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米国メディテーション市場視察 Part 6(最終章)

米国メディテーション市場視察 Part 5

NYの視察後、トランジットのために再度半日だけLAに戻ってきたのでDEN Meditationを訪問できた。ネットで見た通り内装はいかにもLAっぽいデザインだ。レンガの壁や木製の家具のブラウンを基調としたデザインのなかに東洋のスピリチュアリティが不思議とマッチしていて、全体的に照明が落としてある。今回の視察で見た中では一番内装に凝ったスタジオだったのではないだろうか。

クリスマス後の平日夕方のクラスかつ指導者養成クラスを卒業したばかりの若葉マークのインストラクターの担当だったためか参加者は3名のみ。ちなみにこのクラスだけ料金は破格の5ドルだ。内容はいたってスタンダードな呼吸瞑想で宗教色は全くなく、普通のマインドフルネス瞑想のガイドと同様だったが、このスタジオではマインドフルネスという言葉をあまり使っていないようだった。終了後インストラクターと少し話すことができたので、自己紹介をして日本でメディテーションスタジオを運営していることや今回の視察のことを話す。好奇心旺盛でフレンドリーなアジア系の男性だったが、今回の視察から何が得られたのかなど色々質問してくれて、日本に遊びにくる時には連絡をくれると言っていた。

L Aでのトランジットの半日にもう一箇所スタジオを訪問した。急遽決めたため下調べは一切していなかったが、なかなか刺激的な体験ができた。Mystic Journey Yogaというそのスタジオはベニスビーチの近くにあり、お店の半分はクリスタルやアートを販売しているスタイルだ。こちらのスピリチュアル感は前述したBe Crystal Clearの雰囲気にも似ていた。

受講したのはDeep Kundalini Meditationというクラスで、ウェブサイト上の説明によると呼吸法の練習をすることで深い瞑想に入ることができるという。クラスの直前にお店に入ってきたそのインストラクターの第一印象は女版ヒクソン・グレイシーといったところだ。(ご存知ない方のために、ヒクソンは400戦無敗と言われる伝説の格闘家です。)小麦色に焼けた筋肉隆々の肉体にキャップとサングラスがよく似合う。トライアスリートかUFCの選手と言われたら普通に信じたであろう。しかし非常にフレンドリーだったその女性がスタジオで豹変することをこの時はまだ知らない・・・。

400戦無敗の男、ヒクソン・グレイシー

参加者は自分以外には若い女性が2名だけで、1人はクンダリーニの経験があるという。自分はその人とインストラクターの両方が視界に入る位置にマットを敷いた。最初にこのクラスで唱えるマントラの説明があり、かなりドスの効いた声でマントラを唱え始める。自分はまだマントラに慣れていないのでちょっとドキドキしてしまう。クラスは既にこれまでの視察で練習をしてきた片鼻呼吸からスタートだ。ただし鼻の穴の押さえ方がこれまで練習した方法と違いガイドも聞き取りにくいため、目を閉じるように言われていたが目を開けて前にいる2人を確認していた。すると目を閉じているように見えるインストラクターから目を開けないようにと強い口調で注意される。見えてはいないだろうと思って気にしていなかったが、すぐに「目を閉じてサードアイ(第三の目)に集中しなさい!!」と指導が入る。「サードアイ!?」下調べをしてから来るべきだったと後悔しつつ、薄めを開けながらも呼吸に集中しようとするが、「サードアイ」が気になって仕方がない。このインストラクターは目を閉じてるのになぜ自分が目を開けているのが分かったのだろうか、まさかサードアイで観察しているのか、など邪念が消えず呼吸に集中できない。そうこうしているうちに次の呼吸法に移っていく。速いテンポで腹式呼吸を繰り返すそれはまさにヒクソン・グレイシーが取り入れていた「火の呼吸」だ。知識として知ってはいたが実際にやってみるとかなり難しい。横隔膜が疲れてしまい速いテンポが維持できないのだ。女版ヒクソンを薄目で確認するといとも簡単に続けている。さすがはヒクソン、サードアイも開いていて火の呼吸もマスターしている。本当に親戚なのではないだろうか?などとまた余計な邪念が頭を渦巻きつつも、呼吸法のせいかだんだん不思議な感覚になっていく。

60分のクラスであったが瞑想というより呼吸法で40分程度が経過したようだ。ここから瞑想に入っていく。呼吸法によって意識レベルが変容しているのか、確かにいつもと違った感覚がある。(緊張感漂う呼吸法が終わった安心感もあるが)座位の瞑想を終え、仰向けに横たわる頃にはかなり深い瞑想ができた。最後に何やら長いマントラを唱えてもらいクラスは終了。クラスが終わると女版ヒクソンはまたフレンドリーなカリフォルニア女子に戻っていた。色々聞いてみたいことはあったのだが、ちょっと躊躇してしまいお礼を言いスタジオを失礼した。

長くなってしまったが、以上で今回の視察を終えた。多くの学びがあったが、まとめとしてメモしておく。

・ (おそらくある程度昔から)米国における東洋のスピリチュアリティに対する姿勢は寛容で、ヨガや瞑想に対する興味を持っている層はかなり存在している
・ ヨガは既にメジャーになりつつあり、まだ市場としては伸びそうな印象。他にもピラティスやパーソナルジムなどの新しいエクササイズ系サービスを多く見かけた
・ 宗教色が薄い瞑想に特化したスタジオはまだ少なく、訪問したスタジオでもお客さんはヨガほど多くはない
・ ヨガも瞑想もプログラムの種類が多くそれぞれ個性がある
・ 全体として宗教性やスピリチュアリティを抑えた新しいスタジオの方がお客さんが入っている。スタジオの内装や世界観は個性豊かでこだわりを感じさせるところが多い
・ ヨガも瞑想も女性のお客さんが8割程度だが年齢層は幅広い

今回の視察で多くのヒントや気づきがあり、もともと持っていた店舗のイメージもある程度リアルになってきた。どのような形態のメディテーションスタジオであれば日本で受け入れられるのか更にブラッシュアップしていきたい。