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「マインドフルネスは自己肯定感を高めてくれた」MELONインストラクターインタビュー 〜川井千佳さん〜

MELON マインドフルネス インストラクター 川井千佳 画像

「好きなことで生きていきたい」と、誰もが知る教育関連の大企業をきっぱりと辞めて、マインドフルネスコーチの道へ。

自分で決めて自分で責任を取る生き方のほうが私らしいし、健康で幸せに生きる人を増やしたいという川井千佳さんに、これまでとこれからについて聞きました。

川井 千佳(かわい ちか)
教育関連の企業勤務を経てマインドフルネスインストラクターに。Google社が開発したマインドフルネスプログラムSearch Inside Yourself(SIY)コアプログラム修了、Mindfulness Based Coach Camp(MBCC)基礎・応用コース修了、全米ヨガアライアンスRYT200認定講師、一般社団法人マインドフルネス瞑想協会認定講師

自己肯定感がとても低かった学生時代

千佳さんとマインドフルネスの出合いは、大学時代にさかのぼります。

日本の大学を3年で中退して、アメリカへ。難関大学として知られるカリフォルニア大学ロサンゼルス校(通称UCLA)に留学しました。

「UCLAにはマインドフルネスセンターがあって、学生向けにお昼に瞑想の時間を提供するなど、マインドフルネスについての取り組みが盛んなところだったんです。言語の違いや求められる水準の高さなどで重いプレッシャーのかかる留学生活の中、目を閉じて集中すると心が落ち着くので、ヨガと共に習慣にしていました」

複数人で瞑想をしている様子

UCLAを無事に卒業すると日本に帰国し、教育関連事業を行う大企業に就職。仕事はとても楽しく、毎日終電帰りという忙しさでも苦にならないどころか、むしろ楽しかったという千佳さん。仕事を続けるうち、子どもたちの教育には「自己肯定感」が関わっているいうことがわかってきました。

「日本の子どもたちの自己肯定感は世界でも低いほうなんです。それをどうやったら上げられるんだろう、と、心理学やコーチングの手法を学んだり、自己啓発本を読んだりしているうちに、会社に入ってから習慣が途切れていたマインドフルネスにふたたび出会いました」

子どもたちへのキャリア教育の一環としてマインドフルネスを伝えていきたい、と考えた千佳さん自身も、実は学生時代に「自分は何者かにならなければ生きている意味がない」と思い詰めるなど、自己肯定感がとても低かったといいます。

それが、マインドフルネスを続けるうちに「自分は自分でいいんだ」「自分にも何かできるかも」という穏やかな気持ちが湧いてきました。

健康でないと仕事も人生も楽しくない

教育という分野で充実感をもって仕事をしていた千佳さん。

ところが入社3年目の29歳の時、母親ががんになったことをきっかけに検査を受けてみると、自身も同じ病気を持っているということがわかりました。

入院して手術を受けることになりましたが、ここでも自己肯定感の低さから「がんになった私は劣っているんじゃないか」という劣等感を感じてしまいます。

小さい頃から続けていたクラシックバレエも、手術の影響でできなくなってしまうことがわかりました。

手術に使う器具の様子

「この時に、健康でないと仕事も人生も楽しくないということが身に沁みたんです。そこで、もっと人が健康に生きることができる社会にしていきたいと思って、マインドフルネスを実践するだけじゃなく、教えていこうと考え始めました」

マインドフルネスを教えることによって、不安を抱く子どもたちの自己肯定感を上げていくお手伝いをする。健康で幸せに生きる人を増やす。

この2つが千佳さんにとっての活動の柱になり、Search Inside Yourself(SIY)を受けたり、ヨガの資格を取るなど、少しずつ活動を始めていきました。

「私は好きなことで生きていきます」と宣言

大きな転機は、会社に入社して6年目の社内異動でした。

希望していたわけでもない部署での仕事は多忙を極め、すっかり疲れてしまい、このまま会社に自分の人生を決められる生き方ってなんなんだろう、という思いが募っていきました。

「もうひとつイヤだったのが、会社の名前で呼ばれること。私には自分の名前があるのに、他から見たらいち組織の歯車の中のひとつでしかないわけです。その生き方が合わないな、自分にしかできない仕事ができるようになりたいなとずっと考えていました」

そのために、取得したヨガやマインドフルネスの資格を活用し、まずは副業という形でイベントの自主開催などを始めました。

続けるうちにこっちのほうが楽しいと確信し、7年目の9月で会社を退職することを決意。完全にマインドフルネスコーチに軸足を移しました。社内メールで送った最後の挨拶には「これからは好きなことで生きていきます」と書いたそうです。

女性がベンチに座って手を広げて深呼吸している様子

「私は小さい頃からいつも、自分を人と比べていました。常に誰かと争って、肩肘を張ってピリピリして生きていた。それが、マインドフルネスを実践することで、うまくいかなくてもそれでいいんだと認めることができるようになり、解放されました。すごく楽になって生きやすくなったんです」

力を抜いたほうが、共感してくれる人や応援してくれる人も増えていきました。

「人って繋がりでできていますよね。そのありがたさを改めて感じています。競争意識の中に生きていた頃の自分にはなかったことなので」

ネガティブな経験は今では「強み」に

千佳さんは、クラスを受けに来る人たちに「自分軸を持つことの大切さ」を伝えていきたいと考えています。

「社会で求められる目に見える成果を求め、常に上を向いて背伸びをして生きている人が多いように感じます。止まらずに前へ前へと歩こうとするので、そうするとどうしても足がふわふわしてくるんですよね。地に足が着いてどっしりしていないと、風が吹いたら倒れてしまいます。人生は、いつどういうことが起きるかわかりません。アクシデントが起きたときにすぐに折れないように、土台をしっかり作っていってほしい。そのほうがより自分らしく生きられるし、後悔のない人生を歩んでいけると思うんです

菜の花の画像

自分に起きたネガティブな経験を今では強みだと思えるようになった、と千佳さん。

「そこから学んできたことや感じてきたことで、人の苦しみを少しでも理解できると思いますし、乗り越え方もシェアできる。良いことも悪いことも含め、これまでに自分が経験してきたことを、マインドフルネスを通してこれからも伝えていきたいと思っています」