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「ウェルビーイング」はもう卒業しませんか?~Whyなき施策から脱却する実践のヒント~|MELON CEOコラム

ビジネスパーソン ウェルビーイング

MELONの代表取締役CEO・橋本大佑が毎月お届けするコラム。組織のウェルビーイングを高め、生産性向上や離職防止、さらにはパフォーマンス向上を実現するための最新トピックスをご紹介します。


「ウェルビーイング」は、いまや時代の“正解”として、多くの企業で導入が進んでいます。社員の健康や幸福度を高め、生産性アップにつなげる新しい常識は、その存在感を強めています。

しかしその期待とは裏腹に、現場では「ウェルビーイング疲れ」とも言える声が上がり始めています。日々の業務目標や生産性の向上とは相容れない、いわば「水と油」のような関係として捉えられていることも少なくありません。

「甘やかし」「癒し」のままではウェルビーイングは機能しない

その背景には、ウェルビーイングが「甘やかし」「癒し」といった文脈で捉えられてしまっていることが挙げられます。本来は組織の土台を支え、パフォーマンス向上を支援するもののはずが、理想論として扱われることで、施策自体の価値が薄れてしまっているのです。

さまざまな施策が導入されたものの、期待した効果が得られなかったり、従業員が施策そのものに疲弊感を覚えてしまったりすることで、ウェルビーイング推進の方針自体を見直そうという企業も出始めていると聞きます。では、なぜ“幸せを実現するはず”のウェルビーイングが、現場を疲弊させる存在になってしまったのでしょうか。

その大きな理由の一つは、ウェルビーイング施策を導入する「Why(なぜ必要なのか)」という本質的な部分が十分に共有されないまま、「How(具体的に何をするか)」という施策自体が先行してしまっていることにあります。

「社会的なトレンドだから」「他社もやっているから」といった空気感で始まった施策は、現場では実際のパフォーマンスにつながらず、一方で経営サイドからは「費用対効果が見合わない」と見なされる。つまり、現場も経営もどちらも報われていない感覚が「疲れ」を引き起こしているのです。

企業と従業員のWin-Winを目指すウェルビーイングの真価とは?

ビジネスパーソン 握手

しかし、ウェルビーイングとは本来、企業と従業員双方にとって大きなメリットをもたらす、きわめて実践的かつサステナブルな取り組みです。

企業にとっては、従業員のエンゲージメントやパフォーマンス向上による生産性の向上、休職や離職の防止といった経営課題の解決に直結します。そして従業員にとっては、自身の心身の健康を守り、いきいきと働き続けるための土台となるものです。このWin-Winの関係性こそが、ウェルビーイングの本質です。

そして、ウェルビーイングを機能させるために不可欠な要素として注目されるのが「セルフマネジメント」です。キャリアをマラソンに例えるならば、全力疾走だけを続けていては心身が擦り切れてしまいますし、かといってただ楽をしているだけでは、望むゴールにはたどり着けません。

変化の激しい現代において、持続的にパフォーマンスを発揮し、充実したキャリアを築いていくためには、自らの心身の状態を適切に把握し、コントロールしていくセルフマネジメントのスキルが、個人にとっても組織にとっても不可欠です。

「Why」の再定義が行動変容のスイッチになる

ビジネスパーソン ウェルビーイング スイッチ

セルフマネジメントを実践する上で、何よりも大切なのは「Why」、すなわち、なぜそれが自分にとって、そして組織にとって重要なのかという意義を深く理解することです。

もし現在、導入されているウェルビーイング施策が思うような成果に繋がっていない、あるいは従業員から「またか」という雰囲気を感じ取ることがあるならば、それは一度立ち止まり施策を見直すチャンスです。やり方の問題ではなく、「なぜやるのか=Why」が十分に共有されていない課題と向き合う時です。

そして、セルフマネジメントの重要性を個々人が真に理解し、実践へのモチベーションを内側から高めていくためには、単に知識やテクニックを伝えるだけでは不十分です。一人ひとりがその意義を自ら見出し、自分ごととして捉えるための、いわば内面的な「スイッチを押す」ような働きかけこそが、本質的な行動変容を促し、「かぎかっこ付き」の“ウェルビーイング”から卒業する鍵を握ります。


MELONでは、従業員がセルフマネジメントの重要性を理解し、実践へのモチベーションを高めるための法人向けセルフマネジメントのプログラムをご提供しています。

従業員が自律的に心身の健康を育み、組織全体の活力を高めていくために、今こそセルフマネジメントの本質と向き合ってみませんか。

ご興味をお持ちいただけましたら、まずはお気軽にご相談ください。貴社の課題に寄り添い、最適な解決策をご一緒に考えさせていただきます。

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