「瞑想中に集中が途切れてしまう」
「瞑想に集中しているという感覚がわからない」
という悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
本記事ではこのように感じている方に向けて、MELONインストラクターで、一般社団法人マインドフルネス瞑想協会認定講師の林 有加里さん監修のもと、瞑想に集中している状態の定義、集中できない原因やその解決方法などを詳しく紹介します。
瞑想に集中している状態、していない状態とは?
そもそも瞑想に集中している状態、していない状態とはどのように定義できるのでしょうか?両者の違いをわかりやすく説明します。
集中している状態=「今この瞬間に気づき続けている」
マインドフルネス瞑想において「瞑想に集中している状態」とは、「今この瞬間に気づき続けている状態」を指します。
マインドフル瞑想とは瞑想法の一つで、マインドフルな心のあり方をトレーニングするものです。マインドフルネスとは、「評価や判断を加えず、いま自分が経験していることに意識を向け続けること」を意味します。
瞑想に集中し、内側と外側に正しく意識が向いていると、五感やからだの感覚・呼吸、空気の流れなどを鮮明に感じることができます。
さらに、湧いてくる思いや考えにもすぐに気付くことができるようになります。これは、「今この瞬間に気付き続けている」ということであり、マインドフルネス瞑想を行う上で目指すべきゴールでもあります。
マインドフルネスと瞑想の関係についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
集中していない状態=「過去や未来に思考がさまよっている」
一方、マインドフルネス瞑想において「瞑想に集中していない状態」とは、「過去や未来に思考がさまよっている状態(マインドワンダリング)」です。
嫌だった出来事が頭の中をよぎったり、明日の予定を思い浮かべてしまったりするときは、「瞑想に集中できていない」状態。ただ、この状態が一概に「悪い」わけではないので、あまりマイナスに捉える必要はありません。
集中して瞑想を行うメリット
瞑想を始めたばかりだと、頭に湧いてくるさまざまな思考を客観視することができず、瞑想に集中できないことがよく起こります。しかし、瞑想にはさまざまなメリットがあります。ここでは瞑想に集中するメリットについて、脳の構造という観点も含めて解説します。
脳の構造自体が変わる
瞑想を行うことで前頭前野が活性化すると脳科学的に実証されています。前頭前野はヒトをヒトたらしめ、思考や創造性、理性を担う脳の最高中枢であると考えられています。この部位が活性化することで感情のコントロールが上手になると期待できます。
また、瞑想を行うと脳神経自体のつながりが変わり、ストレスの受け止め方がうまくなることも研究によって証明されています。
瞑想を継続することで起こる脳の変化については、こちらの記事で詳しく解説しています。
脳の疲れがとれて頭の中がスッキリする
瞑想を継続すると、脳活動のエネルギーの60%〜80%を占めているデフォルトモードネットワーク(ぼんやりしている時に浮かんでくる考え)を意図的にシャットダウンできるようになり、脳を休ませることができます。
ストレスが軽減できる
瞑想に集中すると、集中力が向上し、反すう思考(考えが頭の中をぐるぐると巡ってしまうこと)に気づいて手放すことができたり、ネガティブな考えから抜け出す力が向上します。それによりストレスを軽減できます。
ビジネススキルがアップする
瞑想を継続することで、集中力が向上します。その結果やるべきことにフォーカスできるようになり、さまざまな「力」を伸ばすことができます。例えば、
- 決断力
- ひらめき力
- 集中力
- 記憶力
- 情報処理能力
- 判断力
などのビジネスで役立つスキルが向上します。
マインドフルネスはGoogleをはじめとする大手企業で取り入れられています。こちらの記事では、大手企業でマインドフルネスが取り入れられる理由や導入事例を紹介しています。
瞑想中に集中が途切れてしまう原因
瞑想にはさまざまなメリットがありますが、「どうしても集中が途切れてしまう」という方も多いのではないでしょうか。その原因を2つのポイントから掘り下げていきます。
環境・姿勢に問題があるケース
まずは、環境や姿勢に問題があるケースです。具体的には以下のような問題が挙げられます。
- 大きな音が聞こえる環境
- 周りにたくさんの人がいる環境
- 姿勢が不安定である
瞑想を行う際は、できるだけ静かな環境を選ぶようにしましょう。それが難しい場合は、ノイズキャンセリングのイヤホンや耳栓を使うのがおすすめです。
姿勢が不安定な場合は、クッションをお尻の下に置くか、椅子に座って瞑想をするといいでしょう。
心・身体に問題があるケース
次に、心や身体に問題があるケースです。具体的には以下のような問題が挙げられます。
- 気になることがたくさんある
- 睡眠不足
- 身体の疲労が溜まっている
デフォルトモードネットワークが過剰に働いていたり、そもそも体が疲れ切っていたりするため集中できないケースです。まずは1日5分からでも瞑想を行い、継続することで心身の乱れが整いやすい状況になっていきます。
瞑想中に集中を保つためのテクニック
ここからは瞑想中に集中を保つためのテクニックをご紹介します。すぐに実践できるものばかりですので、ぜひ試してみてくださいね。
環境・姿勢を整える
瞑想を行う際はなるべく「静かな場所」で行うことがおすすめです。また人に見られていると気になってしまうという方は、「1人になれる場所」を選択してみましょう。
瞑想といえばあぐらをかくというイメージがある方も多いと思いますが、あぐらを快適に感じない場合は椅子に座ったり、横になってみるのも一つの手です。
こちらの記事では、寝ながらできるボディスキャン瞑想のやり方を紹介しています。
ストレッチや呼吸法で心と身体を整える
ストレッチや呼吸法などで身体を整えてから瞑想を行うと集中しやすくなることがあります。
ストレッチは準備運動で行うような簡単なもので構いません。身体の力を抜くことを意識して行いましょう。呼吸法は「片鼻呼吸・ハミング呼吸・ブランコ呼吸」といった方法を試すことがおすすめです。
「片鼻呼吸・ハミング呼吸・ブランコ呼吸」の効果とやり方についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
解決方法を試しても集中が続かない場合
上記の解決方法を試しても集中が続かない場合の対処法を3つご紹介します。
座って行う瞑想にこだわらない
まず前提として、「座ってじっとする」という瞑想のスタイルにこだわる必要はありません。歩く瞑想や食べる瞑想、そしてマインドフルネスヨガなども瞑想の一種になるため、積極的に取り入れてみましょう。
こちらの記事では基本的なマインドフルネス瞑想から、日常生活に取り入れやすいものまでさまざまなマインドフルネス瞑想のやり方や効果を解説しています。
音・香り・光を利用する
集中する対象を「音・香り・光」などに向けるのも有効です。例えばアロマキャンドルを部屋に置き、そのキャンドルがゆらゆらと燃える様子や、ほのかに香るアロマに意識を向けます。
自分自身に意識を向け続けるのが難しい場合にはぜひ試してみてください。
気になっていることをすべて書き出してみる
「頭の中にいろいろな考えが浮かんでしまう」「集中しようとしても思考が邪魔をしてくる」という場合には、気になっていることをすべて紙に書き出してみるのも効果的です。
思考が紙の上に可視化されると、もやもやが晴れる場合があります。これは「ジャーナリング=書く瞑想」とも呼ばれており、頭の中をスッキリさせる効果があります。
ジャーナリングの効果とやり方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
集中が途切れてしまっても、瞑想の効果は得られる
もちろん集中し続けるに越したことはありませんが、途中で集中が途切れてしまっても瞑想の効果を得ることができます。ここからは瞑想と向き合う際に意識すべきポイントをお伝えします。
ほんの一瞬であっても、集中できたという感覚を大切に
瞑想中に「今集中できていたな」という感覚が得られた場合は、その感覚を大切にしてください。決して「集中できていたのに、それを継続できなかった」と自分を責めないでくださいね。どんな瞑想の達人であっても、長時間集中を維持するのは至難の業です。
「気づいたら、手放して戻ってくる練習」が重要
瞑想中に「集中していないな」と気づいたら「手放す力」「戻ってくる力」を養うチャンスだと捉えましょう。自分の力で集中している状態に戻す練習を積むことで、少しずつ集中できる時間が伸びてきます。
記事の冒頭で「瞑想に集中できていない状態が一概に悪いわけではない」と述べましたが、それはこの「手放す力」「戻ってくる力」を養うチャンスだからです。ポジティブに瞑想と向き合うと、習慣化しやすくなるでしょう。
まとめ|解決法を駆使して瞑想に集中できるようになろう
今回は、瞑想に集中している状態がどういうものか、瞑想に集中するメリットについて解説し、集中できないときの対処法をご紹介しました。
瞑想を始めたばかりだと集中力が高まっておらず、瞑想をするのがつらいと感じる方もいますが、今回ご紹介した解決法を使って瞑想を継続し、集中して瞑想を行えるようになりましょう。
一人だとなかなか集中できない、自分にあった瞑想法を知りたいけど、どれがいいかわからないという方もご安心ください。MELONが提供するオンライン・マインドフルネスサービス「MELON オンライン」では多種多様なクラスを提供しており、その時の自分に合ったクラスを選択することで集中を深めることができます。
マインドフルネス初心者の方、独学だとうまくできない方、やり方が正しいのか不安な方も、一般社団法人マインドフルネス瞑想協会の資格を持つプロのインストラクターが丁寧にわかりやすくレッスンを行うので安心です。
また、クラスではインストラクターが瞑想をガイドしてくれるので、一人で行うより集中しやすい環境が整っています。
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