『過緊張』の症状とは?なりやすい人の特徴や原因、対処法を解説!
『練習ではうまくいっていたことが本番では全然うまくいかない』
『聴衆がいると手元に原稿があっても全然読めなくなる』
『人前に立つと頭が真っ白になる』
こういった経験をされた方もいらっしゃるかもしれません。このような、緊張しすぎてしまって思うようなふるまいができないことを「過緊張」といいます。一般的に「あがり」と呼ばれるものです。
この記事では、過緊張の原因やその対処法などを詳しく解説していきます!
過緊張とは?
過緊張とは、過度な緊張によってパフォーマンスが低下することを言います。いわゆる「あがり」と呼ばれるものです。
人生上の大事な局面であればあるほど過緊張は生じやすく、その失敗の影響は計り知れません。そのため、過緊張に悩む人も多いのではないでしょうか。
しかし、過緊張の厄介なところは、「何とか落ち着かなければ」と思うほど緊張感が増す点にあります。「落ち着こう落ち着こう」と気持ちばかりが焦ってしまうからです。焦りは緊張を強くしてしまう要因になるのですね。
過緊張の原因とは?
過緊張を防ぐには、まずその原因を特定することが先決です。
そこで過緊張になる代表的な原因についてみていきます。
身体がこわばっているから
身体がこわばり硬くなっていると緊張感が増悪されてしまいます。「緊張」というと、心の問題のように思われるかもしれませんね。
ですが、実は「緊張」には身体もかなり関係してくるのです。身体のこわばりは心の緊張を生み、心の緊張は身体のこわばりを生むからです。心と身体が相互に影響し合うことを「精神相互作用」と呼びます。
過去に大きな失敗をしたから
過去に失敗をして恥をかいた経験があると、過緊張になるリスクを高めることが知られています。
奈良学園大学の辻井氏と大西氏の論文によれば、人前で歌ったり演奏する際に「あがりやすい」と答える人のほとんどは「皆の前で失敗をした」「恥をかいた」といった経験をしていたとのことです。
参考文献・論文:辻井 直幸・大西 雅博(2019)演奏の妨げとなる過緊張(あがり)の軽減について~進んで発表する機会を増やし自信の獲得を支援する活動を通して~ 奈良学園大学紀要 10巻 pp. 99 – 108.
緊張感を取り除こうとしているから
「緊張してはいけない」と、緊張を取り除こうとするとかえって緊張感は強くなってしまいます。「そんなばかな」と思うかもしれませんね。
ですが、人は「○○してはいけない」と思えば思うほど、そのことを考えたり、感じたりしてしまう性質があります。
「○○してはいけない」と考えている時点で、すでに「○○」について考えてしまっているからです。「緊張してはいけない」と考えると、頭の中に「緊張」の二文字が浮かぶため、緊張感が高まるというわけなんですね。
過緊張になりやすい人の特徴
「緊張」は誰しもが感じることのある感情です。でも緊張しにくい人もいれば、ちょっとしたことで強い緊張感を感じる人もいます。
過緊張になりやすい人には、何か特徴があるのでしょうか。
オンオフの切り替えが苦手
過緊張になりやすい人はオンオフの切り替えが苦手である傾向があります。仕事などのオンのときの緊張感が、本来オフの場であるはずの家に帰ってからも持続し、身体がこわばってしまうのです。
あるいはずっと仕事のミスを引きずってしまい、そのことが緊張感を持続させる要因になることもあります。肩や首のこりが強い人はそれだけ身体がこわばっているということですから、注意が必要かもしれません。
完璧主義
「ミスをしてはいけない」などと完璧主義に考える傾向があると過緊張になりやすいでしょう。
完璧であるためには、常に気を張っている必要がありますが、この状態が慢性的な緊張を生じさせるからです。
完璧主義の治し方については、こちらの記事で詳しく解説しているのでいるのでぜひご覧下さい!
自信が失われている
自信が失われてしまっている人は過緊張になりやすいと言えます。
失敗や恥をかいた経験があると過緊張しやすいことは先述した通りですが、自信がないと「また失敗するんじゃないか」「恥をかくに決まっている」と思い込みがちだからです。
過緊張の対処法・治し方
過緊張になると、思うようなパフォーマンスを出すことができません。せっかくこれまで一生懸命努力してきたのに、本番に本領を発揮できなかったらもったいないし悔しいですよね。
そんなことにならないように、どうしたら過緊張を緩和していけるのか。その対処法・治し方をみていきましょう!
身体をリラックスさせる
身体をリラックスさせることが、過緊張を防ぐのに有効です。身体と心は密接な関係があるため、身体のこわばりが軽減すれば心の緊張もそれに伴って少なくなっていくからです。
そのため緊張しそうな場面になったら深呼吸をして酸素を身体に巡らせたり、軽い柔軟などをするとよいでしょう。
ルーティンを取り入れる
ルーティンを取り入れるのもオススメです。
ルーティンとは、決まって行う儀式的な振る舞いのことを言います。いつも決まった動きをしてからバッターボックスに入る野球選手を見たことがあるかもしれませんが、その選手が行っている動きこそルーティンとして知られているものです。
なぜこのようなルーティンをわざわざ行うかというと、「いざ」というときにも平常心を取り戻すことができるからです。普段からルーティンを取り入れておくと、本番環境のような場面でも、ルーティンを行うことで落ち着いてことに当たれるようになるかもしれません。
参考文献・論文:坂入洋右(2011)心身の過緊張の調整に有効なカウンセリング技法 バイオメカニズム学会誌,Vol. 35, No. 3 pp.181-185.
緊張することの意味を考える
そもそもどうして緊張するのか?その肯定的な意味を考え、受け入れることも過緊張を克服する上で有効な方法となってきます。
想像して欲しいのですが、もしジェットコースターに乗っても全く緊張しなかったらどうなるでしょうか。きっと急激な落下速度に身体が耐えられず、首や肩を痛めてしまうことでしょう。
このように考えると、緊張は「危険に備える必要がある」といったメッセージを伝えてくれるものとみることができます。であるならば、緊張は私たちの「味方」なのではないでしょうか。
味方なのであれば、いたずらに跳ねのける必要はなさそうです。そういえば、緊張を取り除こうとするとかえって緊張感は強くなってしまうのでしたね。
取り除こうとするのではなく「リスクがあることを教えてくれてありがとう。でも今はそんなに危険じゃないよ」と緊張と一緒に過ごすことができれば、やがて緊張は落ち着いていくはずです。
過緊張を緩和するにはマインドフルネスもおすすめ
過緊張を緩和するためにはマインドフルネスもおすすめです。
マインドフルネスとは、「今この瞬間」に意識を向け、事実をありのままに受けとるもの。
マインドフルネスによって、自分を客観的に見つめることで、緊張から距離をおくことができるんですね。
呼吸瞑想や歩行瞑想、温かい飲み物をマインドフルに味わう、心臓の鼓動の音をただ聞くなど、自分がやりやすく続けやすい物を選んで実践してみましょう。
以下の記事では、さまざまなマインドフルネスのやり方について紹介しているので、自分に合った瞑想法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
過緊張|まとめ
この記事では、過緊張の原因やその対処法などについてご紹介しました。
過緊張になると、仕事などの大事な場面で思うようにパフォーマンスが出せなくなってしまいます。
そうならないためにも、この記事で紹介した過緊張の原因や対処法を参考にして、対策しておくことをおすすめします。
また、過緊張を緩和するためには「マインドフルネス」も効果的という内容もお伝えしました。
当社MELONでは「MELON オンライン」というオンライン・マインドフルネスサービスを提供しています。
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