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従業員満足度向上にマインドフルネスが活用できる3つの理由

従業員満足度 オフィス風景

労働生産性や顧客サービスの向上と深く関わる「従業員満足度」

この記事では、「従業員満足度向上のポイント」や、「具体的な施策として活用されているマインドフルネス」についてご説明します。

従業員満足度とは?

従業員満足度 調査

従業員満足度(ES:Employee Satisfaction)とは、その言葉通り従業員の職場での満足度を指します。算出方法は企業によって異なりますが、給与や待遇、はたらきやすさ、福利厚生、職場の人間関係などアンケート調査から多角的に評価します。

従業員満足度は組織の“健康診断”のように定期的なチェックが必要であり、調査後は従業員満足度向上につなげるため課題を洗い出し、打ち手を検討・実行することが求められます。

企業が従業員満足度に取り組む背景

企業 ミーティング風景

従業員満足度を重視する企業が増えている理由には、労働市場の変化や価値観の多様化があります。日本の労働人口は2024年にも減少に転じ、人材の採用が難しくなると予想されています(※1)。

また、採用できたとしてもキャリアチェンジ転職が当たり前の今の時代、いかに「ここで働きたい」「働き続けたい」と思ってもらえるかが企業には問われているのです。

※1 : 三菱UFJリサーチ&コンサルティング、2030年までの労働力人口・労働投入量の予測~人数×時間で見た労働投入量は2023年から減少加速~
>>https://www.murc.jp/report/economy/analysis/research/report_180312/

トータルリワードに着目した従業員満足度向上のポイント

従業員満足度 説明 施策

では、従業員満足度向上にあたって必要なこととは何なのでしょうか。

そのヒントとなるのが「トータルリワード(総報酬)」というマネジメントの概念です。トータルリワードとは、はたらく動機を給与やボーナスなど金銭的報酬だけでなく非金銭的報酬にも着目して、総合的にアプローチしようという考え方のことをいいます。

従業員にとって給与などの金銭的報酬はもちろん、仕事のやりがいや人間関係、成長や能力開発の機会などといった非金銭的報酬は、組織で働く上で大きな動機になります。もちろん金銭的報酬は足りないと不満につながる要因となりますが、多ければ多いほど従業員のモチベーションが高まるかといえばそうではありません。

トータルリワードと離職理由の関係

離職 悩み

厚生労働省の調査によれば、離職の理由には「職場の人間関係」や「能力・個性・資格を活かせない」もあがっており(※2)、給与や待遇は必要条件ではあるものの、人材定着の観点からはそれ以外のアプローチも必要だと考えられます。また企業の立場から見ても金銭的報酬を上げることには限度があります。

それゆえ、従業員満足度向上に取り組む際には非金銭的報酬に着目し、いかに効果的に施策を組み立てるかが鍵になるのです。

※2 : 厚生労働省、「― 令和2年上半期雇用動向調査結果の概況 ―」
>>https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/21-1/dl/gaikyou.pdf

従業員満足度向上にマインドフルネスが有効な理由

マインドフルネス 満足度向上

このような観点から、従業員満足度向上の施策のひとつとして注目が集まっているのがマインドフルネスです。マインドフルネスとは「今、この瞬間」に集中する心と脳の状態のことで、ビジネス界ではGoogleの導入をきっかに普及しました。今では米国企業の半数以上がマインドフルネスのプログラムを活用しているとも言われています。

マインドフルネスの導入の背景や歴史についてはこちらの記事もご覧ください。

マインドフルネスの導入や活用の目的は企業によって様々ですが、従業員満足度向上を狙いとした場合には、次のような効果が期待できます。

① 仕事に対する満足度の向上

変化のスピードが早くなる中、従業員は今まで以上にストレスや課題にさらされています。こうした状況に対処し心身を健康に保てるようにすることは、従業員満足度に欠かせない要素です。

マインドフルネスの一種である「ボディスキャン」では「今、この瞬間」に起きる自分の身体の感覚に意識を向け、じっくり観察するトレーニングを行います。このトレーニングを継続することで自己認識力が高まると言われています。

自己認識力とは現在起きている自分の感情を正確に理解する能力で、この能力を高めた結果、ストレスや課題に対処しやくすなることが知られています。

実際に、職場でマインドフルネスプログラムによる効果を検討した研究では、6週間のマインドフルネストレーニングによって、注意力や、仕事に対する満足度、モチベーションの向上に有益であったことが報告されています。

参考論文・エビデンス:
Slutsky J, Chin B, Raye J, & Creswell JD(2019). Mindfulness training improves employee well-being: A randomized controlled trial. J Occup Health Psychol 24(1).

② 職場の人間関係の向上

マインドフルに相手の話を聞く「マインドフル・リスニング」では、批判も判断もすることなく、ただ、相手の話に全力で耳を傾けるトレーニングを行います。

自分の話を聴いてもらえた、受け入れてもらえた喜びを体験した人は、次に、自分が聞き手に回った際に「聴く」姿勢を重視するようになります。従業員ひとりひとりの変化が積み重なり、コミュニケーションの質が変わることで人間関係や信頼関係の構築が期待できます。こうした組織の風土は従業員のはたらきやすさにも寄与します。

人間関係にフォーカスしたマインドフルネスの活用は、チーム単位での導入が効果的であると言われています。

参考論文・エビデンス:
メーガン・ライツ,マイケル・チャスカーソン(2020)「マインドフルネスにはチームで取り組むべきである―ウェルビーイングと仕事の満足度を高める―」,ハーバードビジネスレビュー

③ マネジメント力の強化

従業員満足度を左右する大きな要因となるマネジメントの質や上司と部下の関係性構築にもマインドフルネスのアプローチが有効です。業務負荷がかかりがちなマネージャー層は、マインドフルネスを学ぶことでストレスをコントロールし、自分を保つコツやレジリエンス(回復力)を高めることができます。

また、マインドフルネスによって自己認識力が高まることは、感情的にならず冷静に部下の話に耳を傾ける習慣を身につけることにも役立ちます。

これによって信頼関係をベースとしたコミュニケーションが可能になり、ひいては、チームワークや仕事のパフォーマンスにポジティブな効果をもたらすことが期待できます。

【まとめ】人材活用の点からも求められる従業員満足度

本記事では従業員のはたらく意欲やモチベーションと従業員満足度の関係、施策としてマインドフルネスを活用する方法を紹介しました。

マインドフルネスは顧客満足度に関連する様々な要素に作用し、①仕事に対する満足度、②人間関係、③マネジメントの向上や改善を期待できます

より詳しい導入事例を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。