期的に見て心身の健康にプラスとなります。
継続するコツ(3)リアルタイムレッスンに参加する
一人だとマインドフルネスを継続するのが難しい場合には、リアルタイムのレッスンに参加してみるのも一つの手段です。
動画はどうしても「後で見よう」となりがちですが、リアルタイムレッスンは、レッスンが行われる時間にあわせて行動するため習慣化がしやすくなります。
MELONのオンライン・マインドフルネスサービス「MELONオンライン」では、毎日6〜23時にリアルタイムレッスンを提供しています。
ライブ形式のレッスンでは、同じ志をもった仲間と一緒にマインドフルネスを実践できます。
また、クラスは一般社団法人マインドフルネス瞑想協会の資格を持つプロのインストラクターが受け持つため、疑問があればその場で解消でき、より効果を得やすくなります。
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マインドフルネス瞑想の継続で得られる効果は?続けるとどうなる?
ここでは、マインドフルネス瞑想を継続することで得られる効果を期間別に紹介します。
【短期的な効果】頭がスッキリとした感覚が得られる
マインドフルネス瞑想の短期的な効果として、頭がスッキリする感覚を得られることが挙げられます。
マインドフルネスを実践すると、思考がさまよっている状態から「今ここ」に集中し、頭の中が静かになっていく感覚が味わえるでしょう。
さらに頭がスッキリすることで思考がクリアになり、仕事や勉強などのパフォーマンスも高められます。
また、寝る前に行うと副交感神経が優位になりリラックスできるため、深い睡眠に入りやすくなります。
マインドフルネスと睡眠の関係はこちらの記事で詳しく解説しています。寝る前におすすめのマインドフルネス瞑想の方法も紹介しているので、睡眠に課題を感じている方は参考にしてみてください。
【中・長期的な効果】意識を自分の力でコントロールできるようになる
中・長期的な効果として「脳の質的な変化」が挙げられます。
前述のとおり、マインドフルネス瞑想を継続すると脳に変化が起こります。その結果、「ストレスなどの外部からの刺激を認識することで、それを客観的に見て冷静に行動できるようになる」瞬間が増えていきます。これがマインドフルネスの本質です。
また、「今ここ」に集中する時間が増えるため、日常生活においても感覚が研ぎ澄まされます。その結果「自然の美しさに心打たれる」「食事の美味しさに気づく」「生きていることへの感謝が自然にわき上がる」など、生きることそのものを喜びをもって味わえるようになります。
科学的に実証されたマインドフルネスの効果についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
毎日のマインドフルネス瞑想を継続するための実践ガイド
瞑想を習慣づける手助けとして「継続するための実践ガイド」を紹介します。以下で紹介するようなやり方で実践してみると継続しやすくなるので、ぜひ参考にしてみてください。
STEP1:実践する場所と時間を決める
まずは、毎日5〜10分のマインドフルネス瞑想を実践するルーティンを作ることが大切です。決まった時間と場所で瞑想を行うと習慣化しやすくなります。
なお、瞑想はさまざまな環境で実践可能です。
例えば、「通勤・通学中のバスや電車の中では呼吸に集中する」と決めるのも良いでしょう。また、歩きながら瞑想する「歩行瞑想」という方法もあります。歩くリズムに合わせて呼吸に集中してみましょう。
お風呂に入るのがお好きであれば、リラックスできるサウナやお風呂の時間も瞑想の実践に適しています。
まずは、自分が継続しやすい時間や場所で瞑想を行ってみてください。ご自身のライフスタイルに合わせた場所や時間で瞑想を実践することで習慣化しやすくなります。
こちらの記事ではサウナ瞑想のやり方を紹介しているので、サウナがお好きな方はぜひ参考にしてみてください。
STEP2:その日の自分に合ったマインドフルネス瞑想を選ぶ
習慣化するコツとして、「自分に合った瞑想法を実践する」ことが挙げられます。
マインドフルネス瞑想には、基本の座って行うものから睡眠前に横になって行うものまで、さまざまな種類があります。
さらに、レジリエンス(ストレスに対する回復力)の向上に効果的な「書く瞑想(ジャーナリング)」や、ダイエット効果の期待できる「食べる瞑想」など、やり方や効果も多種多様です。
無理に座って瞑想をしなくても、いろいろなやり方が試せます。その日の体調や気分に合わせて瞑想法を探してみましょう。
以下の記事では、基本的なマインドフルネス瞑想のやり方から、日常で取り入れられるものまで、瞑想法と効果を複数紹介しています。自分が「これなら習慣化できそう」と思うものを取り入れてみましょう。
STEP3:より深いマインドフルネス瞑想を行うための事前準備
より深い瞑想を行うために、リラックスできる環境を整えましょう。ここでは「呼吸法」「姿勢」「環境」の観点で環境を整える方法を紹介します。
【呼吸法】
マインドフルネス瞑想の前に呼吸法を取り入れると、よりマインドフルネスを深められます。例えば、腹式呼吸を実践すると自律神経が整い、リラックス状態になります。
ほかにもさまざまな種類があるので、気分で選んでみてください。
- 感情のたかぶりを抑えて集中力を上げる「ハミング呼吸」
- 自律神経や右脳と左脳のバランスを整える「片鼻呼吸」
- 深い呼吸を導き気持ちをリラックスさせる「ブランコ呼吸」
「ハミング呼吸」「片鼻呼吸」「ブランコ呼吸」のやり方や、効果の詳細はこちらの記事で解説しています。
【姿勢】
姿勢を意識すると、呼吸が深まりマインドフルネスの効果を実感できます。基本の姿勢では骨盤を立て、背骨を気持ちよく伸ばします。
「瞑想の正しい『姿勢・座り方』とは?あぐらがつらいときの対処法も紹介」の記事では基本的な座り方から、あぐらがつらいときの対処法まで紹介してるので「座り方がわからない」「足を組んで座るのが苦痛」と感じている方はぜひ参考にしてみてください。
【環境】
瞑想に集中するため、できるだけ一人になれる静かな環境を選びましょう。リラックスできる音楽やアロマを取り入れるのもおすすめです。
音楽やアロマにはリラックスさせる効果もありますが、加えて瞑想に集中できないときでも、音や香りに注意を向けることで集中力を高める効果もあります。
まとめ|マインドフルネス瞑想を継続して健康的な毎日を過ごそう
今回はなぜマインドフルネス瞑想において継続が大切なのか、継続するコツについて解説しました。
マインドフルネス瞑想を継続すると、ストレスを感じる瞬間が少なくなり、充実感が増えていきます。
ぜひ今回ご紹介したコツやガイドを参考にマインドフルネス瞑想を継続して、心身ともにスッキリと健康になった自分を感じてみてください。