法人

職場でのメンタルヘルス対策とは〜7つの行動、3つの予防、4つのケア〜

ヘルスケア対策, 心の健康

少子高齢化が進み、生産年齢人口の減少が続く中、従業員ひとりひとりが心も体も健康で生き生きと働き続けることが重要になってきています。

健康経営を推進するために企業が取り組まなければいけない喫緊の課題がメンタルヘルス(心の健康状態)対策です。

本記事では、メンタルヘルス対策を怠ることで企業・職場に与える影響、メンタルヘルス対策を行う上で知っておきたい基本、最後に従業員のストレス軽減に有効なマインドフルネスについて紹介します。

従業員のメンタルヘルス不調に気づいてますか?

強いストレス メンタルヘルスの不調

職場での人間関係や長時間労働、ハラスメント、またコロナ禍で普及が進んだリモートワークによるコミュニケーション不足など、強いストレスを感じる労働者が増えています。

本人がストレスに気づき対応するのが理想ですが、日々の仕事に追われ、メンタルヘルスの不調に気づかないというケースも多くみられます。

メンタルヘルス不調を未然に防ぐには、上司が部下の異変に気付く、また部下も上司を気にするなど同僚のいつもと違う異変に気付くことが重要です

たとえば、以下のような症状が見られたら、積極的に声をかけたり、早めに専門機関に相談するように促すことが肝心です。(メンタルヘルス不調のサイン)

  • 服装が乱れてきた
  • 感情の変化が激しくなった
  • 表情が暗くなった
  • 不満、トラブルが増えた
  • 遅刻や休みが増えた

出展:厚生労働省

メンタルヘルス不調に気づかず、ストレスを抱えたまま仕事を続けたら、どうなるでしょうか。長期休暇や離職となってしまえば企業・職場の被る損失は計り知れません。

メンタルヘルスの不調が企業業績に与える影響

休職 空席

メンタルヘルス不調が企業の業績に多大な影響を及ぼすことがデータで明らかにされています。ただ、休職や退職に至るケースは労働者全体でみると1~2%程度にしか過ぎません。問題はメンタルヘルスの不調を抱えていることに気づかずに、低い生産性で働いている従業員が存在することです。

その結果、部署内でフォローしあうことでストレスを抱える人が増え、職場全体の生産性が低下してしまいます。

出展:労働者の健康向上に必要な政策・施策の在り方

メンタルヘルス対策を怠ると、従業員の生産性低下、職場全体への影響、労働損失、コスト増だけでなく、企業イメージにも影響を与えます。

未然に防ぐためにも、企業が主体となって従業員のメンタルヘルスケア対策に取り組む必要があるのです

ここからはメンタルヘルス対策のために行うべき7つの行動、3つの予防、4つのケアをまとめてご紹介します。

心身の健康を良好にするための「7つの行動」

対策への取り組み 第一歩

メンタルヘルスを含む幅広い健康のための施策の第一歩として、まずは、経済産業省が推進する「健康経営オフィス」について理解するといいでしょう。

健康経営オフィスとは、従業員の健康保持・増進の取り組みが将来的に収益性を高める投資であるという考えのもと、従業員の健康管理を経営的な視点から考えて戦略的に取り組むことです。そのために7つの行動が提案されています。

従業員の健康を保持・増進する7つの行動をそれぞれ解説します。

①快適性を感じる

ここでいう快適性とは、姿勢(机と椅子の距離)、空気の質(温度調整や換気)、光・音・香り、パーソナルスペースの確保、などのことを指します。

これによって、運動器・感覚器官障害の予防や、メンタルヘルスの不調・改善、心身症の予防・改善という3つの健康増進効果が期待できます。

②コミュニケーションする

コミュニケーションは「話す」以外にも気軽に実践できます。あい例えば挨拶をする・笑う・感謝する・共同で作業をするということでも十分です。また、社内報などを通じて同僚の業務内容や会社の目標などを「知る」というのも大切な要素になります。

これによって、ンタルヘルスの不調・改善、心身症の予防・改善という2つの健康増進効果が期待できます。

③休憩・気分転換する

休憩や気分転換も、健康経営オフィスの実現に重要です。飲食・雑談・読書・音楽鑑賞など、自分自身が気分転換をしやすいことを行いましょう。職場の環境的に難しいという場合は、昼休みの時間をしっかりとるといった基本的な部分を徹底することも大切です。

これによって、運動器・感覚器官障害の予防や、メンタルヘルスの不調・改善、心身症の予防・改善という3つの健康増進効果が期待できます。

④体を動かす

特にオフィスワークの場合、勤務中に体を動かす機会はほとんどないと言っても過言ではありません。積極的に階段を利用したり、ストレッチや体操を取り入れることによって体を少しでも動かしましょう。また、バランスボール等の健康器具を利用することも効果的です。

これによって、運動器・感覚器官障害の予防や、生活習慣病の予防・改善といった2つの健康増進効果が期待できます。

⑤適切な食行動をとる

社内食堂がある場合には、提供するメニューをより健康的なものにしましょう。また、間食の摂り方にも注意が必要です。

これによって、生活習慣病の予防・改善という健康増進効果が期待できます。

⑥清潔にする

手洗いうがい、身の回りの掃除といった基本的な行動も、健康経営オフィス実現のポイントです。匂いや有害物質の関係から、分煙も進めた方がベターです。

これによって、感染症・アレルギーの予防・改善という健康増進効果が期待できます。

⑦健康意識を高める

社内に体重計や血圧計を設置することによって、健康意識を高めることができます。

これによって、運動器・感覚器官障害の予防や、メンタルヘルスの不調・改善、心身症の予防・改善、生活習慣病の予防・改善、感染症・アレルギーの予防・改善という5つの健康増進効果が期待できます。

出典:経済産業省 健康経営オフィスレポート

メンタルヘルス対策における「3つの予防」

会社員が話している様子

次に、メンタルヘルス対策の基本と言われる3つの予防についてご紹介します。3つの予防はメンタル不調者を「発生させない・早期に発見・適切に支援」というステップで構成されています。具体的には以下の通りです。

一次予防:未然に防止する取り組み

一次予防とは、ストレスが発生しないような職場環境を整えることを指します。例えば社内でストレスチェックを行ったり、ハラスメント窓口を設置したりすることが有効です。

二次予防:早期に発見し、適切な措置を行う取り組み

二次予防とは、メンタルヘルス不調者を早期発見し、その原因に応じた適切な対処をすることを指します。例えは部下のメンタル不調を見抜くためのマネージャー向け研修を実施したり、産業医によるカウンセリングに繋げたりすることがこれにあたります。

三次予防:メンタルヘルス不調となった労働者の職場復帰の支援等を行う取り組み

三次予防とは、実際にメンタル不調になってしまった従業員に対し、復帰に必要な働きかけを行うことを指します。これは一般的に復職支援などと呼ばれます。

出典:産業保健総合支援センター「産業保健21」第81号
   労働者健康安全機構 職場における心の健康づくり

メンタルヘルス対策における「4つのケア」

両手でハートを包んでいる様子

先ほどご紹介した3つの予防に取り組むと同時に注視したいのが4つのケアです。

①セルフケア:労働者自身による取り組み

セルフケアとは、従業員が自ら自分が抱えているストレスに気づき、それに対処することを指します。そして企業側もこれを支援し、適切な施策を行うことが求められます。

施策の例:ストレスチェックの受験・ストレスマネジメント講習の開催など

②ラインケア:管理監督者による取り組み

ラインケアとは、管理監督者が従業員に対して行うケアのことを指します。例えば従業員からの相談に対応したり、勤怠状況の把握に努めたりすることが求められます。

施策の例:職場復帰支援・職場環境改善計画の立案や効果測定など

③事業場内産業保健スタッフなどによるケア:産業医や衛生管理者、保健師などによる取り組み

事業場内産業保健スタッフなどによるケアとは、産業医や産業保健師などが、企業に対して行うケアのことを指します。具体的には医学的な視点も含めた指導や企業への提案などを行うことが求められます。

④事業場外資源によるケア:事業場外の機関・専門家による取り組み

事業場外資源によるケアとは、外部の専門家や相談機関を活用した企業のケアのことを指します。第三者の視点を入れることで、より効果的なケアを実現することができます。

マインドフルネスで始める心の健康経営

マインドフルネス 瞑想

マインドフルネスは、メンタルヘルス不調の最大の要因ストレスを解消するのに有効であると科学的な研究でわかってきています。

ストレスに対する回復力向上のほか、集中力、記憶力の仕事のパフォーマンス向上、不安や落ち込みなどに対処する感情調整力向上など、健康に生き生きと仕事をする上で必要なメンタルヘルス改善に効果があるといわれています。

ある研究では、マインドフルネスはストレス、うつ病、不安や苦痛を軽減し、健康な人の生活の質を改善するのに中程度の効果があることが確認されています。

マインドフルネスはストレス軽減のためのセルフケアとして有効なため、企業が経営戦略としてマインドフルネスを取り入れ、環境を整えれば、根本的な原因の改善につながり、またコミュニケーションの活性化にも役立ちます

今日からでも遅くありません。現状を把握し、どのように行動していくかの計画を立て、従業員が生き生きと働ける職場環境づくりをさっそく始めましょう。

ストレスケアサービス「MELONオンライン」法人定額プラン

法人向け基本プランの画像

医療機関にて復職リワークプログラムとして提供してきたノウハウを活かし、月額定額で従業員の方のストレスケアを行い、高ストレス者の対策、要注意者のメンタルケア予防、プレゼンティーイズムの改善に寄与します。(早稲田大学との研究で効果を実証

企業の中では高ストレス者に産業医やカウンセリングを紹介する対処療法的な対策が主となっていますが、産業医やカウンセリングが有効に活用されていないのが現状です。

そこで、MELONのプログラムをご提供することで、月額定額の低価格で確実に従業員の方のストレスをケアし、高ストレス者、休職を余儀なくされてしまう方の予防から改善まで対応することができます。

資料ダウンロードはこちら