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マインドフルネス瞑想による脳の鍛え方 ~扁桃体と前頭前野の仕組みとは?~

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最近はアンガーマネジメントやセルフコントロールといった単語をタイトルにした書籍や雑誌を見かける機会が増えてきました。生活のなかでネガティブな感情によって自分自身を見失わないようにしたい、コントロールしたい、と思われている方も多いのではないでしょうか。

実はそういったネガティブな感情を感じる時、脳のある部位が感情をコントロールするためのカギになっているのです。

この記事ではストレスを感じる脳の仕組みと、ストレスに関連する扁桃体や前頭前野の役割を解説します。またストレス時に、マインドフルネス瞑想によってどのように感情をコントロールができるのかについてもご説明します。

ストレスを感じる仕組み 〜「扁桃体」の役割とは?〜

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恐怖を感じる脳「扁桃体」とは?

人間の脳には様々な部位がありますが、「扁桃体(へんとうたい)」という部位をご存知でしょうか?扁桃体はヒトを含む高等脊椎動物の脳の奥に存在する、15mm~20mmほどのアーモンド形の神経細胞の集まりで、情動(感情)反応の処理と記憶に主要な役割を持つ原始的な部位とされています。

情動反応の処理において、扁桃体は主に不安や恐怖を感じる際に活性化することがわかっています。

情動反応の処理と記憶、という一見異なっているような機能ですが、いったいなぜ扁桃体のような部位ができるようになったのでしょうか。それは動物があらゆる敵や危機的環境から生存するために必要な、「恐怖」という感情が関係しています。

人類を含む動物にとって痛い思いや嫌な思いを避けるということは、生命を生きながらえさせるもっとも手っ取り早い手段です。

生命の脅威となる猛獣から逃げたり、危険な状況や環境を避けるといった行動は「恐怖」を感じるからこそ行われる行動であり、不安や恐れを感じるということは生きる上で欠かせない感情だったのです。

さらに、その生存に関わる不安や恐怖といった感情はそれに関係する記憶と一緒に留めておく必要があります。扁桃体はまさにこの部分で重要な役割を担っており、人類の進化の過程で発展してきました。

ストレスと扁桃体の関係性とは?

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かつて人類がそうだったように、猛獣と肩を並べて生活し、常に恐怖と隣り合わせで生きている人はいないでしょう。その点で、現代社会では人間が生存していく上での安全性は既に確保されていると言えます。

しかし現代社会では不安や恐怖といった感情の性質が変わってきました。私たちは、過去に起きたネガティブな出来事の記憶や、将来の不安を繰り返し感じてしまうようになったのです。

その結果実際にはその出来事が今は起きていないのにも関わらず、扁桃体が活性化し、脳からネガティブなメッージを発し続けることになります。しかもこういった不安な感情が継続すると、些細なきっかけでも扁桃体が反応しやすくなってしまうと考えられています。

扁桃体が活動的になると副腎と呼ばれる臓器にメッセージが伝えられ、そこからコルチゾールなどのストレスホルモンが分泌されます。また交感神経を緊張させ、血圧や心拍数の上昇、発汗などの反応が引き起こされます。

つまり扁桃体が慢性的に反応することによりストレスを感じ、そのストレスによって他の臓器に影響を与えるようになるのです。

ストレスへの反応 〜前頭前野の役割とアンガーマネジメント〜

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脳の最高中枢「前頭前野」とは?

情動反応の処理と記憶に対して扁桃体が大事な役割と持っているとお伝えしましたが、一方でこの扁桃体をコントロールしている部位が脳には他にあります。

それは「前頭前野(前頭前皮質)」という、脳の前方にある人類の進化において比較的新しい部位です。前頭前野はヒトをヒトたらしめ、思考や創造性、理性を担う脳の最高中枢であると考えられています。

つまり考えるのはもちろん、選択し、人とコミュニケーションするなど他の動物とは異なる「人間らしい」行動はこの部位が担っています。

アンガーマネジメントと「前頭前野」の関係

人間の脳は「大脳」「小脳」「脳幹」の3つに分類されますが、前頭前野があるのは脳の大半をしめる大脳です。この前頭前野が大脳に占める割合は進化した哺乳動物ほど大きくなっており、ネコで3.5%、イヌで7%、サルで11.5%、チンパンジーで17%であるのに対し、ヒトでは進化の過程で29%を占めるに至りました。

現代社会において、この前頭前野が原始的な欲求や感情を抑え、バランスを取って生きていくように機能しています。一方で、前頭前野の活動が低下している脳では、些細な出来事で怒りを爆発させてしまったりすると考えられています。

これが所謂「キレて」しまった状態と言えます。

マインドフルネス瞑想とアンガーマネジメント 〜前頭前野の鍛え方〜

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マインドフルネス瞑想によるアンガーマネジメント

冒頭のアンガーマネジメントの話に戻りますが、それではどうすれば怒りの感情に支配されないようにできるのか。それには前頭前野の活動が低下しないように、鍛えることが大切です。

そして、その方法の一つが「マインドフルネス瞑想」です。

マインドフルネス瞑想をすることで前頭前野が正しく活動し、理性を保ち感情に支配されない脳を維持することができます。また最新の脳科学の研究では、マインドフルネス瞑想をすることで前頭前野が扁桃体をコントロールする力を高めることができると分かってきました。

扁桃体をコントロールする前頭前野

活発になった前頭前野により、ネガティブなメッセージを発しがちな扁桃体を抑制することができると考えられ、さらに瞑想を継続することで脳の形自体が変化し、特定の状況における脳の反応が変化することも知られています。

最近ではこのようにマインドフルネス瞑想の効果が科学的に検証されることが多くなってきており、脳科学により証明された情報はこれから瞑想を始めようと思っている方々にとっても非常に興味深い話題ではないでしょうか。

脳のメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、このように瞑想が持つポジティブな効果は今後も増えてくることが予想されます。2600年前から人類が行ってきた瞑想が、実は脳科学で効果が証明されたトレーニングだったと考えるととても面白いですね。つくづく人類の叡智に感銘を受けます。

このブログでは、今後も瞑想と脳科学の解説を引き続きご紹介していきます。アンガーマネジメントやマインドフルネス瞑想の説明・実践方法については、こちらの関連記事も是非ご覧ください。