学校でのマインドフルネス

 2019年2月にニューヨークタイムズにある記事が掲載されました。それはイギリスの370の学校で、マインドフルネスを含むメンタルヘルスを向上させる取り組みが実験的に行われることが決まったという内容です。現時点ではあくまで実験的な取り組みですが、学校で子供向けにマインドフルネス瞑想、リラクゼーション法、呼吸法などを授業の一環として教え、どのような方法に効果があるかを調査するようです。

 この政策が決定された背景には、イギリスの5歳から19歳までの青少年のうち、8人に1人が何らかの精神的な不調を抱えているという事実があります。またその数字は過去10年で徐々に増加傾向にあるようです。Action for Childrenという慈善団体の代表者によると、現在の状況は「子供の精神的健康の危機」(children’s mental health crisis)であり、彼らは子供や10代の若者がますます複雑化する現代の世界(学校でのプレッシャー、いじめ、家庭問題、SNSへの依存など)にどのように向き合うべきか悩みを抱えているのを目の当たりにしているとのことです。

 日本でも状況は似通っているようです。昨年、文部科学省によって発表された小中学校での不登校児数は14万人と前年比1万人増加しました。子供の数自体は減少傾向にあるので、不登校児数の全生徒に占める割合はそれよりも大きく増加していることになります。この理由については専門家の間でも意見が割れており、「複合要因」という言葉で片付けられてしまいそうですが、何らかの精神的不調を一定割合の子供が感じており、その割合が増加している可能性はありそうです。日本でもSNSやいじめによる問題は日々ニュースになっており、この原因究明と予防は喫緊の課題となっています。

https://news.yahoo.co.jp/byline/ishiishiko/20181029-00101956/

 一方でストレスを感じている子供がどのようにそれを解消できるのか、教育の現場ではその方法を教えているのでしょうか?筆者の不勉強かもしれないですが、精神的な不調を訴える子供に対して具体的な解決策を学校で教えているという事実は聞いたことがありません。もしかしたら学校側ではそれを家庭で解決すべきことと捉えているのかもしれませんが、家庭でもどのように対応すべきか悩んでいることでしょう。イギリスでの取り組みに一定の効果が認められるのであれば、日本の教育機関や家庭でも積極的に取り入れていくことが期待されます。