「健康施策は日常に取り入れてこそ意味がある」島津製作所が実践する、心の不調が25%改善したアプローチとは

京都市の精密機器メーカーである株式会社島津製作所は、従業員向けのメンタルヘルスケア施策として株式会社Melonのマインドフルネスプログラムを導入しました。
マインドフルネスは、心の不調の改善などの確かな成果を生み出し、日頃から心身のコンディションを整えるためのセルフケア習慣として定着しつつあります。会社がマインドフルネスを学ぶきっかけを作ることで従業員の自律的なWell-beingを促す、同社の挑戦と今後の展望に迫ります。
導入前の課題
従来の施策に留まらず、新しい切り口で心の健康にアプローチできる方法を模索。中でも職業経験が浅くストレスを抱えやすい若手社員は、今後の長い職業生活のベースとなるストレス対処法を身につける必要があると考えた。
導入のきっかけ
新たな施策を模索する中、MELONのプログラムはオンラインで受講でき、他の研修とも連動しやすいなど「日常に取り入れやすい点」が決め手となり導入。
導入の効果
延べ450名以上が参加したワークショップについては「他者への推奨度」が77%。またアプリ利用者は心の不調の改善や生産性向上を実感。マインドフルネスの習慣化によって、従業員が自身の心の状態に気づき、日頃から心のコンディションを整えるためのセルフケアとして役立った。
「健康施策はイベントではなく、日常に取り入れてこそ意味がある」マインドフルネス導入の理由は
――御社にはどのようなメンタルヘルスに関する課題があったのでしょうか?
前提として、全ての従業員がメンタルヘルスに関心を持ってほしいですが、今回は経験が浅くストレスを抱えやすい20~30代の社員を中心に対処方法を教育することで、これからの長い職業生活の基礎が作れると考えました。
――これまではどのような施策を行っていたのでしょうか?
セルフケアやラインケア教育、ストレスチェックなどはもちろん、社内外の相談窓口の設置、睡眠や休養不足の対策なども実施していました。
――その中で御社がマインドフルネスプログラムを導入された理由は、どこにあったのでしょうか?
メンタルヘルスケアに資するサービスを探していたところ、MELONのプログラムに出会いました。オンラインで受講できるので従業員が取り入れやすく、他の研修やワークショップとも連動しやすい点も良いと感じました。
ワークショップで自分の気持ちに気づき、相談しやすい関係を作る
――導入後、従業員の皆様の反応はいかがでしたか?
全6回開催したワークショップ参加者延べ450名のうち8割が複数回来てくれたので、マインドフルネスに深く興味を持ってくれた実感があります。
――多くの方々に参加してもらうために、告知などのコミュニケーションで工夫した点はありますか?
ターゲットである若手社員にどのような伝え方だと参加したくなるかを聞いて、メールやイントラでの告知の文面に反映しました。
――ワークショップに参加した方からの印象に残っている言葉はありますか?
参加者から「会社がマインドフルネスプログラムを提供してくれるとは思わなかった!」と喜びの言葉をもらいました。
私たち担当者がどんな健康施策を用意しても、従業員自身が健康状態に気を留めなければ行動変容は生まれません。自分の気持ちに気づくツールとして、マインドフルネスは有用だと思っています。
また、今回のワークショップを通じて、我々が参加者と何度も顔を合わせる機会を作れたのも良かったです。参加してくれた従業員に困りごとがあったときに、顔が分かっている方がきっと相談しやすいと思います。
心の不調の改善に効果。「日頃から心身のコンディションを整えるため」のケア習慣として定着
――従業員の方々の心の状態や仕事のパフォーマンスの定量的な変化はありましたか?
アプリを利用した従業員については、利用前の「心の不調」を100とした場合、利用後は75に下がり改善しました。また「プレゼンティーイズム」(健康問題によるパフォーマンス低下を測定する指標)については、実施前を100とすると、実施後は107に向上しました。
特に、週1回以上の利用者は週1回未満に比べ改善幅が大きかったため、日常に取り入れることが効果的であるとわかりました。
一方でワークショップに参加した従業員は「他の人に参加を勧めたい」「マインドフルネスを継続したい」と回答した人が77.6%でした。
参加者の多くが「ストレスに対する回復力」「感情調整力」「自己認識の変化」について「効果を実感した」と回答しました。
――従業員の方々の心の状態や仕事のパフォーマンスに対して、定性的な変化があれば教えてください。
「自分の状態を受け入れられるようになり、ストレスから解放されやすくなった」という声が複数届きました。心が落ち込んだり、不安を感じたり、違和感を覚えた時に、マインドフルネスを実践したいという声もあり、良い取り組みになったなと思っています。
メンタルヘルスケアは、知識の習得だけではなく、実際に体験することが重要です。今回のワークショップやアプリ導入の取り組みでは、それを実現できました。
従業員のパフォーマンス向上とWell-beingを目指すために。次のステップは
――マインドフルネスプログラムを導入したことで、新たに見えてきた課題はありますか?
参加した従業員から「不調の時にマインドフルネスを思い出して、心の状態を持ち直せた」という声はあったのですが、心の状態が良いときにも習慣的に続けることでより良い効果があることを伝え切ることができませんでした。
マインドフルネスの習慣化により、EQの向上やアンガーマネジメントにも効果的であると訴求できれば、メンタルヘルスケアだけでなく、パフォーマンスの維持・向上を求める管理職層にもアプローチしやすくなり、さらに多くの従業員に広げられると思っています。
――今後、従業員の方々のパフォーマンスアップやWell-being向上のために実施したい施策はありますか?
従業員のヘルスケア、パフォーマンス維持・向上のために会社ができることは「選択肢の提示」です。健康増進、健康施策は会社が押し付けるものではなく、従業員が自己決定するものなので、そのサポートをするのが我々の役目だと思っています。
マインドフルネスをきっかけに「自分の感情がどのような状態なのか」「自分が何をしたいのか」「自分らしさとは何か」等を考え、従業員それぞれが理想のWell-beingを達成できるよう、これからもサポートしていきたいですね。
MELONの法人プログラムの詳細
MELONの法人向けプログラムは、マインドフルネスによる「心と感情のセルフケア」で、働く人のウェルビーイングを高め、離職・休職予防と生産性向上を効率的に実現します。
早稲田大学との共同研究で高い効果が実証されたプログラムは、導入企業の1か月後のサーベイで、平均してストレスが19%軽減。さらに、睡眠の質が20.9%、レジリエンスが23.4%、疲労感回復が20.6%それぞれ向上しています。

