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うつ病で休職する従業員を出さないために企業が実施したい対策とは

うつ病 休職

長時間労働、職場の人間関係、またコロナ禍で進んだテレワーク環境になじめず、うつ病と診断される従業員が増加しています。うつ病による長期休職、さらに離職となってしまえば企業が被る損失は計り知れません。

本記事では、うつ病で休職する従業員への対応、その対応にかかるコスト、従業員のうつ病を未然に防ぐ対策として注目されているマインドフルネスをご紹介します。

うつ病で休職する従業員への対応

困っている女性

うつ病で休職する従業員は増加傾向

うつ病を患い休職する従業員が増えています。厚生労働省の平成29年度「患者調査」によると、気分(感情)障害(躁うつ病を含む)が120万人を超えています。

出展:厚生労働省

過去12か月間のうつ病経験者のうち、7割強の人は医療機関に相談していないことが調査で明らかになっています。また、うつ病を患っているものの、自分自身では気づいていない潜在的な予備軍が相当数存在する可能性があります。

出展:世界精神保健調査日本調査の分析

うつ病で休職する際の企業の対応

従業員の体調の変化や普段とは違う様子を感じたら、医療機関への受診を促しましょう。

医師からうつ病と診断され休職が確定した際は、休職に関する就業規則を説明する必要があります。特に確認しておきたい5項目が以下です。

  1. 休職期間:医師による診断と本人の希望を確認します。
  2. 休職中の給与:休職中は企業の支払い義務はありませんが、就業規則に支給の記載があれば説明します。
  3. 社会保険:休職中でも社会保険の支払いが義務付けられています。
  4. 傷病手当金支給:病気やケガなどで働けなくなった場合に保険から支給されます。
  5. 休職中のサポート:本人任せにするのではなく、企業側から定期的に連絡することが肝心です。電話やメールなど連絡手段を確認します。

うつ病で休職した場合に企業に与える影響

仕事の打ち合わせ 損失算出

プレゼンティーイズム・アブセンティーイズムが企業に与える損失

ストレス社会の現代では、うつ病による「アブセンティーイズム」と「プレゼンティーイズム」の損失が問題となっています。

「アブセンティーイズム」とは、病気などにより休職や欠勤など業務につけない状態で、「プレゼンティーイズム」とは、出勤しているものの体調不良などにより生産性が低下している状態のことを言います。

東京大学政策ビジョン研究センターが調査した健康関連総コストでは、プレゼンティーイズムによる損失コストの割合が77.9%という結果が出ています。

従業員の健康に関するコストと考えられている医療費や傷病手当金、労災給付金などを含むアブセンティーイズムよりも、プレゼンティーイズムによる損失が大きな割合を占めているのです

出展:健康経営評価指標の策定:活用事業成果報告書(P29)

休職した従業員の年収の3倍以上の損失

従業員がうつ病など精神疾患を患って休職した場合、休職中の休業手当や既存社員の残業代などを合わせると、休職した従業員の年収のおよそ3倍以上もの損失が出ることが経産省の調べで明らかになっています。

詳しい数値に関しては以下の記事をご覧ください。

自社における生産性損失額はどれくらいになるのか、業種、従業員規模、平均年収を入力するだけで平均的な年間プレゼンティーズム損失額をシミュレーションすることもできます。

>> 健康経営のための生産性損失額シミュレーション
例)従業員数500名、平均年収420万円の情報通信業の場合 約9240万円

このようにプレゼンティーズムによる損失は、企業経営を脅かすといっても過言ではありません。円滑な事業運営をするためにも、企業にとって大切な従業員を守るためにもうつ病を未然に防ぐことが重要です。

そこで、精神的、身体的ストレスから脳がうまく働かなくなっている状態であるうつ病を未然に防ぐための対策のひとつとして注目されているのがマインドフルネスです。

脳と心に休息を与えるマインドフルネスとは

マインドフルネス 瞑想

うつ病は一日中気分が落ち込む、何をしても楽しめないといった精神症状とともに、睡眠障害、過度の疲労、食欲不振といった身体的症状が現れ、日常生活に大きな支障が生じます。

マインドフルネスとは「今、この瞬間」に意識を集中する心と脳の状態のことです。

うつ病を患っている人は自分が抱えているストレスについて考え続ける傾向があり、常にマインドレス(頭の中でぐるぐる考え続ける)状態が続き、脳が疲労しています。

「今、この瞬間」に意識を向け続けるトレーニングを継続することで、うつ病など気分障害の予防に効果があることが研究結果により証明されています

うつ病を未然に防ぐためにマインドフルネスが活用できる理由

開放的でマインドフルな女性

マインドフルな心と脳の状態を維持し続けると、以下の5つの効果が期待できます。

  • ストレスに対する回復力の向上
  • パフォーマンスの向上
  • 感情調整力の向上
  • 自己認識への変化
  • 睡眠の質の向上

マインドフルネスは脳や心の休息のためのセルフケアとして有効です。企業が経営戦略としてマインドフルネスを取り入れ、環境を整えることで、うつ病による休職を未然に防ぎ、さらに職場全体で取り組むことでコミュニケーション活性化にもつながることが期待されます

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法人向け基本プランの画像

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