マインドフルネスの科学的エビデンス

 近年マインドフルネスに対する関心は高まり続けています。この記事ではマインドフルネスに基づいた治療や介入の効果についての研究をご紹介したいと思います。

 この分野の研究は直近の10年ほどの間に急増してきています。特に現在広く普及しているマインドフルネス・ストレス低減法(Mindfulness-Based Stress Reduction, MBSR)とマインドフルネス認知療法(Mindfulness-Based Cognitive Therapy, MBCT)に関して、数多くの研究がなされてきました。これらの研究結果をまとめたメタアナリシス(複数の独立した研究結果を統合する統計的方法)についていくつかご紹介したいと思います。

 2015年にClarkeらはうつ病の再発防止に関するメタアナリシスの結果を発表しました。(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25939032) この分析は29の論文と、それらの研究に参加した2,742人が対象となりました。結論としては、MBCTを含む複数の認知療法を受けたグループは、12ヶ月後におけるうつ病の症状の再発リスクが22%減少していました。これは多くの研究結果を統合した分析なので、マインドフルネスによる効果は科学的に認められたと言うことができそうです。

 次に2017年にHiltonらによって発表された慢性疼痛に関するメタアナリシスをご紹介します。(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27658913)755の研究から38をランダムに抽出し、3,536人を対象とした分析の結果、マインドフルネス瞑想を行ったグループは有意に慢性疼痛が緩和されていました。これらの研究に参加した患者さんは線維筋痛症、背部痛、関節リウマチなど様々な疾患による痛みに悩まされていた方々ですが、特にうつ病の症状の緩和とQOL(生活の質)の向上に効果が見られました。

 最後に2015年にKhouryらによって発表された、健常人を対象としたメタアナリシスをご紹介します。この分析ではMBSRに関する研究を含む676の論文から29件を抽出し、887名が対象となりました。この結果、MBSRはストレス、うつ病、不安や苦痛を軽減し、健康な人の生活の質を改善するのに中程度の効果があることが確認されました。

 以上は近年発表されている多くの研究結果のほんの一部です。マインドフルネスが本当に有効なのかまだまだ懐疑的な方も多いと思いますが、ご理解のお手伝いになれば幸いです。このブログではマインドフルネスや瞑想の最新の研究結果をどんどんご紹介させて頂きます。

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