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『完璧主義』をやめたい・しんどい|治し方や特徴、診断方法を解説!

女性が頭を抱えている様子

「なんでも一番じゃないと気が済まない」

「もっといい答えがあるはずだ」

「漫画やゲームは、途中で飽きても全シリーズ集めたくなってしまう」

こういった考えや思いの背景には、「完璧主義」が潜んでいると考えられます。「完璧主義」は、それ自体は「いいもの」でも「わるいもの」でもありません。

「より良いものを作りたい」と動機づけられれば、それは更なるクリエイティブにつながるでしょう。「この程度の完成度ではダメだ」と感じ続ければ、仕事は一向に前に進みません。「完璧主義」を活かすも殺すも使い方次第なのです。

この記事では、『そもそも完璧主義とは何なのか?』『完璧主義の原因は何か?』『完璧主義をどうしたら活かせるのか?』などを解説していきます!

また、完璧主義の改善に効果的な『マインドフルネス』についても解説するのでぜひ参考にしてください!

『完璧主義』とは

「完璧主義」とは、不十分な部分がないように努力し、過度に厳しく高い目標を自他に課す考え方や性格を指します。

「100点じゃないと意味がない。100点以外は0点と同じ」といった発想で、些細なミスも許すことができません。

「ほどほど」とか「手を抜く」といった発想とは180度異なる考え方と言ってよさそうです。

『完璧主義』の診断方法

紙とペンが白いテーブルに置かれている

「完璧主義」そのものは異常なことでもないし、ましてや病気でもありません。そのため完璧主義を「診断」することはできません。

もしできるようなテストがあったとしても、「完璧主義」を一方的に悪者扱いするようなものであれば注意が必要です。

しかし、以下のような振る舞いが見られたら「完璧主義傾向が強い」と判断することはできます。

  • 一度始めたら何が何でも最後までやり通す
  • 何をするにしても常に高い目標を設定している
  • 「運よりも実力で人生は左右される」と考えがち
  • 仕事を他人に任せるのが苦手
  • 長所よりも欠点に目が行きがち
  • 「~するべき」「~ねばならない」といった考えがよく出てくる

『完璧主義』な人の特徴

人の脳と共感

具体的に「完璧主義な人」はどんな人なのか、その特徴を見ていきましょう。

コツコツ頑張っている

完璧主義な人は、地道にコツコツものごとを推し進めることができます。完璧を目指すがゆえに、綿密な計画を立て、そのプランを着実にこなすことを考えるからです。

しかし、少しでも計画が予定通りに進まないと混乱し、そこで歩みが止まってしまうこともあります。

仕事や勉強ができる

完璧主義な人はとても優秀な人が多いと言えます。常に自分に高い基準を設ける傾向があり、かつ、その基準に達しようとする動機が高いので結果的にパフォーマンスがよくなるからです。

ただ、完璧を目指すあまり準備に時間をかけすぎ、「実力を発揮すべき本番に間に合わない」といったこともしばしばあります。

プロ意識が強い

妥協を許さない完璧主義の人の姿勢は、プロ意識の強さの表れと捉えることもできます。

「適当にやればいいや」と思っているお医者さんと「必ず助ける」と思っているお医者さんとだったら、後者のお医者さんに手術をお願いしたくなりますよね。

とはいえ、そのプロ意識ゆえに一つのことに没頭し、周りが見えなくなり、孤立してしまうこともあります。本当なら他の人と協力し合った方がうまくいったかもしれないチャンスを逃すことになりかねません。

自信にあふれている

常にやれることをやり続けている完璧主義の人は自信にあふれています。誰にも負けていないといった自負がある人は魅力的に見えますね。

ただ、「俺(私)がこうって言ったらこうなんだ」との自信は、実は他人から「でも、ここはこうじゃないですか?」と不備を指摘されることがないようにとの防衛なのかもしれません。

完璧じゃない側面が露呈してしまうのを恐れているのです。

『完璧主義』になってしまう原因

ハートの形

では、完璧主義になってしまう原因はなんなのでしょうか。

ここでは「①環境的な原因」と「②その人個人の原因」の二つを挙げ、それぞれに対しての詳細を見ていきます。

なお、実際にはこの二つの原因が複雑に絡み合いながら完璧主義的な発想が生まれるのですが、ここではわかりやすさを優先して便宜的に二つを分けて記述することにします。

批判的な人が身近にいた【環境的な原因】

完璧ではないことに対して厳しく咎めてくる人が小さいころから身近にいると、完璧主義になる可能性が高いと言えます。これは環境的な原因の一つです。

例えば、小さいころにテストで90点をとったにもかかわらず「こんなんじゃダメじゃないか」「なんで100点じゃないんだ」と怒られたら、「100点じゃないと褒めてもらえない」と感じるでしょう。

そういった経験の積み重ねが「完璧じゃないと認められない」との発想につながり、完璧主義が形成されていくのです。

あり得ない経験をした【環境的な原因】

「まさかこんなミスをするとは!」という経験をすると、それを機に完璧主義になることもあります。これも環境的な原因の一つです。

例えば、ちょっと目を離したすきに子どもが道路に飛び出し車に接触しかけた場面をイメージしてみます。このような状況になったら、親であればたとえ大事に至らなかったとしても「自分が目を離さなければ」と強く後悔するに違いありません。

強い後悔は、「二度と同じような目に遭うものか」との切望を刺激します。その結果「絶対に危険な目に遭わせない」との思いから、一切外では子どもを遊ばせないといった過剰な行動制限をするなど、完璧主義な人になる可能性を高めるのです。

白黒思考が強い【その人個人の原因】

「白黒思考」が強いと完璧主義になりやすいです。これはその人個人の原因の一つです。

白黒思考とは、本当は白と黒の間には無数のグレーがあるはずなのに、それを無視してしまう考え方の癖のこと。テストの点は「100点」か「それ以外か」と考えるので、99点だろうが100点ではない限りそれは0点と同じ扱いになるんですね。

白黒思考があるゆえに、完璧主義な人は行動が極端になりがちです。例えば、部屋の掃除をするときはホコリ一つなく完璧にキレイにするか、もしくはその完璧な状態が目指せないなら一切掃除しないか、といった具合です。

白黒思考について詳しく知りたい方に向けた記事もありますので、是非チェックしてみてくださいね。『白黒思考』とは?原因や特徴、治し方を詳しく解説!

減点方式【その人個人の原因】

減点方式なものの見方も完璧主義に強く関係しています。これはその人個人の原因の一つです。

減点方式とは、「100点」「完璧な状態」を基準にして、何かのミスがあるとその100点や完璧な状態から遠のいていく捉え方です。どこかに「100点」や「完璧な状態」があるのだ、との前提があるのですね。

ちなみに、減点方式とは逆の発想が「加点方式」です。加点方式の人は、「やったらやった分、点数が加算される」と考えるので、必ずしも「100点」「完璧な状態」を前提としていません。

「積み上げた結果70点なら、それはそれで仕方がない」との発想です。

『完璧主義』の長所・メリット

男性がランプのマークの前で立っている様子

続いては完璧主義の『長所・メリット』と『短所・デメリット』を考えていきましょう。冒頭お伝えした通り、完璧主義を活かすも殺すも使い方次第なのです。

まずは長所・メリットを見ていきます。

仕事のクオリティが高い

当然のことながら「完璧を目指す」のが完璧主義の特徴ですから、仕事のクオリティが高くなることが長所・メリットと言えます。良くも悪くも妥協を許さないタイプの人が多いからです。

チラシのデザインの仕事であれば、フォントの違いやズレ、イベントの開催時期の間違い、表記の揺れ(注:「揺れ」とは「株式会社」と書いたり、「(株)」と書いたりと、表記が一貫していないこと)に敏感に気づけます。

向上心がある

完璧主義の長所・メリットとして「向上心がある」ことも忘れてはいけません。

完璧主義なので「もっとよい方法はないか?」「もっと上を目指すにはどうしたらいいんだ?」と考え続けることができます。

この希望を叶えようと必死で努力できるのは、完璧主義のお陰と言って差し支えないでしょう。

士気を高める

常に上を目指す姿勢は周囲にいる人たちに影響し、士気を高めることにも寄与するでしょう。

アメリカの起業家で作家でもあるジム・ローン氏の有名な言葉に「あなたの周りの5人の平均があなた」と言ったものがあります。自分の周囲に怠ける人が多ければ、自分も怠けるし、努力できる人が多ければ努力できるということです。

完璧主義の人の存在は、周囲にいい意味で発破をかけ、やる気の底上げにつながります。

『完璧主義』の短所・デメリット

ハートのオブジェクトが白いテーブルに置かれている

続いては、完璧主義の短所・デメリットを見ていきます。

先延ばししがち

完璧を目指すあまり先延ばししてしまうようになると、完璧主義の短所・デメリットが目立っていると判断できるでしょう。

「完璧にこなすにはあれが足りない、これが足りない」と、いつまでも準備に時間を割いていては何も始まりません。ときには完璧であることよりも、終わらせる方が価値のあることもありますよね。

一度終わらせることができれば後からでもいくらでも修正できますが、始めなければ修正すらできません。

いつも人の評価ばかり気にしてしまう

完璧主義の背景には「人から『この程度か』と思われたくない」などといった、他人からの評価を気にしている心理が潜んでいるものです。

人は一人で生きているわけではありませんから、ある程度人にどう思われているかを意識することは重要です。しかし、人の評価ばかりを気にして自分がしたいことができなくなってしまったら、とても生きづらいしストレスを抱えることになってしまいます。

ストレスがあると「より良いものを目指したい」といった完璧主義の長所・メリットの発現が阻害されかねません。人の目をあまり気にしすぎないようにしてくださいね。

自尊心が低くなる

完璧主義には自尊心が低くなる短所・デメリットもあります。

なぜなら、「完璧な状態=理想」であり、そんな「理想」から現実の自分を見たら常に自分は劣った存在に見えてしまうからです。

自尊心が低くなれば、何をするにしても「うまくいかないかもしれない」と不安を抱えざるを得なくなります。

自尊心が低くなる短所・デメリットもまた、人の評価が気にあること同様「より良いものを目指したい」といった完璧主義の長所・メリットの発現を阻害してしまうのです。理想をあえて「ほどほど」に設定することが、ときには大切になるのかもしれませんね。

自分の自尊心が低いのではないかと気になっている場合には、こちらの記事を読んで頂くのもおすすめです。自尊心とは?〜高め方、プライドや自己肯定感との関係を心理学から解説〜

チームワークが乱れる

チームで何かをする場合、一人の完璧主義がチームワークを乱すリスクもあります。完璧主義な人が本質的でない細部にこだわり続け、一向に話が前に進まない可能性があるからです。

とはいえ、例えチームワークが乱れたとしても、特定の個人やその人の特性を敵対視するのは問題です。大事なことなので繰り返しますが、完璧主義を活かすも殺すも使い方次第

チームの全体最適を目指すために、「どう完璧主義を活かすか」を考えることに頭と時間を割く方が建設的です。

『完璧主義』の治し方

ハートと明るい緑の背景

最後に、完璧主義の治し方を考えていきましょう。

「治し方」と言いましたが、より正確に表現するのなら「完璧主義の短所・デメリットの克服方法」と言えるものです。

是非参考になさってくださいね。

「自分がどうありたいか」を大切にする

完璧主義の背景には、「人からどう思われるか?」という不安があるものです。「こんな程度のことしかできないのか」「口で言うほど大したことないな」などと思われることが恐ろしいのですね。

だからこそ完璧な状態を目指して、嘘でも「この程度か」などと言われないように懸命に努力するのです。

でも、人からの評価ばかりを気にして、「自分は本当はどうしたかったんだっけ?」との気持ちを見失ってしまうと心が苦しくなります。相手の期待にばかり応えようとすることは、自分の人生を生きているのではなく、他人の人生を生きていることになるからです。

他人が自分をどう思うかはコントロール出来ません。「自分のことを完璧な人間だと思ってください」と言ったところで、自分をどう思うかを決めるのは完全に相手次第です。仮に一度「完璧な人間と思えばいいのですね」と受け入れてくれたとしても、二度目はないかもしれません。

でも、自分がどうしたいのかは自分で決めることができます。自分の気持ちは自分次第でいくらでもコントロール可能なのです。

他者評価を手放し、自分の気持ちを大切にする。このことが完璧主義の短所・デメリットの克服に繋がっていくはずです。

目的を思い出す

どうして完璧に成果を上げたいと思ったのでしたっけ?その目的を思い出すことができれば、完璧主義の短所・デメリットの克服に繋がります。

例えば部屋の掃除を考えてみます。ほとんどの場合、部屋を掃除する目的は、そこで快適に暮らしたいからですよね。「快適に暮らす」これが目的のはずです。

しかし「完璧な掃除」を目指そうと思ったら、その家で暮らすことが叶わなくなってしまいます。だって、人が生きていればホコリは舞うし、髪の毛も落ちるものですから。

掃除をする本当の目的が「快適に暮らす」にあるのなら、多少の汚れは「暮らしが成り立っている証拠」とみなせるはず。部屋を完璧に掃除しなくても、もうすでに「目的」は達成できているのかもしれません。

完璧主義に息苦しさを感じたら、「どうして完璧でいたいと思ったんだっけ?」と、その目的を思い出すようにしてみてくださいね。

自分を「道具」と考える

完璧を目指す対象は「自分」ではなく、あくまでも「成果」であると切り分けて考えることも、完璧主義の短所・デメリットの克服方法の一つです。そのためには、自分のことを「道具」と考えることが有効です。

人間に完璧な人はいません。どれだけ注意をしても間違えるときは間違えるし、いくら集中したいと思っても睡魔に襲われることだってあります。

「もう少し続けたい」と思っても疲れてそれどころではなくなることだってあるのです。人間である自分が完璧になることなど不可能ですよね。

ですが、完璧主義が強いと「もっとやれるはずだ」「この程度で止めるなんて甘えている」と感じてしまいやすいのです。だから、限界を迎えても自分を酷使し続けてしまいます。

しかし、この状態は手入れをしていないボロボロのグローブで野球をしているようなもの。良いプレーをするには、道具の手入れは必須です。

完璧な成果を目指したいなら、その「道具」である自分を適度にサボらせることでメンテナンスしてくださいね。

加点方式を採用する

完璧主義の短所・デメリットを克服するには「加点方式」を採用するのも大事になります。

これは先ほどの「自分を『道具』と考える」を補足する考え方になります。いくら「自分ではなく成果に対して完璧主義を」と言っても、成果もやはり完璧など存在しないのです。常に100点満点が取れるわけありませんよね。

でも、「完璧に近づけていく努力」ならできるかもしれません。そこで採用したいのが「加点方式」です。自分をしっかりとメンテナンスしつつ、そのときの自分ができるベストを尽くす。

そのときの自分が取れるベストな点数が仮に70点なのであれば、しっかりと70点をとる努力をするのです。

そして、頑張れそうなら次はそのベストを更新できるように努力して75点を目指す。こうやって「今できるベストをしっかりと尽くす」ことが加点方式に基づく完璧主義になります。

完璧主義を改善するには『マインドフルネス』も効果的 

女性が自然の中でマインドフルネス瞑想をしている様子

前項では完璧主義の治し方についてご説明しましたが、完璧主義を改善するには『マインドフルネス』も効果的です。

ここでは、「マインドフルネスとは何か」や「完璧主義の改善にマインドフルネスが効果的な理由」について詳しく解説していきます!

『マインドフルネス』とは?

マインドフルネスとは、「今この瞬間の出来事に意識を向け、評価や判断をせず、そのありのままに気づいているの状態」のことです。 

マインドフルネスを実践することで、集中力や客観視する力を養うことができます。また、思考や感情、不安やストレスなどから意識的に距離を置くことで心のコンディションを整える効果も期待できるのです。

継続して実践することによってその効果を実感しやすくなるでしょう。

マインドフルネスの意味や考え方についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください!

完璧主義に『マインドフルネス』が効果的な理由

私たち人間は、物事を冷静に上手くこなすことができる時もあれば、気を付けていてもミスをすることもあります。

常に完璧でいることが難しいのは当然です。心身のコンディションによっても、パ フォーマンスは変わります。 

完璧主義によって、「完璧でなければいけない」という思い込みがある場合、自己批判やマイナス思考、無価値感などによって、辛い気持ちを抱えてしまうかもしれません。 

そこでマインドフルネスによって「完璧ではない自分」も「脆さや弱さのある自分」もありのまま観察し向き合うことで、いろんな側面のある自分を理解し、受け入れるしなやかさや強さを育むことにもつながります。

そんな力がつくと、自分だけでなく、周りに対しても寛容な心で接することができ、人間関係も良好に保ちやすくなるんですね。

以下の記事では、初心者の方向けにさまざまなマインドフルネスのやり方をご紹介しているので、ぜひ日常にマインドフルネスを取り入れてみてくださいね!

完璧主義|まとめ

晴天に花が咲いている様子

「完璧主義」はネガティブな印象で語られることが多いですが、決してそんなことはありません。

メリットもあればデメリットもあります。要は使い方次第なのです。完璧主義が強いからといって自分を卑下する必要は一切ありませんから安心してくださいね。

この記事が完璧主義のメリットを更に活かし、デメリットを補うものになっていれば幸いです。

また、完璧主義を改善するにはマインドフルネスが効果的という内容もお伝えしました。

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