ブログ

『共感力』を高める方法とは?高い人の特徴や高めるメリットも紹介!

ハイタッチをしている女性

「あなたの話は正論なんだけど、言われた人の気持ちも考えて欲しい」

「ドラマを観ていても、登場人物がなんであんな行動をしたのか理解できない」


もし以上のようなことがあれば、それは「共感力」に問題があるのかもしれません。

共感力が高いと良好な対人関係を築きやすくなることから、恋愛だけではなく、仕事を円滑にこなす力になるとして、近年注目を集めています。

この記事では、共感力について解説し、共感力の具体的な高め方についてもご紹介していきたいと思います。

共感力とは

女性が胸に手を当てている様子

「共感力」とは、「相手の立場に立って、相手の感情に寄り添う力」を意味します。

共感力を発揮するには、その土台となる「共感」が出来ている必要があるわけですが、共感には大きく「認知的共感」と「情動的共感」の2種類があります。

認知的共感

「認知的共感」とは、相手の立場を理解しようと努めることを指します。相手の立場を理解しようと努める際に注意しなければならないことは、「あたかも」の姿勢を崩さないことです。「相手と同じ立場になって考える」のではなく、「あたかも相手と同じ立場になったかのように考える」ということです。

なぜこの「あたかも」の姿勢が重要かというと、「他者と100%立場を共有できる人はこの世には存在しない」といった厳然たる事実のためです。仮に一卵性双生児(双子)であっても、100%同じ体験をすることはできません。ましてや他人であればなおさらです。

にもかかわらず「相手を完全に理解しよう」と気を張ると、つい「わかったつもり」になってしまい「共感」からどんどん遠ざかってしまうのです。「あたかも」の姿勢を忘れず、「100%は理解できないからこそ、わかろうと努力する」ことが「認知的共感」のためにはとても大事なのです。

情動的共感

続いて「情動的共感」についてです。「情動的共感」とは、「他者と同じ感情になること」を指します。一般に言われる「共感」はこちらの「情動的共感」をイメージする方が多いかもしれませんね。

相手が嬉しそうならこちらも嬉しくなり、相手が悲しそうならこちらも悲しくなるのが情動的共感です。

情動的共感ができればおのずと相手の求めていることがわかるようになります。「自分が悲しいときにはなぐさめて欲しい」と気づければ、悲しんでいる相手に対してなぐさめる行動がとれるかもしれません。

ただ注意しなければならないのは、「仮説」という視点です。当たり前のことですが、他人である相手の感情を、デジタルデータをコピーするような感じで全く同じには把握することはできません。誰かの感情はその誰かのものであり、決して共有することはできないのです。

ですから、いくらこちらが「情動的共感ができている」と思っても、相手が自分とまったく同じ感情を感じているとは限りません。いやむしろ、まったく同じ感情を抱いていることの方が稀なはずです。ゆえに「自分はこう感じている。おそらく相手もこう感じているだろう」といった「仮説」の姿勢を崩さないことがとても大事になります。

この「仮説」は、相手に確認して初めて「真実」になります。「私は○○と感じたのだけど、あなたは?」と確認して「そうです」「私もです」と言ってもらえて初めて「共感できていた」と判明します。くれぐれも共感は一人でできるものではないのだということを心にとどめておくことが重要です。

共感力が高い人の特徴

共感力が高い人の特徴を見ていきましょう。共感力が高い人は、どのようなことができるのでしょうか。

人づきあいが上手

共感力の高い人は、人間に対する興味関心が強い傾向があります。「相手は何を考え、何を感じているのか理解したい」といった知的好奇心が強いためです。

しかも、ただ知的好奇心を満たし、相手のことを分析することだけが目的ではなく、相手を思いやりたい気持ちも強いものです。

人は一生懸命自分を理解しようとしてくれる人に好意を抱きます。従って、共感力が高い人には人が集まりやすく、良好な関係を築くのが上手であることが多いのです。

聴き上手

共感力が高い人は聴き上手な特徴もあります。「聞く」ではなく「聴く」となっているのがポイントです。

「聞く」とはただ情報が耳に入っているだけの状態を指します。それ以上の意図をもって相手の話を受け付けていないので、つい相手の話を元に自分のことを考えてしまうことが起きえます。例えば「いや、それは違うと思う」「自分だったらそんなことをしない」などと考え始めるのです。

その点、共感力の高い人は相手の話を「聴く」ことができます。「聴く」とは積極的に相手の話を理解しようと努めながら相手の話を受け入れるスタンスです。

そのため、相手の話から自分の考えを連想するのではなく「この人はこういう考えの人なんだ」「この人はどうしてこういう行動をとったのだろう?」と、あくまでも話の主人公を「相手」に設定し続けることができるのです。

観察力がある

共感力の高い人は、観察力も高い傾向にあります。認知的・情動的に相手に共感を示そうと思ったら、相手の話の内容だけではなく、相手の表情、姿勢、息遣い、声色、目線など、あらゆる情報を複合的に把握する必要があるからです。

例えば、「すごく楽しい」と言っているにもかかわらず、棒読みだったり目が笑っていなければ「つまらないのかもしれないな」と感じ取るのが共感力の高さの表れとなるでしょう。

共感力がないデメリット

ハートのオブジェクトが白いテーブルに置かれている

以上のような特徴は人間関係を円滑にするのにとても重要です。逆に言えば、共感力がないことで苦労することが多々あるということです。

共感力の欠如はどのようなデメリットをもたらすのでしょうか。次にその点について考えてみましょう。

仕事で人をまとめる立場に立てない

共感力が低いと、リーダーのような人をまとめるポジションにつくのは難しいと言えそうです。共感力の低い人の周りには人が集まってくることはありません。自分のことを理解してくれようともしない人とは、積極的に関わりたいとは思えないからです。

何か仕事をしようとして自分一人できることはたかが知れています。仕事を高いレベルでこなすには、必ず自分以外の誰かと協力し合うことが必要なのです。

そんな人と人との関わりをマネジメントするのがリーダーの役割ですが、リーダー自身が人とのかかわりに問題を抱えていれば、マネジメントがうまく行くわけもありません。従って、共感力が低い人がリーダーに選ばれることは限りなく少ないでしょう。

仮に何かの間違いで選ばれてしまったとしても、そのチームは仕事を円滑に進めることはできないと思います。遅かれ早かれリーダーの立場を退くことになるのではないでしょうか。

文学作品を楽しめない

共感力が低いと、いわゆる「行間を読む」ができません。そのため、小説や映画などの登場人物の心の機微が理解できず、ストーリーの展開を理解できないのです。どんなに不朽の名作と呼ばれるような作品にも対しても、感動することは難しいでしょう。

文学作品が楽しめないとしても、それほど大きなデメリットには感じないかもしれません。確かに、流行りものの作品に乗っかることができなくても、人生に大きな支障をきたすことはないでしょう。

しかし、「同じ作品を楽しむ人同士」の輪に入れないことは、人生から色どりを取り除くのに十分な影響力があります。みんなが楽しんでいる輪の中に入り込めないことは孤独感を強くさせます。共感力が低いことのデメリットとして、かなり大きなものになるのではないでしょうか。

共感力を身につけるメリット

人は何かしらの形で必ず誰かと共同しながら生きています。だからこそ、人と人とを結びつける共感力が低いとそのマイナスの影響力ははかり知れません。共感力を培えれば非常に大きな恩恵にあずかれるということです。

共感力を身につけるとどのようなメリットが得られるのでしょうか。そのことについても具体的に見ていきましょう。

信頼されるようになる

共感力を身につけるメリットの第一は、「信頼されるようになる」でしょう。話している相手が「この人、自分のことをよくわかってくれるな」と評価してくれたなら、その分あなたへの相手の信頼感が高まった証拠です。人は自分をよく理解してくれる人に好意を抱く傾向があります。

信頼されればその分相手と良好な関係が築けるようになります。困ったときに助けてくれるかもしれませんし、誤解を受けにくくなるかもしれません。

ただ、順番を倒錯させてしまっては全く意味がありませんのでその点は注意が必要です。つまり、「信頼されたいから共感する」のではなく、「共感に努めていたら、結果的に信頼されるようになった」が正しい順番であり、その逆はあり得ないということです。

信頼されることが目的になっていれば、本当の共感などできるはずもありません。共感とは、あくまでも「相手を理解したい」という相手を立てる心の在り方であり、「自分が信頼されたい」といった自分本位のスタンスからは決して生じないのです。

頭がよくなる

共感力を身につけるメリットとして、「頭がよくなる」も挙げることができるでしょう。共感力が身につけば、ありとあらゆることに「どうして?」との疑問を抱くことができ、自分のそれまでの価値観とは異なる知識をどんどんインプットすることができるようになるからです。

共感力が低いと「それはおかしい」「そんなことはあり得ない」と、相手の話を拒絶してしまいます。そうすると、自分にとって新しい情報が入ってきません。ずっと自分の思いこみの世界で生き続けることになります。そのような生き方はもったいないですよね。

共感力を身につけて、「どうして相手はそう考えるのかな?」と、自分と異なる考え方や情報に好奇心を持って触れていくことができれば、自分の価値観をどんどんアップグレードさせていくことも夢ではありません。

共感力を高める方法

ハートと明るい緑の背景

それでは共感力の高め方についても見ていきましょう。ただ、「共感」はプロのカウンセラーにとってもとても難しいスキルです。

ここでは共感力を鍛えるために誰にでもできる簡単な方法について解説していきます。

相づちのバリエーションを増やす

最も簡単な方法は「相づちの種類を増やす」ことです。

普段会話するときに、相づちのことを意識している人は少ないのではないでしょうか。しかし、相づちは相手に「あなたの話をしっかりと聞いていますよ」とのメッセージを伝えるのに非常に効果的な動作なのです。

もしあなたに親しい人がいたら「まったく身体を動かさないで自分の話を聞く実験をして欲しい」とお願いしてみてください。きっと相手が相づちをしてくれないだけで、随分と話しにくい印象を抱くはずです。

『トップ5%リーダーの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)に、こんな面白いデータが載っていました。曰く、普通のリーダーは相づちの種類(「はい」「なるほど」など)が平均2.5パターンしかなかった一方、優秀だと評価されるリーダーは平均5.2パターンの相づちの種類を持っていたのです。

人は相づちをしっかりと打ってくれる人と話すと「ちゃんと聞いてくれている」「理解しようと努めてくれている」と安心するものです。相づちの種類を意識的に増やし、随時適切な相づちを打つことで共感力は高まっていきます。

オウム返しをする

二つ目の共感力を高める方法は「オウム返しをする」です。相手の言葉を繰り返すのです。

もちろん、全てに対してオウム返しをするのは良くありません。

「とても疲れてしまって」

「とても疲れたのですね」

「それなのに、家族は全く私を気にかけてくれないんです」

「ご家族は気にかけてくれなかったんですね」


このようなやり取りが続けば、いずれ話す気持ちはそがれていってしまうでしょう。「理解してくれた」とは微塵も思いません。

オウム返しする際は、①相手の言葉の中の気になったところを繰り返す、②別の表現に変えて伝え返すことが有効です。

「昨日ディズニーランドに行ってきたんです」

「ディズニーランドですか」(気になったところをオウム返し)

「そうなんです。ずっと楽しみにしてたから、本当に行けてよかったです」

「待ちわびた甲斐がありましたね!」(別の表現でオウム返し)


このようなオウム返しはしっかりと相手の話を「聴いて」いなければ行うことはできません。是非オウム返しすることを意識して相手の話に耳を傾けてみてください。

「なぜ」以外の質問をする

そして最後に共感力を高める方法として「質問」についてもお伝えしたいと思います。特に「『なぜ』以外の質問をする」についてです。

最初にお伝えした通り、「共感力」とは、「相手の立場に立って、相手の感情に寄り添う力」を意味する言葉です。しかし自分と相手とは、100%同じようにものごとを体験できるはずはありません。ですから、「共感」は常に「あたかも」の姿勢から「仮説」を立てることがスタートにならざるを得ません。つまり「わからない」がたくさんあるのです。

この「わからない」は、相手に確認してクリアにしていくしかありません。確かめるにはこちらから相手に質問をする必要があります。ですから、「共感」には「質問」が必然的に伴うのです。

ここで注意しなければならないことがあります。それは何でもかんでも質問すればいいということではなく、「なぜ」の形式の質問は極力避けるということです。「なぜ○○なの?」という質問は、質問というより「詰問」である印象を相手に抱かせやすいからです。

詰問はどのようなときに行われやすいかを考えてみてください。多くの場合、相手に不信感を抱いているときではないでしょうか。「なんでこんなことをしたんだ?(信じられない)」という気持ちです。信じていないので、相手がそれに回答したとしても納得ができないこともしばしばです。

「なぜお父さん(お母さん)が言った通り、いい子にしていられなかったの?」

「ごめんなさい」

「謝って済む問題じゃないでしょう!」


といった具合です。

「なぜ」の質問は、こちらにその意図がなかったとしても、「責められている」かの感じをどうしても相手に抱かせてしまいます。

でも、相手を理解するために、気になることは聴きたい…。それを解決するために「なぜ(Why)以外」を使った質問をするのです。

例えば「なぜそんなことしたの?」と質問する代わりに「どういう事情があってそうしたの?(How)」や「何か理由があってのこと?(What)」というような言い方です。このような言い方であれば、相手は責められていると感じにくく、「理解してくれようとしている」と感じてくれやすくなるでしょう。

共感力|まとめ

晴天に花が咲いている様子

この記事では、共感力が高い人の特徴や共感力の高め方などについてご紹介しました。

共感力が高いとさまざまなメリットがあり、逆に言えば共感力が低いと日常で苦労することが多々あるということです。

ぜひこの記事を参考にして、共感力を高める方法を試してみてはいかがでしょうか。

MELON ONLINE 無料体験 バナー リンク