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「マインドフルネスとは自分への伝言」MELONインストラクターインタビュー〜小野元寛さん〜

マインドフルネス インストラクター インタビュー 小野元寛 モト MELON

マインドフルネスとは自分から自分への伝言であり、内側にある親しみや温かさと出会っていく、身体を通じた旅のようなものだという小野元寛 (以下、モトさん) さん。

優しい言葉の中に無限に広がっている「フリー (自由) 」を感じさせるモトさんに、マインドフルネスとの出会いや向き合い方を聞きました。

小野元寛 (モト)
一般社団法人マインドフルネス瞑想協会認定講師、日本ヨーガ瞑想協会ヨーガ指導者トレーニング(綿本彰)修了、全米ヨガアライアンス認定インストラクター200h修了、SHANTI呼吸ヨガ指導者養成講座修了。

心の調子を崩し何もかも一度手放してリセット

「人が大好きで、心理学にも興味があったんです」というモトさん。大学で経済学を専攻したのち、英国の大学院への進学を予定して、まずは語学力に磨きをかけようとユーロセンターロンドンセントラル校に留学しました。

「心理学とファッションが結びついた、世界で初めての専攻科ができると聞いて、ファッションも好きだったので面白そうだなと思って進学を決意しました。1年ちょっと語学留学したのち、いよいよ大学院への出願準備のため一度、日本に帰ってきたんです」

歩いている男性の足元

しかし、準備の甲斐あって大学院への入学許可をもらったにもかかわらず、就職して安定した生活をしてほしいと望む両親と衝突してしまいます。

「もともと、みんなと同じように生きましょう、という日本があまり好きじゃないからイギリスに行きたいなと思っていたんです。でも両親の思いや、将来に対する漠然とした不安などでいろいろ頭がごちゃごちゃになってきてしまって。心の調子を崩してしまいました」

外に出かけるのが怖くなり、病院で診察を受けるまで1か月ほどかかったといいます。診断は「不安神経症」。

「その時、何もかも一度手放さなければ良くならないんだろうなと思い、将来のことはすべてリセットしてフラットにすることにしました」

とても大変な作業だったといいますが、切望していた大学院への進学も、ふたたびの渡英も少しずつ手放していきました。

ヨガで自分を認めることができるようになった

身体を動かせず外出もままならないので、それからは哲学や禅の本をひたすらに読む日々を過ごします。少し良くなってきたとき、禅僧の法話を聞きに行き始めました。

「若者は僕しかいない中、何度も通って、禅の教えに共感しました。自分がなんとなく考えてきたことがそこに示されている気がしたんです」


その過程を通じて、自分は周りがよく見えておらず、がんばりさえすれば何でも解決できると思っていたことに気がついたというモトさん。手をゆるめたり手を離すということが徐々にわかり、できるようになっていったといいます。

男性が外で手を広げて深呼吸をしている様子

「自分のことをスーパーマンだと勘違いしていたみたいなんですよね。自分が本気を出せば世界は変えられると思っていた。けれど、留学時代に知り合ったパニック障害の友人すらも救えなかったなという自責の念も強くて」

そして出会ったのがヨガでした。レッスンを受けた後に心身が軽くなる感じがして、最初はマンツーマンで1年半、そののち大きなスタジオでクラスを受け始めます。

「その時に衝撃を受けました。やっていることは単純な動きなんですが、自分自身を丁寧に感じることができたんです。自分を認めることができたというか。とんがっている自分さえも許すというか。自分だけの窮屈な世界じゃなくて、大きな世界を感じたんです。この感覚をみんなにシェアしたいと思ってまずはヨガ講師を目指しました」

マインドフルネスで目の前の人を幸せにしたい

マインドフルネスという言葉と出合ったのも同じ頃です。ヨガと同時に自分で瞑想はしていたけれど、講師の資格を得たのち、マインドフルネスを広める活動をしている吉田マサオ先生に会いたいと思い、講座に参加し始めました。

吉田先生からマインドフルネスをしっかりと学び、心を「今」にとどめ、感情をそのまま受け取ることも欠かせないと気づきました。ザワザワした今の世の中で心の波立ちを抑えるには、マインドフルネスの考え方がとても合っていると感じたことで、もっと深めて人にシェアできるようになりたいと講師を目指しました。

「僕は、人が笑っていたり幸せにしているのがいいなとずっと思っています。それはたぶん母の影響だと思います。小さい頃に、母が調子を崩してしまった時期があったんですけれど、ふとした瞬間に笑顔を見せてくれたり、幸せそうにしていたりするのがとてもうれしかった記憶があるんです」

腕を広げて息を吸う女性

隣にいる人が笑っているだけで自分はハッピー、という感覚がその頃から今でも続いているというモトさん。

「だから、マインドフルネスで多くの人をどうにかしたいというよりは、隣の人や目の前の人を幸せにしたいと思っているところがあるかもしれません。クラスでも、自分がいいなあと思うことをただシェアしているだけ。僕はこれがいいと思ったんだけど、みんなはどう思う? というスタンスなんです」

マインドフルネスは自分から自分への伝言

もっと、ひとりひとりの個性が内側からあふれ出るような世界になればいいのに、というモトさん。日本を窮屈に感じ、海外への憧れをもったのは、いろんな人種や民族の人たちがいてフリーなところだと思っているから。なかでもイギリスを目指したのは、ビートルズやオアシスなどのパンクでアンダーグラウンドな湿った感じの音楽が好きだからだといいます。

マイクの画像

「僕のクラスでは、こんな見方もあるかもしれないけれど、もっとこんな見方もあるよ、というフリーな感じ方がみんなに伝わっていくといいなと思っています。心がそうやって軽くなれば、大きく世界が広がっていく。目の前だけにとらわれていたら1点しか見えないけれど、気づくことができれば自分の世界は変えていけるんです」

モトさんは、スピード感がより重視される世の中で、特に言葉は一瞬で過ぎ去り、遠ざかっていく。そのスピード感が不安を募らせるのだと感じています。

「マインドフルネスとは、自分から自分への伝言だと思っています。今、何を感じているかを自分に伝えてあげる。そこで、良い、悪いという判断はせず、ただその感じていることをありのまま伝える。その積み重ねが親しみや温かさを生み、心身の充実、自己の確立にまで繋がっていくんだと思います」

マインドフルネスという、身体を通じたモトさんの旅は、まだ始まったばかりです。