ビジネスパーソンのための究極の武器、メディテーション。【連載①】

過渡期にあるメディテーション市場

ちょっと派手めなメインタイトルを付けましたが、今回から連載でこのテーマに絞って書いてみたいと思います。最近、ちらほらこのような内容の記事をメディアで目にすることが多くなってきたのではないでしょうか。個人的にも、お客さんからの感想や、新しくお知り合いになった方々から同様の意見を頂くことが多いです。それ以外には、実は昔からやってました、という隠れ瞑想家の方がカミングアウトするようになってきました。メディテーションに対する認知が妖しげなイメージから、徐々に良いイメージに変容していく過渡期にあるのではないでしょうか。

先日、Melonでインストラクターを担当して頂いている仲間が米国に視察に行ってきましたが、彼女いわく西海岸でも東海岸でもメディテーションとマインドフルネスはかなり盛り上がってきているとのことです。様々な雑誌の特集が組まれていたり、メディテーション専門のスタジオもたくさん立ち上がり始めているようです。効果があるのは既に認知されていて、ファッションとして広がっている部分もあるのかもしれません。むしろ日本の出遅れ感が目立っていて、このギャップは何なんだと感じています・・・。

なぜ日本では広がっていないのでしょうか?もちろん宗教的なものに対するアレルギーもまだまだ残っています。それ以外には、単純にその効能が知られていない可能性もありそうです。マインドフルネスやメディテーションが、脳や心に及ぼす良い影響はとても幅広く、それが返ってその効果を分かりにくくしているのかも知れません。そこでこの連載では具体的に自分自身の例を挙げて、1ビジネスパーソンとしてどのような効果を実感してきたか、少し個人的な話に踏み込んでご紹介したいと思います。マインドフルネスやメディテーションは万能薬ではありません。人生が劇的に変わるほどの効果が絶対にあるとも断言できません。それでも少しでもその効果を信じて、試して貰える人が増えたら嬉しいと思っています。

キャリア①投資銀行のジュニアバンカーとして

特に綿密なキャリアプランもなく、大学を卒業後、外資系の投資銀行に入社しました。正直に言えば、何となく仕事ができる人が集まっていそう、お金が稼げそう、という意識低い系でした。その頃は、社会を変えてやる!とか、世の中の役に立ちたい!という意識はあまりなかったです。ただ比較的のんびり過ごした学生生活から、社会に出ていよいよ本番が始まったという感覚は持っていたように記憶しています。さて実際に仕事が始まると、面接や内定後に聞いていた通りの激務。気力体力はありましたし、モチベーションも高かったので多少寝なくても業務を続けていくことはできました。一緒に入社した同期たちとも仲が良く、深夜2時に仕事を終えて飲みに行ったりしていました。

そこで上司や同僚を観察していて気づいたことがあります。それは仕事ができる人のところに仕事が集まっていくということ。プロジェクトベースで業務を進めるために、プロジェクトリーダーが人選を行うときには優秀な若手をチームに入れたがります。複数のチームを掛け持ちする優秀な若手は当然仕事漬けになり、削られていきます。求めれるのは論理性、正確性、スピード、ストレス耐性、コミュニケーション能力、体力です。これらの能力がどれか一つ圧倒的に劣っていると、おそらくジュニアバンカーとしては生き残れないでしょう。仮に全ての能力が優れていたとしても、業務を継続していると次第にメンタルヘルスと体力は削られていきます。同僚も自分自身もこのような環境でみるみる疲弊していきました。中には自律神経失調症やうつ病、脳梗塞など様々な病を患ってしまった仲間もいます。しかしこの当時(リーマンショック前)、ウェルビーングやメンタルヘルスという言葉はあまり聞かなかったように記憶しています。むしろ寝てない自慢や週末仕事したアピールが横行していました。(笑)

当時の私もバリバリのウォール・ストリート・カルチャーに憧れた瞬間はありました。しかし次第に家庭や私生活、健康を犠牲にしてまで、この生活を継続するのは現実的ではないと感じるようになっていきました。悩んだ末、先輩に誘われていた米系の投資ファンドに転職することにしました。当時この決断を逃げだと考える人もいたようです。もし自分の精神的な健康状態をより積極的にケアできる方法を知っていたら、また違ったキャリアになっていたかもしれません。(現在一部の投資銀行ではマインドフルネスやメディテーションを導入しているようです。)しかし結果として、よりライフワークのバランスが取れた職場に転職することができ、その後10年以上その職場で働くことになりました。(続く)