成果を出し続けるための連休の過ごし方〜5月病を防ぐセルフマネジメント術〜|MELON CEOコラム

MELONの代表取締役CEO・橋本大佑が毎月お届けするコラム。組織のウェルビーイングを高め、生産性向上や離職防止、さらにはパフォーマンス向上を実現するための最新トピックスをご紹介します。
「何もしていないのに、幸せでした」
先日、社会性と経済性の両立を目指すインパクトスタートアップが集うイベント「IMPACT CAMP2025」でマインドフルネス講座を開催した際、ある起業家の方がそう感想を口にされました。
一見するとさりげない言葉ですが、資本主義のスピードの中で生きる私たちにとって、この「何もしていない」という感覚は、とても深い意味を持っています。この気づきは、成果を出し続けるためのセルフマネジメントにおいて、重要な第一歩です。
より高い成果には、立ち止まることが欠かせない
起業は、人生をかけて行う挑戦です。成功を追い求めてアクセルを踏み続ける中で、知らず知らずのうちに心身がすり減っていきます。実際にスタートアップ経営者は、平均よりストレスレベルが高く、カリフォルニア大学の調査では、起業家がうつ病になるリスクは平均の2倍、依存症になる確率は平均より3倍高いとされます(※)。
強いストレス下では、視野が大きく狭まり、短期的なことにばかり目が行きがちになります。それにより判断力が鈍ると、ときには組織の存続にまで影響を及ぼすことも否めません。
常に成果を出し続けることが求められる現代社会では、「何もしない」ことはネガティブに捉えられがちですが、実は自分や組織をコンディショニングするためには欠かせないことなのです。一瞬でも立ち止まり、自分の内側にある「何もしない幸せ」に目を向けることがより活力を生み出します。
これは、起業家に限らず、結果を追い求めるビジネスパーソンにとっても、同じことが言えるのではないでしょうか。
出典:Freeman, Michael A., Johnson, Sheri L., Staudenmaier, Paige J., & Zisser, Mackenzie R. (2015). Are entrepreneurs “touched with fire”?, Univ. of California, San Francisco.
4月の疲れが出る今こそ「セルフマネジメント」を

4月からの新体制が始まり、1か月が経ちました。疲れが出始めている方もいるかもしれません。ライフイベントのストレスを点数化した表(※)をみると、4月に起こりがちな「転職」「配置転換」「引っ越し」といったライフイベントは、想像以上にストレスになっています。
加えて4月は、新しい環境の中で誰もが少し肩に力が入っていて、自分の一挙手一投足が常に見られているような緊張感を感じ、通常以上にエネルギーを消費してしまっています。
そうして、4月に頑張りすぎた結果、5月に懸念されるのが「5月病」です。そもそも5月病とは、新しい環境に適応しようとする過程でエネルギーを消耗し、それに心身が追いつかなくなることが背景にあると考えられています。
連休中に一気に緊張が抜け、体にとっては良い休息となる一方で、「またあの環境に戻るのか……」という心理的なストレスが、メンタルの不調を引き起こす原因となりやすいのです。
では、5月病を防ぐにはどうすればよいのでしょうか。
カギとなるのは、「ストレスを感じにくい習慣を意識的につくること」。この連休は、心を整えるセルフマネジメントを行う絶好のチャンスです。連休明けに気持ちよく再スタートを切るために、次の2つのステップを意識してみてください。
出典:夏目誠・村田弘(1993).ライフイベント法とストレス度測定.『日本公衆衛生雑誌』42巻3号,402–412.
セルフマネジメントのための休養術2STEP

STEP1は、「休む時は休む」。連休中でも、ついつい頭の中で仕事がちらつきがちですが、ずっとアクセルを踏み続けていては、ガス欠になってしまいます。まずは、心と身体にエネルギーをチャージする時間をしっかり取りましょう。しっかり休むことで、自然と心にも余裕が生まれてきます。
マインドフルネスはもちろん、意識的に情報から距離を置く「デジタルデトックス」もおすすめです。意識を自分自身の内側に向けることで、ストレスや不安がやわらぎ、頭の中がクリアになったり、脳の疲れがスーッと抜けていくような感覚を味わえるはずです。
STEP2は、「自分の方向性とモチベーションを再確認する」。しっかり休んで、頭の中から仕事が離れ、少し余裕が生まれたタイミングがベストです。
気持ちにゆとりができたタイミングは、改めて「これからどうありたいか」「何を大事にしたいか」といった自分の軸を見つめ直すチャンスでもあります。5月以降、どんな自分でいたいかをイメージするだけでも、自然と気持ちは前向きになっていくはずです。
自分の感情にそっと気づき、それを受け入れる「何もしない時間」を持つことが、次の一歩をより確かなものにしてくれるでしょう。焦らずに、自分のペースで。次の季節を心地よく迎える準備を始めましょう。
MELONでは、強みとする「従業員の内面(マインド)の変革」を組織改革に応用し、エンゲージメント向上やウェルビーイング施策を広める法人向けセルフマネジメントのプログラムを提供しています。
「何から始めればいいか」というフェーズから伴走し、課題調査から施策立案、実行までを一貫して支援するコンサルティングサポートもご用意しています。
本当に効果があるセルフマネジメント施策を導入されたい方は、まずは現状の課題整理を無料で実施いたします。ぜひ、お気軽にご相談ください。