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学校でのマインドフルネス|事例や子供のメンタルヘルスの実態を解説

マインドフルネスには、ストレス軽減や集中力向上などさまざまな効果があります。そんなマインドフルネスは、近年学校でも取り入れられ始めています。SNSやいじめによる問題、コロナの感染拡大による心理的影響。こういった子供の問題に、マインドフルネスが効果的といわれているのです。

この記事では、学校でのマインドフルネス実施の事例とともに、現代の日本の小中学生におけるメンタルヘルスの実態などを解説します。また、当社MELONが実施している全国の小学生向けのマインドフルネス・プログラムについても解説するので、ぜひご確認ください。(マインドフルネス・プログラムの申し込みはこちら

「そもそもマインドフルネスって何?」と思った方は、以下の記事を参考にしてください。

イギリスの学校でのマインドフルネス実施例

2019年2月、ニューヨークタイムズにマインドフルネスに関する記事が掲載されました。内容は、「マインドフルネスを含むメンタルヘルスを向上させる取り組み」がイギリスの370の学校で実験的に行われるというものです。

具体的には、子供向けに「マインドフルネス瞑想」「リラクゼーション法」「呼吸法」などを授業の一環として教えます。そして、どの方法で効果が見られるかを調査する取り組みです。

取り組みの背景

この政策の背景には、イギリスの5歳〜19歳までの青少年のうち、8人に1人が何らかの精神的な不調を抱えているという事実があります。また、その数字は、過去10年で増加傾向にあるのです。

「Action for Children」という慈善団体の代表者によると、現在の状況は「子供の精神的健康の危機(children’s mental health crisis)」と言われています。子供は、学校でのプレッシャーやいじめ、家庭問題、SNSへの依存など、複雑化する世界への向き合い方に悩みを抱えているのです。そのような子供が増加していることが、この政策の実施される背景となっています。

日本の小中学生におけるメンタルヘルスの実態

鉛筆で紙に何かを書いている様子

上記ではイギリスの子供の状況について紹介しましたが、日本でも状況は似通っています。

ここでは、日本の子供の不登校生徒数や自殺者数について解説します。

小中学校での不登校生徒数は増加している

小中学校の不登校生徒数が文部科学省によって発表されています。令和2年度における不登校生徒数は196,127人で、前年度から14,855人も増加しています。

出典:文部科学省

子供の数自体は減少傾向にあるため、不登校生徒数が全生徒を占める割合は前年度以前よりも大きく増加していることになるのです。

この理由については専門家の間でも意見が割れており「複合要因」という言葉で片付けられてしまうこともあります。しかし、何らかの精神的不調を一定割合の子供が感じており、その割合が増加している可能性はありそうです。日本でもSNSやいじめによる問題は日々ニュースになっており、この原因究明と予防は喫緊の課題となっています。

新型コロナの影響により自殺者数も2倍以上に

厚生労働省の調査によると、令和2年における児童生徒の自殺者数は479人で、前年度から100人以上増加しています。

出典:厚生労働省

新型コロナの感染拡大と長期化により、子供たちへの心理的な影響が危惧されているのです。そのため、積極的に子供たちの心をケアしていくことが社会的な課題になりつつあります。

MELONによるマインドフルネス・プログラム|全国複数の小学校に導入

学校の机と椅子が並んでいる写真

そんな状況の中、子供たちがストレスとうまく付き合っていけるように、当社MELONは「子供向けの動画マインドフルネス・プログラム」を開発。実際に、全国複数の小学校へ無償提供しました。

2ヶ月のプログラム実践により、ストレス解消の効果が有される可能性が示唆される結果が出ています。ここでは、プログラムの詳細について紹介します。

マインドフルネス・プログラムの申し込みはこちら

マインドフルネス・プログラムの実施内容

本プログラムは、マインドフルネスの効果の検討を目的として、2グループに分けて実施されました。第1グループは1学期(5月24日〜7月17日)第2グループは2学期(9月27日〜11月20日)を実施期間とし、各期間で小学校向けのマインドフルネス・プログラムを実施。各グループには、実施前後に効果測定の質問票に回答してもらっています。

※ 本検証は、NPO法人「共育の杜」の協力を得て実現しました。

マインドフルネス・プログラムの内容

MELONが開発した、1回10分ほどのマインドフルネスの動画プログラム。それを、8週間にわたり各小学校で視聴・実践してもらっています。小学校向けの「呼吸を観察するマインドフルネス」から「体を動かすマインドフルネス」まで、さまざまな種類のマインドフルネス・プログラムを実施しました。

マインドフルネス・プログラムの検証結果

2ヶ月のマインドフルネス実践による子供のストレス軽減効果
MELON、全国の小学校にマインドフルネス・プログラムを導入し、明確なストレス解消の効果を確認。

本プロジェクトの検証により、2ヶ月間マインドフルネス瞑想を継続することで、子どもにおけるストレス解消の効果を有する可能性が統計的に確認されました。また、全体の約71%の子どもには、ストレス反応の改善効果が確認されています。

ストレス度を測る調査は、小学生のマインドフルネス実践介入前後に、複数の研究論文を参考に構成したアンケートに回答してもらう形で実施。以下の4件法を用いて回答を集め、結果を比較検討しました。

  • 4:よくあてはまる
  • 3:少しあてはまる
  • 2:あまりあてはまらない
  • 1:全然あてはまらない

「リラクセーション感」「ストレス反応」などの尺度ごとに介入前後のデータを収集し検証。それぞれに対応するt検定 (介⼊前後のデータに有意な差があるかを判別する検定。両側検定、有意水準 5%) を実施し、統計的に有意な差があるか検討しました。

学校でのマインドフルネス|まとめ

この記事では、「学校でのマインドフルネス実施の事例」「現代の日本の小中学生におけるメンタルヘルスの実態」「MELONのマインドフルネス・プログラム」について解説しました。

筆者の勉強不足かもしれないですが、今までは精神的な不調を訴える子供に対して具体的な解決策を学校で教えているという事実は聞いたことがありません。もしかしたら学校側では、「家庭で解決すべきこと」と捉えているのかもしれません。

しかし、当社MELONのマインドフルネス・プログラムによって「ストレス解消」や「ストレス反応の改善」などの効果が有される可能性が確認されました。

今後の取り組みによって、一定の効果が認められれば、日本の教育機関や家庭でも積極的にマインドフルネスが取り入れられることが期待されます。

また、マインドフルネス瞑想は自宅でも簡単にできます。以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひやってみてはいかがでしょうか。


マインドフルネス・プログラムの参加をご検討されている学校関係者様は、以下のフォームから「お問い合わせ・お申し込み」ができます。(営利目的や2次利用など、小学校での利用目的以外の利用は固くお断りいたします。)