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ビジネスパーソンのための究極の武器、メディテーション。【連載②】

投資銀行時代についての追記

前回の記事に関して少し補足しておこうと思います。私が新卒で入社した投資銀行業界ではストレスやメンタルヘルスの問題を抱えた人が多かったと書きましたが、マインドフルネスやメディテーションはそれ以外にも役立つ場面があるのではないかと感じています。

私自身の経験も含めよく耳にしたのは、パートナーや家族との不和でした。毎日深夜までの残業が続く業界でしたので(残業という概念すらありませんでしたが)、普通に一生懸命に仕事をこなしていたら、ある日パートナーが家を出て行ったという話がよくありました。仕事上、家でパートナーや家族と過ごす時間は限られていますし、家にいる間は休息の時間にしたいという思いもあります。その結果、お互いに悪気はないのにいつの間にか感情がすれ違うことが多くなり、気づけば気持ちが離れていたということなのでしょう。あまりにもよくあることなので、中の人たちは半ば冗談のネタにしていました。しかし後から考えたら、本来一番キツい時にお互い支え合うことができるパートナーが離れて行ってしまうというのは、やはり切ないなと感じます。このような環境で関係性を維持するためには、短い時間でも密にお互いのことを話し合い、理解し合うための時間を作ることが必要ですね。ここで使えるのは「傾聴」や「マインドフルリスニング」というスキルです。とても単純ですが、相手の言っていることに100%意識を向け、真に相手を理解するという姿勢で話を聞くことです。これを試してみると普段いかに自分が他人の話を聞いていないかということに気づきます(苦笑)パートナーや家族、友人との関係性に悩んでいましたら、ぜひ一度試して見て下さい。

またそれ以外にもマインドフルスのトレーニングを継続すると、仕事のスピードや生産性が上がるというメリットもあります。短い睡眠時間で踏ん張っている時はどうしても気が散りやすくなったり、業務効率が悪くなってきます。脳が疲れてきたなと感じたら5分のメディテーションをお勧めします。またマインドフルネスはマルチタスクの能力を高めるという研究もあります。(マルチタスク自体が生産性を落とすので、本来はするべきではないのですが。)特に忙しく仕事をこなしている方は、メディテーションをする時間なんて作れないと言われることが多いです。しかし個人的には、朝の10分間の投資が残りの23時間50分の価値を大幅に向上させると感じています。忙しい人にこそ試して頂きたいと感じています。やはりシリコンバレーのスタートアップの起業家が皆さん取り入れているのには理由があるのではないでしょうか。

キャリア②ヘッジファンドのアナリストとして

さて投資銀行から投資ファンドに転職してからの話をしようと思います。前職でメンターをして頂いていた先輩からお声がけ頂き、話を聞いてみることにしました。その当時プライベートエクイティが日本でも拡大し始めており、投資銀行からの転職者も増えていました。必要なスキルセットとしては投資銀行からプライベートエクイティへの転職というのは相性が良く、私のようにマーケットサイド(株式市場など)に移る人は比較的少なかったです。転職後は一からマーケットについて学ばなければならないため、そのハードルが高いと感じるからかもしれません。私はまたまた学生時代の就職活動と同様に、あまり深く考えることもなく、面白そうという理由で飛び込んでしまいました。

当然のことながらジュニアバンカーとは求められるアウトプットも違うため、何から何まで時間がかかります。投資銀行ではとにかく優秀なマシンのように、サクサクと資料作成などの業務をこなすことが求められます。一方で上場株に投資を行うファンドでは、まだ市場が気づいていない情報に価値があり、それを探すことが求められます。このために求められるスキルセットは大量の情報をインプットする情報処理能力、投資アイディアの核となる仮説を立てるクリエイティビティ、またそれを検証するリサーチ能力とコミュニケーション能力などです。特に創造的な投資アイディアを考えるスキルは身につけるのに時間がかかりました。一生懸命考えて、やっと独自の仮説を立てたと思っても、検証してみると実は勘違いであったり、既に市場に織り込まれていたりします。これは投資の株式投資の醍醐味である一方、磨いていくのにとても時間がかかりました。この頃は朝から大量の情報を読み込み、夜には勉強のため読書を行い、常に頭がパンクしているような状況で、思考能力は低下していたように感じます。もちろん睡眠である程度は回復するのですが、ジュニアアナリストのこの当時にマインドフルネス瞑想に出会っていたかったと切に感じます。今では頭が疲れると5分の瞑想をしますが、これが効果てきめん。ぜひ試してみて下さい。(続く)