法人

「また新しい施策ですか?」を変える〜管理職の成長停滞を打破する本質的アプローチ〜

管理職タスク

MELONの代表取締役CEO・橋本大佑が毎月お届けするコラム。組織のウェルビーイングを高め、生産性向上や離職防止、さらにはパフォーマンス向上を実現するための最新トピックスをご紹介します。


「また新しい施策ですか?」「忙しくて研修に参加する時間がない」人事担当の皆さんなら、管理職からのこうした反応に頭を悩ませた経験があるのではないでしょうか。

一方で、経営陣からは「管理職の成長が組織の要。もっと積極的に自己投資してもらいたい」という期待が寄せられる。まさに板挟み状態で、従業員のウェルビーイング向上や多様性推進、エンゲージメント向上といった責任範囲が広がる中、人事部門は双方から非難を受けやすい立場に置かれているというケースをしばしば耳にします

しかし、この状況の背景には、プレイングマネージャーが避けられない「二重負荷」があります。日々の業務とマネジメントを同時に担う管理職にとって、「成長に投資する余裕がない」というのは自然な反応とも言えます。

今回は、この現実を踏まえたうえで、忙しい管理職が自ら学びに向かい、組織全体の成長につなげるための実践的な視点をお伝えします。

プレイングマネージャーにのしかかる「やることリストの無限ループ」

人事担当の皆さんも、管理職から「やることが多すぎて学ぶ時間がない」との声を聞いたことがあるのではないでしょうか。

課長クラスの多くは、朝から晩まで個人の業務に追われ、合間には部下の相談対応、会議、報告書作成といったマネジメント業務をこなしています。まさに「やることリストが終わらない無限ループ」に陥っているのです。

この状況では、「時間を作って学びましょう」といった従来型のアドバイスは現実味を持ちません。忙しい管理職が本当に時間を生み出すためには、単なるスケジュール調整ではなく、自分の働き方や思考のパターンそのものを見直すことが不可欠です。

「しぶしぶ参加」から「前のめり参加」への転換

多くの管理職が研修や人事施策に対して消極的な理由は、時間の制約だけではありません。より本質的な問題は、これらの取り組みが「会社から求められるもの」「やらされるもの」として認識されていることです。
この状況を変える鍵が「内省力」にあります。内省とは、自分の価値観、強み、課題、そして真の目標を深く掘り下げ、「なぜ自分はこの仕事をしているのか」「どんな管理職になりたいのか」という根源的な問いに向き合うプロセスです。
この内省を通じて、管理職は自分自身の「軸」を再発見し、内発的動機を発見します。会社の期待や部下のニーズに応えるための視点ではなく、自分が本当に大切にしたい価値観や実現したいビジョンが明確になることで、外発的動機よりも力強い内発的動機へのシフトが起こるのです。

内省が生み出す本質的な問いと行動変容

内省を習慣化した管理職は、日々の業務で「この作業は本当に必要か?」「この会議の真の目的は何か?」といった本質的な問いを自然に持つようになり、無駄な業務の削減や適切な権限委譲といった行動が生まれ、組織全体のパフォーマンス向上が実現されます。
すると、これまで「またか」と感じていた研修や施策も、「自分の成長に必要なもの」として前向きに捉えられるようになります。これは自分自身を深く理解する過程で生まれる、根本的なマネジメント力の向上なのです。
忙しい日々の中でも、月に一度、週に一度、あるいは一日の終わりに10分でも、自分自身と向き合う時間を持つこと。その小さな習慣が、管理職個人の成長加速と組織全体の活性化という大きな成果につながっていくのです。


MELONでは、忙しい管理職が短時間でも効果的に内省を深められるプログラムを提供しています。「またですか?」という声を「これは面白そうだ」に変える組織変革を実現されたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

ご相談はこちらから