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米国メディテーション市場視察 Part 4

米国メディテーション市場視察 Part 3

翌日はクリスマスだが、メディテーションとヨガのフルコースだ。午前中は前回の視察時にも訪れたグリニッジのMNDFLというメディテーションスタジオでEmotionというクラスを受講。

1階路面店と見せかけ実は半地下

インストラクターのDanさんは心理学にも詳しく、自分の感情とどのように付き合っていくかというテーマで簡単な説明と瞑想の実践をガイドしてくれた。その中で心理学の世界でも有名なアイオワ・ギャンブリング・タスクと呼ばれる実験も紹介してくれた。これは自分の情動や意思決定が認識できるようになる前に、脳と身体は無意識下でその反応や判断を行なっているという内容の実験で、とても面白いので興味のある方は調べて欲しい。参加人数は5名で自分以外は女性で、全員瞑想の経験はあるようだ。30分のクラスだったがとても内容の濃い充実したセッションだった。やはりインストラクターの知識と経験はとても大切と感じる。

気持ちの良い空間

次のクラスにはもう少し人数は集まっていたようなので、休日は午後の方が稼働率が高いのかもしれない。前回も感じたが、このスタジオの雰囲気は落ち着いていて、お客さん、店員さん、インストラクターの距離が近くて安心できる空気だ。自社のスタジオを開設する際には参考にしたい。

「呼吸は最高の贈り物」

次に向かったのはInscapeというメディテーションスタジオだ。こちらも前回も来たが、ドーム型のスタジオが印象的で少しミステリアスな雰囲気がある。ここではWater – Deep Soundというクラスを受講した。ドームの中にクッションが置いてありそこに横たわる。音声ガイダンスで呼吸を整えた後は、さまざまな水の音(雨、川、波など)と音楽に意識を集中していく。音響にこだわりがあると謳っているだけあり、重低音から繊細な音まで体全体で音が感じられ気持ちが良い。

ミステリアスでカッコいいスタジオ

寝ても良いけどイビキをかいたら起こしますよと言われていたので寝落ちないように気をつけていたが、いつの間にか寝ていたらしく、あっという間の35分間であった。マッサージと同じで、気持ち良くても完全に寝てしまったら満足度が下がってしまう問題がないか気になる。こちらのセッションの参加者は7名ほどで自分以外は女性。前回との比較ではラウンジのデザインの怪しさがなくなって、観葉植物が増えカジュアルな雰囲気になっていた。その効果もあるのか女性のお客さんが増えている感覚がある。相変わらずロビーは物販スペースが大きくとられてあり、マテリアリズム・資本主義臭は強めだ。笑

Before
After

ここで余談になるが、行きの飛行機で観た映画を思い出したので紹介しておく。「アドアストラ」というブラピが主演のSFで、遠くの惑星で危機が迫っていて人類を救うべく旅に出る系の映画で、それ自体はよくあるテーマだ。映画の内容はさておき、そこで描かれる宇宙飛行士の健康状態のチェック時に、必ずAIに自分の心理状態を報告するシーンがあり興味深かった。また主人公が自分の精神状態と脈拍をコントロールできるという点も関連して、(良くも悪くも)マインドフルネスや心のコントロールがテーマとして注目されている気がした。また映画には宇宙を長期間にわたり旅する宇宙飛行士の心の健康を維持するため、安息室という部屋が出てくる。(ちょうど前述したWoom Centernに似ている。)音楽と壁全体に投影されるさまざまな自然の風景でリラックスできる環境が整えられている空間だが、宇宙の無機質でデジタルな世界観とのギャップに違和感も感じられた。(意図的にそう描いているのかは不明ですが。)なかなか言葉でうまく説明できないのだが、テクノロジーで心をコントロールしていくことが可能になるブレインテックやトランステックの世界が遠からずやってくることに複雑な心境になる。テクノロジーの進化それ自体に良いも悪いもない。またそれを人間にとってネガティブなものの解消に使われるのも良いことだ。しかし本来ストレスが少ない環境が人間にとっては幸せであるはずなのに、それを目指さずにマインドフルネスを使って人類のストレス耐性を上げる方向に向かっていくことには、マインドフルネス界の一部でも危険性が指摘されている。このテーマに関しては長くなりそうなので、また別の機会に考察してみたい。(Part 5に続く)